高校の授業進度の早さにすっかり置いてけぼりになっていた。
勝負は入学前に付いていた。
高校の教科書を買う時も
高校の制服を買う時も
高校の校章を受け取った時も
息子はまるで他人事のような態度だった。
嬉しかったのは
ワクワクしていたのは
私と夫だけだった。
息子はその県立高校に興味が無かったのかもしれない。
しかも
入学してみたら、クラスメイト達は既に
漢検や英検の2級や準1級を取得しており、数検も3級や2級も取得済みで
中学生の頃から努力して
高校に入ってからも努力し続ける
優秀な生徒たちばかりだった。
高校入試の得点率が9割を超えていた息子だが
その高校に入学してくる生徒達は、当日の得点率だけでなく
それ以外の部分でも、大変な努力をしていたのだ。
定期考査は一番最初の一学期の中間テストの出来が、恐らく最高点で
その後は下降の一途を辿っていたに違いない。
ある日
息子が腕まくりをしてあらわになっていた左腕に
たくさんの切り傷があるのを見付けてしまった。