UnsplashのVasily Kolodaが撮影した写真
今回は短く。アメリカと日本では、多くの学生を集めている人気の専攻にかなり違いがあると感じます。今回は、たまたま日米でそうした違いが分かる統計を見つけたので簡単に紹介しようと思います。
早速統計は下表のとおり。アメリカは4年制大学の専攻別の履修者数、日本は大学の専攻別の入学者数です。対象年も違い、Apple-to-Appleで比較できるようなものでもないと思いますが、大まかな傾向はつかめるのではないかと思います。なお、分野の分類の仕方が両者でかなり異なっているので、比較には注意が必要です。
ざっとみたところ、主な傾向としては以下が挙げられます。
- 日米とも1位はビジネス/商学・経済学(米で全体の16.2%、日18.1%)。しかし日本では経済学がかなりの割合、含まれるものと思われるのに対して、アメリカでは経済学は別建てになっており履修者数はかなり少ない(1.0%、他分野と比べてみると、例えば物理学(「Physical Science」)の方が履修者がかなり多いというのは、日本の感覚で言えばびっくりするような話ですね…)。割合としては、アメリカの方が圧倒的にビジネスに寄っているものと考えられます。また、日本の商学とアメリカのビジネスではかなり文化も違うように思います。詳細はこちら。経済学についてはこちら。
- 日本の2位は法学・政治学(6.0%)ですが、アメリカはロースクール制の国のため、学部の法学はほとんどありません。政治学も全体の1.4%に過ぎず、制度的な問題とは言え日米で大きな差が出ています。
- 日本は3位「人文科学その他」4位「社会学」5位「文学」と人文学・社会科学が続きます。日米とも分類が細かく分かれており比較が難しいですが、人文学・社会科学ともに日本の方がかなり多いように見えます。
人文学について言えば日本は「人文科学その他」「文学」「哲学」「史学」を合算すれば10%を上回りますが、アメリカでは上位に入ってくる専攻はほとんどありません。また、上述の経済学・政治学と後述の心理学を除いた社会科学で見ても日本は手元の集計で10%近くと、米国(3%足らず)を大きく上回っています。実際には日本の分類で心理学がどこに入っているかわからないので、はっきりとは分からないところもありますが。
- 続く工学も日本側の分類が細かく分かれていますが、工学だけなら日本の方がかなり多くなっています(アメリカ5.7%に対し日本は手元の集計では12%を超える)。しかしアメリカは工学全体とほぼ同規模の情報系を抱えています。
- 以上、日本側の上位の専攻をいくつか見てみましたが、一方でアメリカが多いのは医療系(全体の14.0%)、生物学(6.2%)、心理学(5.7%)等となっています。生物学等は、アメリカはメディカルスクール制の国なので、医学部の準備過程になっていることも影響しているものと思います。
他に、「Visual and Performing Arts」、「Security, law enforcement, firefiting, and related protective majors」、「Communication and journalism」等もアメリカらしい人気専攻だと思います。
総じて見ると、日本は相対的に「経済学」、「法学・政治学」、「人文学・社会科学」、「工学」が多い一方、アメリカは「ビジネス」、「情報」、「医療」、「生物」、「心理学」に多くの学生が向かっていることがわかります。
今回はこれだけです。こうしたことはどちらが正解と言うものでは全くなく、制度上の違いや産業構造の違い(日本はやはり圧倒的に製造業の国です)等も影響しますので、直ぐにだからどうこうと言えるものではありませんが、進路選び等、何らかの参考にして頂ければと思います。また、アメリカであってすら履修者数と卒業生の就職がさほど連動していないように見えるのも(少し古いですがこちらが比較的、包括的です)、少し意外で面白かったです。
なお、留学、特に卒業後の現地での就職を考えている人には、このランキングは必ずしも参考にならないかもしれません。とにかくSTEM(理系)の実学的な専攻を選ぶことが重要になります。アメリカのビザ制度についてはこちらもご覧ください。





