ワイヤレスで伝送できる最大電力の理論計算-その4 | ワイヤレス給電を操るためのパワエレ技術講座|コイルの位置ずれ対策

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ワイヤレス給電の開発課題
・コイルの位置ずれ対策
・電力伝送距離の延長
・安定した充放電制御
がパワエレ技術でどのように解決できるのか。
ワイヤレス給電とパワエレの両面から、双方向ワイヤレス電源の開発実績に基づいたノウハウを解説します。

2つのコイルの相互誘導を使ったワイヤレス給電について、

様々な回路で伝送可能な最大電力を理論的に計算してきました。

 

今回は、下の図のような1次側電源の出力にコンデンサがある場合を計算します。

 

 

 

 

1次側コイルの自己インダクタンス:

2次側コイルの自己インダクタンス:

結合係数をとして、

    

 

コンデンサの静電容量:

 

電源  の角周波数を  として、

負荷抵抗  で消費される電力  は

 

 

となります。

 

そして、この消費電力は、

 

 

 

のときに最大となり

最大電力は次式で表されます。

 

 

 

 

 

前回の記事と同様に、この式から最大電力が無限大となる条件が

存在することがわかります。

 

 

抵抗が、限りなく大きい(無限大)の場合は、

 

 

 または

 

 

のときに、最大電力が無限大となります。

 

ワイヤレス給電の理論解析では、結合係数(結合条件)を無視できないのですが、

この式だけは結合係数と無関係になります。

 

 

逆に、抵抗が限りなく小さい場合は、

 

 

または

 

 

のときに、最大電力が無限大となります。

 

 

前回の記事とまったく同じ結論として、以下にまとめると

 

理論的には、コンデンサの容量や電源周波数を

適切に選ぶことで、ワイヤレス給電でも

無限大の電力伝送できるということです。

 

これが、ワイヤレス給電の回路構成でコンデンサが注目される本当の理由でしょう。

 

無限大というのは理論上の話ですが、このような理論的な基礎を理解しておくとは、実際の設計開発においても大切だと思います。

 

 

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