宇宙太陽光発電を実現するための本当の課題とは | ワイヤレス給電を操るためのパワエレ技術講座|コイルの位置ずれ対策

ワイヤレス給電を操るためのパワエレ技術講座|コイルの位置ずれ対策

ワイヤレス給電の開発課題
・コイルの位置ずれ対策
・電力伝送距離の延長
・安定した充放電制御
がパワエレ技術でどのように解決できるのか。
ワイヤレス給電とパワエレの両面から、双方向ワイヤレス電源の開発実績に基づいたノウハウを解説します。

このブログのワイヤレス給電に関する記事では

誘導結合方式の話をメインにしていますが、

たまには電磁波放射方式の話をしてみましょう。

ワイヤレス給電の方式分類はこちら

 

宇宙で太陽光発電して、その発電エネルギーを地球へワイヤレスで送る方法として

レーザーを使う方法が研究されています。

(レーザーや光もマイクロ波などと同じ電磁波なので、分類は電磁波放射方式になります)

 

「宇宙の太陽光発電へさらに前進、レーザーによる電力伝送実験で好結果」

http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1610/14/news028.html

 

この記事にあるように、レーザーの方向の制御は重要な開発課題となるでしょう。

 

しかし、本当の課題は他にあります。

 

この記事の最後に書かれている

「2030年代にはMW(メガワット)級の発電システムを実用化する」

という部分です。

 

MW級って…

 

百万ワット(1,000,000W)以上ってことです。

 

ちなみに一般的なレーザーポインタの出力は、0.001W 以下です。

これは、目(網膜)への影響を考えた安全基準で決められています。

 

1Wのレーザーだと、拡散度合い(面積当たりのエネルギー)にもよりますが

失明・やけど・火災の危険があります。

 

つまり、その百万倍以上のエネルギーを持った

MW級のレーザーが宇宙から地球に照射されるって、宇宙兵器ですよ。

 

 

もし、レーザー照射位置がズレたら・・・

 

もし、航空機がレーザーを横切ったら・・・

 

 

恐ろしいですよね。

 

原理的にも技術的にも不可能ではないと思いますが、

実用的には安全性を確保するのは難しいでしょう。

 

これが宇宙太陽光発電の最も重要な課題ではないでしょうか。

 

 

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