エディパス、エディパス、ルルルルル~ | DVD放浪記

エディパス、エディパス、ルルルルル~

NHKの語学講座のひとつ、「ラジオビジネス英語」の6月号のインタビュー記事に、戦後日本で初の外国人落語家となった桂三輝(カツラ・サンシャイン)が登場した。

 

 

 

 

カナダ生まれの彼は、高校時代のラテン語教師によって、ローマやギギリシア、それらの文学や言語に目を開かれ、トロント大学で古代ギリシア語を学ぶ。そこでギリシア喜劇に興味を持ち、いろいろと調べていくうちに、ある研究者が、日本の能や歌舞伎との類似性に言及していることを知り、ぜひとも歌舞伎を見てみたいという思いで日本へやってきたのだという。

 

そのインタビュー音声中で “ありすふぁにーず” という言葉が出てきた。古代ギリシアの劇作家、アリストファネス英語読みである。

そういえば、昔書いた記事に…

 

 


 

インタビューに続く発展学習のコーナー(Upgrade Your Questioning Skills)には「オイディプス王」が登場した。これを組み込んだ質問文を作ってみましょうというわけである。

 

 


 

私の耳には、“ディパス” とか “ダパス” とかのように聞こえる(最初を “イー” とのばす発音もあるらしい)この Oedipus は、フロイトの精神分析の「エディプス-コンプレックス」(Oedipus complex)として日本語でもおなじみだが、パッと綴りだけ見せられていきなり英語風に読み下せといわれても私なんかはまごついてしまう。(^^;

 

このように、非英語圏の固有名詞の英語読みが難しく感じられるのは必ずしも私ばかりではないらしく、西森マリー『ギリシア・ローマ神話を知れば英語はもっと上達する』では、カタカナ表記ながら、英語での読み方を添えてくれていてこれは嬉しい配慮だ!

 

 

 

 

 

 

 

もっとも、ギリシア・ローマ神話ばかりが固有名詞ではない。歴史上著名な人物、地名、出来事など山ほどある! そのあたりをハンディな英単語集としてまとめたものが原島広至『歴単 ~語源からわかる英単語集』である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西洋史編東洋史編の2冊があり、どちらも収録語数は控えめで、歴史の教科書中の太字項目をピックアップした感じといえばいいか。辞書的には使えないけれど、ある時代区分についての基礎事項を英語でざっと整理しておく際には役立ちそうだ。各項目に英語の発音記号とカタカナ表記が添えられていて、冒頭には、ギリシア語やラテン語を日本語読みする際の勘どころが簡潔に説明されているのもありがたい。

 

もちろん、英語での発音の仕方を知ったから教養が身につくというわけではないけれど、知識があっても発信できなければそれっきりで……なあんて話は私には無縁の世界だけれど、まあ、リスニングであまりまごつきたくはないなという程度の思いは私にもある。 (^^;

◆ そういえば、こんな本もありましたっけ…

 

 

 

【要注意】

版元はこの『歴単』のキンドル版をときにセール価格で販売しているが、半額になっていても、あわてて飛びつくのは考えものだ。キンドル版は書籍版を単に画像化したものでテキスト部分がなく、したがって、内部で語句検索はできない仕様となっている。

 

加えて、この書籍には、紙ならではの工夫が施されていて、各項目の日英の情報が同一ページでは(そして見開きでも)一望できないことになっているのだ(以下の図を参照のこと)。 その点、どうか購入前に慎重にご検討いただきたい!