2020年3月22日追記:本記事の更新版のエントリーを書きましたので、是非そちらもご覧ください。
 

以前、ビジネス系のビッグデータ関連プログラム「ビジネス・アナリティクスプログラム」について調べてみたエントリーで、最後にこんなことを書きました。

 

まあ、この手のプログラムは結局、アメリカで就職したい外国人だらけになっているケースも多いと思います。非ビジネス系の修士課程に行ってる外国人の知り合いは、その課程から地元の有力テック企業への就職ルートができているらしく、そこを目指してすごく頑張ってます。私自身の勝手な思い込みとしては、ビジネス系のプログラムだと技術的には若干弱いことが多くて、バリバリのテック系というよりは現場でコンサルやってるようなイメージなわけですが、実際、どうなんでしょう?

 

アメリカでもまだ新しいプログラムですので、私の回りにもまだそんなにやった人はいませんし、学生、大学、企業ともにまだ手探りで進めている状況なのではないかと思います。その一方で、早くからプログラムを開始していたと思われる大学院で、学生の構成や就職先をある程度公開していましたので、今回は落穂拾い的に取り上げてみることします。

 

 1.ミネソタ大学Carlson経営大学院ビジネス・アナリティクス修士課程

 

前回紹介したランキングでは9位です。ミネソタ大学はビジネススクールのランキングで全米上位に上がってくることこそ多くはありませんが、理系分野や経済学ではノーベル賞受賞者を多数輩出してきた名門研究大学です。

 

フルタイムとパートタイムの修士課程があるようですが、フルタイムの修士課程(1年制)で詳細なレポートが公開されていました(”2016 Full Time MSBA Employment Report”を参照)。

 

 

https://carlsonschool.umn.edu/degrees/master-science-in-business-analytics/advance-your-career-in-business-analytics

 

Ÿ   卒業生の平均給与はUSD87K!コンサルに限れば97K!!入学時点の平均就労年数3.2年の学生の1年制プログラムの卒業後年収ですから、大したものではないでしょうか?

Ÿ   業界別就業割合を見ると、32%がコンサル、24%が小売、16%が金融、14%がテック企業。やはりテック企業よりはコンサル、インダストリーが多いようですね。

Ø  ただしアメリカでは、例えばウォルマートのようなコテコテな小売業でもオンラインリテールが強いので、それっぽいことはできるのではないかと推測します。

Ø  金融はクレジットカード、保険、商業銀行等。テック企業ではGoogle、コンサルはマッキンゼー、デロイト、IBM等が上がっています。

Ÿ   学生は9割近くが外国人!!理系が6割前後、 残りは経済学、ビジネス等です。

 

全体的には、「アメリカで就職したい若い外国人の学生をコンサル等の現場に送り込む」という、まさに私の個人的なステレオタイプに近いプログラムに見えます。なお、こうしたプログラムは例えビジネススクールで提供されるものであっても理系(STEM)とされ、留学生のアメリカでの就労が有利になります。

 

 2.その他

 

他のプログラムでは上記のような詳細な就職先のレポートは見当たりませんでしたが、学生の構成を公開しているプログラムはありました。

 

Ÿ   テキサス大学McComb経営大学院ビジネスアナリティクス修士課程:フルタイムの1年(10カ月)制課程で、前回の記事では3位にランクインしています。ビジネススクール全体としても、例えば会計学ではウォートンを抑えて全米1位に輝く名門です(Ranking in 2017)。同校の学生の構成はこちら2017 Admitted Class Profile)。アメリカ人6割、全体の3分の1が同大学の学部出身、職歴ありの学生6割、理系と文系はほぼ半々。なかなか良いバランスですね。意図的にいろいろな学生を取ってみて、どうすればうまくいくのか様子を見ているようにも見えます。

Ÿ   ニューヨーク大学Stern経営大学院ビジネスアナリティクス修士課程:前回の記事のランキングでは10位。1年制パートタイム、オンライン授業とニューヨーク、ロンドン、上海でのスクーリングで授業料USD70K以上!という個性的なプログラムです。学生の平均年齢37歳(Class of 2017)!!

Ÿ   カーネギーメロン大学(ランキング2位)、シカゴ大学(4位)等でも学生の構成を公表しています。プログラムにより学生の年齢層は20台‐30台後半以降と様々です。パートタイムありのプログラムでは、年齢層はやはり高くなりますね。

 

MBAと比べても、コースのフォーマットも学生層もバラバラですね。留学を検討されている方は、ランキング以外にもいろいろと調べられた方がよさそうです。