「先読み力」で人を動かす -15ページ目

競争社会のインド vs. ゆとり教育の日本(インド出張で感じたこと4)

インドシリーズ4回目です。


今回は競争社会のインドとゆとり教育の日本を比べて見ます。


※インドシリーズ

・1回目「フラット化する世界」はこちら

・2回目「世界標準の言葉とは?」はこちら

・3回目「世界標準の土俵とは?」はこちら



先日まで日本で一緒に働いていたインド人がインドに帰国したのですが、彼が言った言葉が印象的だったので紹介します。


彼がやっていた仕事はITの世界では最新ではなくなってきていました。そんな彼が帰国前に言った言葉は、


周りに次々と若くて優秀な人が出てきている。日本で同じことをずーとやっていたら追い抜かれてしまうので、インドに帰って新しいスキルを身につけたい」とのこと。


インドは人口ピラミッドがまだまだ裾野が広いので、彼が言うように若い優秀な人たちがどんどん出てきて、益々競争社会になっています。(インドの人口ピラミッドは2回目のここ に書いています)


一方で日本を見ていると、2002年から本格導入された「ゆとり教育」という名で、完全週休2日制になったり、教科書の中身が少なくなったり、という政策をとってきました。



ゆとり教育を進めた結果、どうなったでしょうか?



ゆとり世代と一言で片付けるのはあまりも横着なカテゴリの仕方ですが、学力の全体レベルが下がるだけではなく、実際にゆとり教育を受けた人たちが新入社員として入社してきた昨今、いろいろなところで、扱いに困っているという悲鳴とも聞こえる声が聞こえてきています。ゆとり教育だけが原因だとは思いませんし、その中でも切磋琢磨して優秀な人が多くいるのも事実ですが、国家の施策レベルで見ると、ゆとり教育が成功したとは言いがたいでしょう。


そして、ビジネスの世界標準語である英語を話し、競争相手が益々増えて切磋琢磨しているインドと比べると、proactiveとreactiveではないですが、2歩どころか何十歩も差が付いていっています。


そんなインドは英語を話せる高等教育を受けた多くの人がいるにもかかわらず、人件費が先進国に比べて相当安い(5分の1程度)、ということで、今回の出張で私が見たコールセンターの世界でも大変重宝されています。


英語が母国語である、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダから、英語が流暢に話せる安い人件費を求めて大量の仕事が舞い込んできます。


続く。


続きはこちら

世界標準の土俵とは?(インド出張で感じたこと3)

インドシリーズ3回目です。


1回目に、「日本はビジネスにおいて世界標準の土俵に上がらせてもらえない」と書きましたが、 ビジネスにおける世界標準の土俵とは何か、に関するお話です。


※インドシリーズ

・1回目「フラット化する世界」はこちら

・2回目「世界標準の言葉とは?」はこちら



グローバルで戦う企業の例を身近なところでお話します。


私の会社はアメリカのITの会社です。会社としてインドへの投資はそうとうなもので、過去20億ドル(約2000億円)の投資してきましたが、今後、3年間で60億ドル(約6000億円)投資すると2006年に発表しました。


GDPの伸びが10%近いインドと、マイナスになりそうな日本ではさすがに比べられないですが、成熟社会の日本には同じような投資はされません。。


ITだからだと思うかもしれませんが、これは金融業界でも同じです。

インドに対する投資を見てみると、欧米の金融機関は日本の金融機関に比べてゼロが2つくらい違う金額の投資をしています。また、私は過去10年以上、金融のお客様を担当してきたのですが、現時点で金融業界で本当にグローバルに戦える企業はほとんどないと言ってもいいでしょう。製造業などは、唯一戦える業界かもしれませんが、中国だけではなく、本当の意味でグローバルを舞台に戦っている企業はそれほど多くないでしょう。



では「ビジネスの世界標準の土俵」とは何か?



「ビジネスの世界標準の土俵」とは、ビジネスの標準語である英語を使って戦う、グローバルという土俵、ということです。


正直、日本はその土俵に上がらせてもらえないと感じています。


日本は英語という観点からもビジネスで戦えるくらい流暢に話せる人の数も少ないです。また、グローバルという世界地図で物事を考える思考がある人がほとんどいない、というのも事実です。これらの理由から世界標準の土俵に戦う前に、土俵に上がれないのではないでしょうか。


野球でグローブとバットを持たずに試合に出れないように、英語という道具を持っていないと出れないのではないでしょうか?


今まで、仕事をする上で、その仕事は中国が最適と考えたことはありますか?中国は距離も近いですし、製造業の多くが中国でビジネスを開始しているので中国という選択肢は出てくるかもしれませんよね。

では、インドが最適とか、ブラジルが最適とか、ルーマニアが最適とか考えたことがありますか?


今まで、そのような視点がなかったとしたら、それは、まだ世界標準の土俵に立ってないことになります。


私もグローバルという世界地図を頭では理解していたつもりですが、実際に英語を流暢に話すインド人が数百人働くコールセンターをこの目で見て、さらに、日本企業がどうグローバル化すればいいか悩んでいる時に、欧米企業はインドを活用するたけではなく、さらにもっともっと効率的にと日々切磋琢磨しているのを見て愕然としました。まるでオリンピック選手がさらに0.01秒縮めるために世界で切磋琢磨している横で、学校の中で1位を目指してがんばっている感じです。


もう、カンジス川で牛と共に沐浴している人がいるところがインドではありません。インドの大学を出て、インド国外で実に初任給9000万円をもらう人材を輩出する国がインドなのです。(2007年データ)

これは最高額なので例外だとしても、インド国内でも1000万円もらう人もかなりの数いるそうです。



ちなみに、このブログを書くためにインターネットで金融機関の投資額を調べるために、日本語と英語で検索して調べました。日本語ではいい情報はほとんどありませんでしたが、英語ではたくさん出てきます。感覚的ですが、日本語での情報は全体の情報の5%程度です。


英語というツールを持たないとそもそもグローバルの土俵に立たせてもらえません。


続く。


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「先読み力」の鍛え方20 ~依存関係を見せて危機感を共有する~

□質問□

 「デットラインが入ったスケジュールを共有することで、
  多くのメンバーは残りの期限が短いことを理解してくれましたが、
  メンバーによっては相変わらず、仕事の遅れが周りの人へ影響を
  与えることを理解してくれない人がいます。
 
  意識を変えたいと思うのですが、何かアドバイスはありませんか?」


 □アドバイス□

 「多くの仕事はお互いの依存関係で成り立っています。
 ある人の仕事が遅れることで、チーム全体の仕事が
 遅れることは多々あります。

 しかし、自分の仕事の遅れが周りの人へ影響するることを
 理解してくれない人がいるのも事実です。

 特に若手のメンバーは目の前の仕事に一生懸命で、周りが
 見えていないのでそうなりがちです。

 そんな時は、デットライン付きのスケジュールを共有するのと共に、


 仕事(タスク)の依存関係を共有することをオススメします。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 具体的には前回も使ったExcelのスケジュールを見てください。
 http://www.muranaka.com/temp/sample_schedule.xls
 
 
 これを見ると、タスク間を点線の矢印で上下左右に
 引かれているのがわかります。


 この点線が「依存関係」です。


 依存関係とは、つまり、手前のタスクが終わらないと、
 次のタスクが開始できないということを意味しています。

 言い換えると、後手君の仕事が終わらないと、先読み君の仕事が
 はじめられない、つまり、後手君の遅れが他の人(先読み君)に
 影響を与えるということです。

 この依存関係が入ったスケジュールを共有することで、
 後手君に対して、後手君の仕事の遅れによるチーム全体への
 影響を認知してもらうことが可能になります。

 人が行動するときは「自らが気がついたときだけ」とも言われるため
 この方法は自ら気がつくための仕組みづくりとも言えます。

 この方法は自分の仕事しか見えていないような人に遅れることの
 影響を認知してもらうために有効な方法です

 ぜひ、タスクの依存関係がわかる、デットラインが入った
 スケジュールを共有してチーム全体で危機感を共有してください。

 そしてその仕事を成功に導いてください。


 ちなみにこのタスクの依存関係を表現したスケジュールを
 作成することはプロジェクトマネジメントでは一般的な方法です。

 ただし、プロジェクトマネジメントと仰々しく考えずに
 チーム全体を推進する上で、お互いがお互いの依存関係で
 成り立っていることを見える形にして共有してください。
 」
 


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世界標準の言葉とは?(インド出張で感じたこと2)

インドシリーズ2回目です。


前回、「日本はビジネスにおいて世界標準の土俵に上がらせてもらえない」と書きましたが、その前に世界標準の言葉に関してお話します。

※1回目の「フラット化する社会 」はこちらから。



世界経済は、サブプライムで衰えてきたとはいえ、アメリカ中心で動いていることは否定できません。そのアメリカの母国語が英語です。またオランダでは公用語としてオランダ語が話され、北欧も同様にその国の言葉が公用語ですが、1人でも外人が会議などに入ったとたん、すべて英語で進められます。


ベルギーでもオランダ語、フランス語、ドイツ語が話されますが、オフィスではこれらの言葉が話されるのではなく、公平な言語として英語が使われます。私が仕事で韓国や台湾の人と話す時もやはり英語以外のコミュニケーション手段がありえません。すなわちビジネスの標準語は英語なわけです。


そんな英語を公用語にしたのがインドです。



インドの話をすると、インドの人口は現在最新の数字で11億3千万人(2007年)と言われています。中国の人口は13億人なので、インドは世界でNo.2の人口ですが、一人っ子政策をしていた中国に比べてインドの人口ピラミッドはいまだ、裾野が広く、2030年には14億人5千万になり、世界でNo.1の人口になると言われています。



インドの人口ピラミッド
インド人口ピラミッド

中国の人口ピラミッド
中国人口ピラミッド

(2005年国連資料より)



インドでは大学進学率がまだ6~7%と言われていて、まだまだ高等教育を受ける人の数が限られています。が、ここで考えていただきたいのが、11億人の6~7%になるととてつもない数字になります。実際には20歳前後の人口で計算すると、年間600万人程度が大学に進学していることになり、これは大学進学率50%の日本と同じ数になります。


そのような高等教育を受けている人々は英語で授業を受けています。その結果、英語は”普通”に使う言葉になります。人数で言えば、日本の大学生が全員英語がペラペラ、という感じですね。


そのように普通に世界標準語である英語を話す高等教育を受けた人たちがたくさんいるのがインドです。

そのようなインドが今、世界のビジネスの舞台で大躍進をしています。


そんな世界標準の言葉を使った、世界標準の土俵とは?


次回に続く。


続きはこちら から。


フラット化する世界(インド出張で感じたこと1)

今朝インドから戻ってきました。


ここ でも書いたのですが、3回目のインドでも、やはりインドにやられてしまいました。
最終日前日についにおなかを壊してしまったのです・・。


帰りの飛行機ではクラクラしてかなりつらかったので、日本についてホッとしてます。


さて、今日から数回に分けて、インド特集です。


今回インドで見たものはまさに『フラット化する世界(上・下)』 (トーマス・フリードマン著 伏見威蕃訳 日本経済新聞社)でした。


フラット化する世界 」を読んだことがない方のために簡単にどんなことが書かれているか紹介します。


※個人がグローバリゼーションの時代を生き抜くための必読の書なので読んだことがない方は一度読むことをオススメします。



例えば、アメリカの小学生が家庭教師をつけるとします。その相手がアメリカの裏側にいるインド人なわけです。Skype(スカイプ)と言われるインターネット上の無料で使える電話を使ってインド人から数学や理科を勉強する、という方法です。大きな理由は家庭教師の金額が5分の1程度安いからです。(価格はケースバイケース)


同じ品質であれば価格は安いに越したことはありません。実際には、インド人は数学や理科に強いのでひょっとするとアメリカでアメリカ人の家庭教師にお願いするよりは品質もいいかもしれません。


これは一例ですが、このようにインターネットの発達により地球上の場所の制限がなくなり、社会がフラット化する、そのフラット化する社会でどのような価値を提供して生きていくか、ということが書かれています。



この本には他の例も出てきます。
それは、銀行の振込みや残高照会をしたり、パソコンの操作が分からない時に聞く、企業のコールセンターに関してです。アメリカの多くの企業はインドにコールセンターを持っています。アメリカ人が問い合わせ番号に電話すると、実はインドにつながっています。インド人がアメリカ人の問い合わせに答えているわけです。


実は私はまさにこのコールセンターを見てきました。この業界は専門用語でBPO(Business Process Outsourcing)といわれていて、コールセンターや事務のようなビジネスの処理(プロセス)を外注に出す(アウトソース)することです。この業界で世界でNo.1と言われている場所に行ってきました。


そこには、誰もが知っているアメリカの銀行の最大手だったり、世界中の名だたる企業のコールセンターが40社以上ありました。


1週間、いろいろなコールセンターを見て学んだ後、一番感じたことは「日本はビジネスにおいて世界標準の土俵に上がらせてもらえない」ということでした。


世界標準の土俵に上がらせてもらえない、ということはどういうことか?


次回に続く。


次回はこちらから