最近のブログでは、結合係数の計測において巻線抵抗を
無視できないことを理論的に説明してきました。
今回はコイルのパラメータに具体的な数値を設定して
どいうことかを確認してみましょう。
さて、巻線抵抗と自己インダクタンスおよび結合係数が
以下のような2つのコイルの例を考えます。
【1次側コイル】
R1=0.02 [Ω] L1=1.2 [μH]
【2次側コイル】
R2=0.05 [Ω] L2=4.0 [μH]
【結合係数】
k = 0.1
そして、2次側コイルを短絡して(RZ = 0)
1次側からみた抵抗とインダクタンスをLCRメータで計測すると
●計測周波数が、「1kHz」の場合、
Rshort=0.02003 [Ω] Lshort=1.1976 [μH]
( ZRe=0.02003 [Ω] ZIm=0.00752 [Ω] )
●計測周波数が、「100kHz」の場合、
Rshort=0.02015 [Ω] Lshort=1.1880 [μH]
( ZRe=0.02015 [Ω] ZIm=0.74645 [Ω] )
という計測値が得られます。
この計測結果を、前回のブログで示した以下の結合係数の算出式に代入すれば
どちらの計測周波数でも、
結合係数 : k = 0.1
という正しい値を得ることができます。
一方で、結合係数の算出で一般的に用いられている
この式で算出すると
計測周波数が「1kHz」では、
結合係数 : k = 0.045
計測周波数が「100kHz」では、
結合係数 : k = 0.1
このように、巻線抵抗を無視すると計測周波数によって異なる結果になってしまいます。
巻線抵抗を考慮するべきか無視してよいのか慎重に判断して、
結合係数を正しく計測できるようになりましょう!
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