ワイヤレスで伝送できる最大電力の理論計算-その3 | ワイヤレス給電を操るためのパワエレ技術講座|コイルの位置ずれ対策

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ワイヤレス給電の開発課題
・コイルの位置ずれ対策
・電力伝送距離の延長
・安定した充放電制御
がパワエレ技術でどのように解決できるのか。
ワイヤレス給電とパワエレの両面から、双方向ワイヤレス電源の開発実績に基づいたノウハウを解説します。

前回に続いて、2つのコイルの相互誘導を使ったワイヤレス給電おいて、

伝送できる最大電力を、T型等価回路モデルを使って理論的に計算します。

 

ただし、今回はコンデンサを追加します。

 

なぜ、ワイヤレス給電の回路において、コンデンサが注目されるのか

その理由を明らかにします。

 

なお、回路方程式を解いて最大電力を計算するだけなので

共振(共鳴)やQ値などを考える必要はありません。

 

 

下の図が今回解析する回路モデルです。

 

 

 

 

 

 

1次側コイルの自己インダクタンス:

2次側コイルの自己インダクタンス:

結合係数をとして、

    

 

コンデンサの静電容量:

 

電源  の角周波数を  として、

負荷抵抗  で消費される電力  は

 

 

となります。

 

そして、この消費電力は、

 

 

のときに最大となり

最大電力は次式で表されます。

 

 

これ以上の電力を伝送することはできません。

 

しかし、この式から重要なことがわかります。

 

 

それは、

 

 

または

 

 

のときに、最大電力が無限大となります。

 

つまり、

理論的には、コンデンサの容量や電源周波数を

適切に選ぶことで、ワイヤレス給電でも

無限大の電力伝送できるということです。

 

これが、ワイヤレス給電の回路構成でコンデンサが注目される本当の理由でしょう。

 

無限大というのは理論上の話ですが、このような理論的な基礎を理解しておくとは、実際の設計開発においても大切だと思います。

 

 

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