本日の外来語(No.23:『アンコール』[仏]には確かに『もう一度』という意味は有るが) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

本日最初の更新です!


本日の外来語は「アンコール!」。追加演奏などのパフォーマンスをお願いする場合に観客がする掛け声となっています。

・・・日本国では!


このアンコール、フランス語由来で"encore"と綴ります。フランス語学習者なら、この単語の主要な意味は御存じのはずです:


IL n'a pas encore dix ans.

(彼はまだ10歳にならない。)


この様に、フランス語"encore"は英語でyetに相当する語です。これがあの「アンコール」と同じ単語と知ったのは暫く経ってからの事でした。

ただ、現在の英単語yetには「すでに」や「さらに」という意味は廃れてしまっている一方で、確かにフランス語のencoreには「さらに」と言う意味が残っています:


Encore!(もう一度!)


正しいフランス語です。ならば観客が演者に言っていいのかというと、それは違う様です。


彼の国では追加演奏を求める掛け声は2度目(=もう一度)を意味する「bis!( ビス!)」なのです。

「アンコール、アンコール!」ではなく「ビス!ビス!」なのですね。


そもそも何故日本で「アンコール」と言う掛け声なったのかと言いますと、これは古くは大正時代に遡るそうで、
Encore une fois! (英One more time!)

の最初の箇所だけを取ったという説が事典に記載されて居ました。


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前回の「ブラヴォー」http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10613828489.html は本場のイタリア語の語形変化に従った掛け声も知っておいた方が良かったのでしょうが、これは正しい言葉の様ですので「このまま」でいいかもしれない・・・「ビス!ビス!」と言っているフランス人やイタリア人に驚かなければ良いだけ・・・と思いましたが、もう一点!


Encore!には「もう一度!」の意味の他にまたか!」という意味も有るそうです。