※ この記事には更新版があります。こちらをご覧ください。

 

ビジネススクール(BS)と言えばMBA。アメリカでは管理職へのパスポートと言われています。でも最近、アメリカでは、MBAではない、かといってアカデミック・キャリア向けでもない専門職修士「Specialized Masters」を提供するBSが増えているそうです。

 

ちょっと古いですが、例えばこんな記事。

http://fortune.com/2015/12/08/specialized-business-masters/

 

  • MBAプログラムの応募者の伸びが鈍り、アメリカでも一部のBSは学生集めに苦戦するようになった。そのことを受けて、広く浅く学ぶMBAに代わるプログラムとして、より特定の専門分野に特化した「Specialized Masters」を提供するBSが増えている。
  • 応募者は学部を卒業してから期間が浅いことが多く、実態は「MBA lite」というより「Undergraduate programs on steroids」と言う関係者も(但し、ミッドキャリアを対象としたプログラムもあり)。
  • 専攻分野は、会計学ビジネス・アナリティクス(最近流行りのビッグデータ関係)、ファイナンスマネジメント金融工学サプライチェーン・マネジメントが定番。
  • 修了者の初任給はなかなかに高い(一千万円(‼)近く?)。一方、BS側の金儲けの手段に過ぎないと指摘する関係者も。

 

これまた少し古いですが、こうした「Specialized Masters」を提供しているBSのまとめが以下の記事にありました。

 

https://poetsandquants.com/2015/12/04/specialized-masters-programs-at-the-top-50-b-schools/

 

HBS、シカゴブース、ウォートン等の伝統校にはこうしたプログラムがない(スタンフォード、イェールも、ここで言っているようなものとは違いそう)一方で、ケロッグ、コロンビア、スローン等ではやっているようです。中堅校まで含めると、やってないBSの方が珍しいぐらいですね。中には、5種類以上のプログラムを提供しているBSも…。

 

(注1)この記事も2015年ですが、現在、スローンは表にあるファイナンス修士に加え、ビジネス・アナリティクス修士も提供中です(http://mitsloan.mit.edu/master-of-business-analytics/)。

 

(注2)上の記事には書いてありませんが、例えばプリンストンにはBSはないものの、ファイナンス修士は提供していますね(http://bcf.princeton.edu/master-in-finance/)。

 

(2020/3)上位校が提供しているSpecialized Mastersプログラムを幾つか調べて纏めましたのでこちらもご覧ください。

 

日本でも一橋、早稲田、首都大等が、MBAとは別枠でファイナンス関係のプログラムを用意しているようです。あと「アカウンティングスクール」というものもありましたが、あれはいったいどうなったのでしょうか?

 

職業柄か、実は筆者の知る範囲ではそんなに卒業生を見かけるわけでもないのですが(会計修士は、アメリカではCPA試験の受験資格を得るために必要な単位がやたら増えてしまったため、持っている人も少なくない)、実際のところどうなんでしょうか?