おおがき談義(第3話:なぜ第2外国語を学ぶのか?) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

<事実に基づいたフィクションです。>

第2話http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10613200959.html の続きです。


(3)ドイツ語は理系では有利か?

H「私はずっとフランス語を第2外国語にしたかったのですが、入学後のガイダンスでうちの学科は強くドイツ語を勧められました。論文でドイツ語を多用するとか、例年人数の関係でクラス編成で不利だとか。」


Y「実際はどうだったのですか?」


H「専門誌として英語とドイツ語のものしか目にしていないという意味では『正解』でした。」


F「(そう言った意味では)医薬系もやっぱりドイツ語で無いとあきませんでしたね。」


H「F君の分野は特にそんな印象を受けますよね。それからクラス編成なんですが、フランス語クラスが独立して出来ていましたが他学科との混成だったかもしれません。でもそれを不利と感じるかどうかは別問題だった様な印象は持っています。むしろ、理工系でも建築系分野ですとフランス語の方が人気が有るとは聞きました。」


Y「それで第3外国語クラスが?」


H「背景は良く分かりません。ただ、そのガイダンスでは『フランス語なら2年生から第3外国語でも取れる』とも言われてましたから、それならば余力が有ればそうしようと。」


Y「でも、やっぱり第2外国語よりも授業時間は少なくなってしまうのですか・・・。」


H「そうですね。それでフランス語の実力にも不安が残り、結局は迷いなく院試(大学院入学試験)はドイツ語で受験しました。まあ読解問題もO君の言う様に英語の様な『ぶれ』は有りませんからね。」


Y「そうですか。確かに院試の読解という点では同感ですね。でも専門に関しては、こちらは文系と言う事も有るかもしれませんがあまり役に立った様な気はしません。ただ・・・。」


(4)第2外国語で得るものとは?

H「ただ・・・何ですか?」


Y「ただ、ドイツ語を学ぶ事によって、英語の文法事項などは『より明確に』頭に入って来る様になりましたよ。英語のこの構文には『この様な背景』があったのだとか、本来は『こういった形』だったのか・・・などです。」


H「やはり2千年前には同一だったという近縁言語ですよね。動詞の位置が異なったりするのですが、それでも良く似ていて比較しやすいです。ドイツ語を学ぶ事によって英語が、英語を学ぶ事によってドイツ語が磨かれる様な印象は常に持ち続けられましたからね。」


O「それはフランス語でも同じ様な事が言えますねー。英語はフランス語から抽象語をたくさん入れていますんで、比較して覚えやすいという面がありました!」


F「ロシア語はいまいちですね。英語はドイツ語とフランス語の中間やから比較しやすいんでしょうが、ロシア語は違いが大きい様に感じますわ。」


H「ロシア語は本当に学びたいという動機が無いと続けられないのでは。NHK講座を見たんですが、格が幾つも有って変化はドイツ語よりも難しそうですね。そして何よりも、文字が違う。」


F「キリル文字は慣れれば大丈夫・・・それでも半年近く掛かりますねんけれど。それよりも固有名詞まで語尾変化するのは驚きましたわ!」


Y「英語はドイツ語とフランス語の中間・・・なるほどそんな感じでしょうね。英独は同じゲルマン語派、フランス語は語派が違うけれど英語と多くの単語が共通なので。」


H「英語とドイツ語とで違う点が有れば、まずはフランス語の影響を疑え・・・とも言われるぐらいですからね。まあ要するに第2外国語を学ぶという事は、英語を見つめ直すという一面が有るのでしょうね。ですから、特に何も希望が無ければ英語に近い言語を勧められるのも一理は有るのでしょう。」


Y「もちろん中国語の様な(日本語・英語に対して)『第3者的な言語』でも比較は出来ますよね。その場合は日本語を見つめ直す方の意味合いが強くなるかもしれませんが。」 (以上で第2外国語編終了。)