【発想】はすか式発想法とは
■はすか式発想法とは
私が本ブログで展開しているサービスは「はすか式ソーシャル発想術」によって考案されます。定義的にいいますと以下のようなものになります。
私にとって「社会(ソーシャル)的視点なくしてPRなし」なんです。どの業種でもどんなテーマでも「社会と向き合う思想」で創案します。そして、「PRは販促にあらず」が自論ですが、どんな販促プランよりも「はすか式PR」が有効であることを証明します。
[1] 企業は自社を取り巻く問題のみならず、広く社会の課題に気づき、自発的
にその課題に取り組み、もてるリソース(資産)やノウハウを結集して、その
社会問題解決を認識し、発想し、計画し、実行に移さなければならない。
以上のことを企画立案するための基本的発想法をソーシャル発想と呼ん
でいます。
[2] ソーシャル発想をベースにした「はすか式PR」は「販売促進」「集客プラン」
ではありません。販促・集客などの量的拡大に関するコミニューケーション
活動は「広告」と呼ばれ、信頼・信用・評判・好意などの質的拡大を目指す
のが「広報」であります。広告と広報とは全く違います。はすか式PRは基本
的に「広報」の領域であり、とりわけ、マスコミ報道を前提にしたパブリシテ
イ活動(報道PR)をメインにご提案させていただくものです。
[3] 私の発想の源流は「社会の認容なくして企業の存在はなし」という考えに基
づきます。別の言葉でいえば、「社会との対話」が根本。どうすれば社会と
仲良くなれるのか。私のPRアイデイアはその方向性を示唆するもので、
「社会」を意識しないPRなんてナンセンス。マスコミ報道されることは社会
的評価を受けた証拠。社会から信頼されればおのずと「商売」「事業」も評
価され、数字は後からついてきます。まずは社会からの信頼獲得が根本。
【書き方】プレスリリース7大原則
ここれまで30年間、数え切れないほどのプレスリリース(報道発表資料)をみてきましたが、長い文章は読もうという気になりません、枚数は少なくした方がいいと思います。
どんなに複数枚作成したとしても記事掲載される時はわずかの行数なんです。
A4判1枚あれば十分。長くても2枚が限度。3枚以上はやめなさい。とにかく「事実」だけを記載する、一切の感情は表現しない、それがプレスリリースというものです。
■プレスリリース7大原則
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「たかがリリース、されどリリース」。日本一のプレスリリース達人を目指してこのコラムを書き綴っていますが、いつも心に留めながら作成している私なりの「術」「秘訣」があります。それを初公開ー。
私の名は、蓮香尚文(はすかひさふみ)。この自分の名前の頭文字をもじってプレスリリース作りの心得・原則を歌いました。題して、「はすか式プレスリリース7大原則」。いゃあ、恐縮です。
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【は】----背景と何故を歌え。社会はどう変わるのか。
【す】----素を開発せよ。情報素材はリリースの原点。
【か】----過大表現は避けよ。事実を簡潔に短く書け。
【ひ】----独りよがりになるな。他人に見せ徹底推敲。
【さ】----削除せよ、長文と御託は。A4ワンベスト。
【ふ】----古い話は捨てよ。ニュースとは新しい事柄。
【み】----見やすくせよ。タイトルと小見出しがキモ。
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【は】背景と何故を歌え。社会はどう変わるのか。
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例えば、新製品の発売リリース。単に製品機能、特徴のみならず、「SO WHAT」なぜ今発売なのか、それまでに至る背景はなど、新商品投入することで「社会はどのように変わるのか」を挿入すべきです。マスコミは商品や企業をPRするつもりで記事にしたのではなく、新製品発売を通して「社会や暮らしの変化」を伝えています。
【す】素を開発せよ。情報素材はリリースの原点。
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リリースにとって一番大事なのは<報道素材>。それはニユース報道に値する素材でなければならない。やみくもに企業行動の内容を文章にしてもそれはリリースとはいわない。報道価値に相当する内容が備わっていなかったら意図的に素材開発、情報開発をすればいい。アンケート調査結果などのリリースはまさに<情報開発>だ。それゆえアンケートは<設計・設問>が生命線となる。
【か】過大表現は避けよ。事実を簡潔に短く書け。
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日本初とか世界初などというタイトル表現は慎重に扱うべし。同種の技術が他にないか、仮に初めてだとしても日本初ではなく、「業界初」ではないのかなど、文言の表現はよく熟考して記載すべきと思います。発表する「事実」の情報に対して経営トップの意見や抱負、これはむしろ記載した方がいいです。
【ひ】独りよがりになるな。他人に見せ徹底推敲。
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誤字脱字などのチエックを終えたあと、自分とは違う第三者にリリースの推敲してもらうのが一番ベスト。客観的な冷静な目で分析・検討し、批評しながら読み返すことができるからです。
▼推敲の心得4ケ条
(1)最低ひと晩寝かせてから読み直せ
(2)声に出して音読せよ(指を両耳につっこんで小声で読む)
(3)内容を正す(主題・素材・構成・段落)
(4)形式を正す(文・語句・文字・表記・符号)
【さ】削除せよ、長文と御託は。A4ワンベスト。
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先述したが、プレスリリースは長い文章が一番嫌われる。忙しいマスコミ記者にとって長文は読みたくない。A4判1枚にまとめるのが一番のコツだ。
それと「ゴタクを並べるな」ということ。ここぞとばかりに会社や商品の自慢話を書いたプレスリリースはNGです。これは外資系企業に多いですね。気持ちは分かりますが、本題の商品情報にたどり着く前にゴミ箱行きです。
▼余分なリリースを短く削るには、
(1)材料・素材の数を削る
(2)材料・素材の規模・ボリュームを削る
(3)材料・素材の解説部分を削る
【ふ】古い話は捨てよ。ニュースとは新しい事柄。
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[誰でもプレスリリース発信]の時代ですが、[何でもリリース]ではいけません。リリースは<未発表情報>が原則です。すでに発売になっている商品情報やWebサイトリニユーアル程度の話をリリース記載するのはニユースでないばかりかマスコミに対して失礼というもの。
Newsというのは文字通りNews=新しい事柄なわけだから、発売日が過ぎてしまったような過去形の古い情報はNewsとはいわないので要注意。
【み】見やすくせよ。タイトルと小見出しがキモ。
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タイトル作成もオーバーな表現や過度な修飾文言は避け、事実のみの言葉で語ることが大事。短い言葉で本文の全体像が一目でわかるようにすることです。
▼タイトルのつけ方7ポイント
(1)内容を的確・適切にまとめる。
(2)狙い・目的・視点を鮮明にする。
(3)流行語、キーワードをうまく活かす。
(4)読み手の関心・興味を引きつける。
(5)語感がよく、記憶しやすい。
(6)タイトルとサブタイトルの組み合わせを工夫する。
(7)文字数を6-15前後までに押さえる。
▼小見出しのつけ方2ポイント
(1)2つの概念の組み合わせで作成
例えば、[地球環境の保護]というのは[地球環境]と[保護]という2つの概
念の組み合わせです。2個以下の概念の組み合わせでOK。
(2)文字数は10字以内に
例えば、[ボランティア活動の活性化]という12文字の小見出しがありま
す。この小見出しが長いのは「ボランティア」というカタカナ語のため。通
常、小見出しは10字以内でつくるのが一般的。
【マーケ】販促広報なんて邪道
私の一番嫌いな言葉、それは「販促広報」です。
とにかく販促を語る資格、スキルのない人に限って「販促広報」を叫ぶんですね。
まあ、こういうタイプの人とは話だけでなく、顔もみたくない。それくらい嫌いだ。
■広報は販売補完に非ず(1/2)
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販促広報─。
広報ひとすじ30年の王道? を歩んできたと自負する私としては前から気になっていた聞き捨てならない言葉です。
誰が最初に言い出したかは定かではありませんが、提唱者が1人や2人の間は意図的に見逃してきたというより無視してきたのですが、近年、ネットや書籍でやたらと目立つようになってきたので一言モノ申したい。
「販促広報」を主張する人たちは決まってこういう台詞をはく。
[1]マスコミにはタダで宣伝せよ
[2]費用対効果を意識してPRせよ
[3]経費をかけずにPRすべき
[4]販促広報、SP広報とは攻めの広報だ
[5]広報は売りを補完するために存在する
[6]レスポンスのない広報は失敗である
[7]広報はプレスリリース配信で十分だ
[8]すべての中小企業は販促広報を実践せよ
私に言わせれば、[1]から[8]まで全部間違った考え方です。広報を知らない、あるいは少しだけかじった程度の人たちは皆こういう発想をします。
私がはじめて「販促広報」という言葉に接したとき、セールスキャンヘーン等の話題も積極的にリリースして少しでも営業を補完すべきだ、という意味に理解していました。
ところがそれは甘い見方で、広報そのものをプレスリリースというツールを使ってマスコミに情報提供、結果、報道記事になることを期待しながら「商品・サービスの販売促進を狙う」のが最終目的だったようです。
そうだとするとメディアは企業の営利活動の情報ツールになってしまう。よく考えてみるとよい。新聞や雑誌などのメディアが企業の販売促進ツールではないことはもはや説明を要しないでしょう。
パブリシティの結果、報道記事になれば読者からの反応で「商品やサービス」が購買促進されることは実際多々あることでしょう。しかし、それは「商品やサービス」の内容がよかったからで、社会のために、役立つ有益な記事だったから読者は購買行動を起こしたということにすぎない。
たとえば新聞。上述した「企業や商品」がらみの経済情報も確かに記事になっていますが、そればかりではない。報道記事というのは事件・事故もあるし、政治やスペーツ、はたまた生活全般に及ぶ話題など新聞の報道範囲は広い。
このように新聞は読者の関心事全般を「今」「時代」「変化」というキーワードで切り取って報じています。新聞の目的・存在意義をゆめゆめ企業・団体の営利促進に関する情報サポート機能と思ってはなりません。
■広報は好感度獲得が目的(2/2)
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私がなぜこうも「販促広報」を嫌うのか。
それは広報の本質にも触れる、ただごとではない「思想」だからです。広報の基本的機能として「情報の受発信」があります。このうちマスコミへの発信部分をパブリシティ、発表ツールをプレスリリースとそれぞれ呼んでおります。
広報部の日常の業務としてパブリシティが存在しているわけですが、その目的は企業イメージの好感度獲得にあります。一方、広告を扱う宣伝・販促部の仕事は商品の金額や数量などの販売促進活動。
端的にいうならば「広報」は「質」、「広告」は「量」をそれぞれ追求するマーケティング部門。両者は車の両輪のごとく不可分密接な関係にあり、企業活動にとっていずれも大事なコミュニケーション活動です。
この両者の関係、一見、似て非なる領域。同じ土俵で論ずべからず。それぞれ目的・役割が違うわけですから、「販促広報」という言葉は矛盾していることになります。
私の理屈で「販促広報」を直訳すると、「量と質を同時に追求するコミュニケーション行為」ということになり、現実には同時実現ということはあり得ませ ん。
私に言わせると広報部門と広告部門とは同じセクションにあってはならない。
しかし、販促部・宣伝部などでは慣習的に媒体に広告出稿している力関係を利用、その見返りに報道記事 (パブリシティ)をもらうという、入れ稿・出し稿の力学がまかり通っているのが現実です。
こんなことでは企業の正しい広報活動などナンセンスというもの。広報は高度なマネジメント機能という捕らえ方が一番本質を言い当てていると思います。
営業活動、なかんづく販売促進活動を軽視しているわけではありません。皆それぞれの領域で果たす役割が違いますし、そのための手法があるわけです。一緒にしてはいけません。
販促活動には「トリガー」と「インセンティブ」の2つの側面が必要です。一方、広報活動は虚偽や誇大は禁物。「事実」という情報を扱う部門です。
「販促広報」を唱える書籍の中に、「広告と広報の違い、販促広報を取り入れよ」という章がありました。片方で広告と広報の違いを説きながら、相矛盾する販促広報を取り入れよ、といっているわけですから全くのナンセンスということになります。
広報を販売の道具、と考えている人は顔を洗って出直して欲しい。
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[販促広報を唱える3冊の本]
●「全部無料(タダ)で宣伝してもらう、対マスコミPR術」
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1101905618/subno/1
●「誰も書かなかった中小企業のためのマスコミ活用術」
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102036372/subno/1
●「営業部まかせでモノを売るな」
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1101587013/subno/1
【本】「ソーシャルシフト」
新刊「ソーシャルシフト これからの企業にとって一番大切なこと」(斉藤徹著、日本経済新聞出版社)
▽http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1106089269/subno/1
[内容紹介]
ソーシャルメディアが誘起したビジネスのパラダイムシフトが企業を襲う。力を持った顧客、力を持った社員に、従来型のマーケティングやマネジメントは通用しない。時代変化の本質を捉え、豊富な事例解説と具体的な対応策を満載した、ビジネスパーソン必読の書。
生活者は変わった。今、人々が望んでいるのは、騒がしい説得広告ではなく、控えめで共感を呼ぶメッセージ。代わり映えのしない商品ではなく、細部まで心配りされた逸品。画一的なサービスではなく、心のこもったおもてなし。独りよがりの広報ではなく、誠実で真摯な対話姿勢だ。そして、生活者の進化したニーズに応え、企業の価値を高められるのは、会議室からマイクロマネジメントを試みる管理職ではない。顧客接点の最前線で、会社に高い忠誠心を持つ人たち。時に理不尽な統制と闘いながらも、顧客に貢献しようと必死に努力を続けている現場の社員たちだ。
彼らの真摯でひたむきな行動が生活者の心を打つ。その顧客体験が共感の連鎖を呼び、ソーシャルメディア上をポジティブな評判が波紋のように広がっていく。そして現場社員をバックアップするのは、彼ら彼女らを信じて後方から支援する管理職と、力強くリーダーシップの変革を はかる経営者だ。この三位一体の仕組みができない企業は、透明性の時代に生き残るのは困難だろう。
この書籍では、ソーシャルメディアが社会にもたらす本質的な変化、企業と生活者との新しいコミュニケーションのカタチ、すべての顧客接点で素晴らしいブランド体験を提供するための仕組み、それを実現するためのリーダーシップや組織のあり方、具体的に企業を変革するための ステップに言及し、新しい時代の「あるべき企業像」を追求する。タイトルとした「ソーシャルシフト」は、ソーシャルメディアが誘起する、不連続で劇的な変化。そして、マーケティング、リーダーシップ、組織構造にまで及ぶビジネスのパラダイムシフトをあらわしたものだ。──本書「はじめに」より
[本の内容] ●企業をソーシャルシフトする6つのステップ
ステップ1 プロジェクトのコアをカタチづくる
ステップ2 ブランドコンセプトを練り上げる
ステップ3 すべての顧客接点を改善する
ステップ4 オープンに対話できる場をつくる
ステップ5 顧客の声を傾聴する仕組みを構築する
ステップ6 社員の幸せと顧客の感動を尊ぶ社風を育む
[著者プロフィール]
斉藤徹氏。株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役社長。 1985年3月慶應義塾大学理工学部卒業後、同年4月日本IBM株式会社入社、1991年2月株式会社フレックスファームを創業。2004年同社全株式をKSKに売却。2005年7月株式会社ループス・コミュニケーションズを創業。現在、日本国内での企業のコミュニティ構築分野でトップシェアを誇るほか、ソーシャルメディアに関するコンサルティング事業を幅広く展開している。「新ソーシャルメディア完全読本」「ソーシャルメディアダイナミクス」「Twitterマーケティング」「Webコミュニティで一番大切なこと」「SNSビジネスガイド」など著書多数の他、人気ブログ「In the looop」も運営している。
・ウェブサイト : http://media.looops.net/
・ブログ : http://blogs.itmedia.co.jp/saito/
・フェイスブック : http://facebook.com/inthelooop
・タンブラー : http://inthelooop.tumblr.com
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【言葉】「よのなか」に置き換える
■[社会責任+社会貢献]でソーシャル(1/2)
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私の大好きなソーシャルという言葉が多様化してきました。といっても私の場合、ソーシャルというのはソーシャルメディアのそれではありません。あくまで「社会」「市民」という意味でのソーシャルです。
個人発信でき、他人と交流することができるだけでソーシャルだと思ったら大間違い。人間の複数集団コミュニティが形成されてこそソーシャルなんですね。
ところで、社交ダンスのことをソシアルダンスといいますよね。あのソシアルはソーシャルなんですね。ダンスはまさに人と人が触れ合う踊り。それを人に触れるのではなく「社会と触れ合う」といっています。社交ダンス、ソシアルダンスは言い得て妙と思いませんか。このようにソシアル、ソーシャルという言葉は太古の昔から使用されており、古くて新しい言葉なんですね。

(c) じすい |写真素材 PIXTA
ここで、そもそも論を語らねばなりません。ソーシャルという言葉はソーシャルマーケティングやソーシャルマネジメントに代表されるように、企業の利益追求中心のマーケティングに対し、社会とのかかわりを重視するマーケティングの考え方を指しています。
ところがここまできてもまだ誤った考え方をする人たちがいます。グーグル広告でよく拝見する「ソーシャルマーケティング」。クリックすると以下のサイトに遭遇。
▽http://www.dff.jp/landing/?gclid=CJSKouCIk6YCFQvabgoduDlSSw
」
ここは社会貢献という名の募金集めサイトである。私にいわせればこんな会社やサイトはすべて偽善。場合によっては新手の詐欺と呼んでもいいくらいだ。第一、社会貢献=寄付活動=金銭供与による経済活動という考え方が間違っています。
ひと口にソーシャルマーケティングといってもその中身は「社会責任」と「社会貢献」の2つが含まれます。寄付をして社会貢献をするのが悪いことではありませんが、その前に社会的責任を果たしているのかという根本的な問題もありますね。
さて、以下の内容は以前にも書きましたが、大事な動きなので重複して書かせていただきます。「ソーシャルリーディング」と「ソーシャルアパートメント」の2つのソーシャルのことです。
ソーシャルリーディングとは流行の電子書籍分野で、読む楽しさを他の読者と共有するコミュニテイ機能のこと。1人で読書するのではなく、「みんなで一緒に読書する」。輪読の共有。
電子書籍で人気の、スクリブド(http://www.scribd.com
)やブックワーム (http://www.bookwormr.com
)、シェルファーリ(http://www.shelfari.com
)というサイトがあります。これらはそれぞれに異なる点はあるとしても、すべてこのソーシャルリーディングをサポートするものと考えていいでしょう。
アメリカには読書クラブというのがあって、仲間同士が定期的に集まって、一冊の本を囲んで議論したりする。読書自体は家でやるけれど、集まったときには「主人公は自分勝手だな」「個人主義者だからしようがないよ」みたいなことを話し合う。本好きがつながるのだ。
一人で読んでいるよりは、本の解釈が広がり視野も拡大されるし、一緒に読書することを通じで仲間もできる。これをオンラインに移したのがソーシャルリーディングというわけですね。
既存のシステムで言えば、
・Webサイトのソーシャルブックマークの書籍版
・アマゾンや他のレビュー掲載サイトのコンテンツが書籍側に一元化
・時空を超えた読書会
を組み合わせたようなものと考えればわかりやすいかもしれない。
もうひとつは「ソーシャルアパートメント」。居住者がシェアしあうシェアハウス。しかし、これだと共用部分が汚れていたり、壁が薄くて生活音が気になったり。入居者と交流できる半面、日常の我慢も少なくない。そんなイメージを覆す住み心地を重視したのが「ソーシャルアパートメント」。
ラウンジやキッチンなど共用スペースをとことん豪華にし、個室は壁厚に。プライベートの時間と入居者との心地いい交流を両立できるとあって、若い世代から注目を集めています。
ソーシャルアパートメントを展開しているのは「グローバルエージェンツ」
http://www.global-agents.co.jp/
。
社長の山崎さん(28歳)は学生時代、ロンドンに留学し、シェアの生活を経験。帰国後もゲストハウスなどに入居。ただ、狭くて汚くて、「安かろう悪かろう」的な住環境に疑問を感じていた。
「もっと魅力的なシェアハウスがあってもいいのでは」と考え、2005年に会社設立。当時、流行始めたmixi(ミクシィ)などのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)から着想を得て、物件を「ソーシャルアパートメント」と名付けたといいます。
多様な世代、属性、国籍の人たちが共同で住み、家でもなく外でもない「共用ラウンジ」を通して「気づき」の発見に出逢う。こうした多用なコミュニケーションこそがソーシャルアパートメントの醍醐味という。
▽ソーシャルアパートメント 東京・渋谷の「ラ・レジデンス表参道」
http://social-apartment.com/builds/view/72
▽東京・浅草の「ジェイ・アムズコート浅草」、
http://www.social-apartment.com/builds/view/71
▽横浜市青葉区の「ソーシャルアパートメント江田」
http://social-apartment.com/builds/view/67
■ソーシャル発想は俯瞰思考(2/2)
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私が2冊目の本として書きたいテーマは「ソーシャル発想」。今のところ誰に話してもソーシャルの意味が一般的にはわからないので、まずいということになっています。
誰が何といおうと「ソーシャルは譲れない」と言い張ってきたのですが、ここにきていい言葉をみつけました。
「よのなか眼鏡(めがね)」という言葉です。私の提唱しているソーシャルは「社会」を表すのですが、これを「よのなか」に置き換えるとわかりやすいかなと思っています。
つまり、「よのなか」という眼鏡(フィルターでもよい)をかけて、考え、発想する習慣、それこそがハスカ流PRアイディアを生んでいくと。繰り返しになりますが、「よのなか」という眼鏡をかけなければいいPRアイディアは生まれないと。
また私のいうソーシャルは「鳥瞰(ちょうかん)思考」「俯瞰(ふかん)発想」に似たイメージで、この言葉ならわかる人もいるかもしれません。上空にいる鳥が地上を見渡すようなイメージで全体像から対象や本質に迫るという手法。この上空を「よのなか」と置き換えてもいいのです。
具体的に言いますと、企業の内部から発想するのではなく、企業の外から、社会全体から、よのなかの側から、企業そのものや商品サービスを見つめなおす発想法、習慣であります。
なぜそうするかといいます と、会社は社会の一構成員というPR本来の思想からきています。社会的にどういうポジョニングなのかをまず把握しておかないとはじまらないわけです。
そのうえでマーケティング活動に着手します。
商品のコピーなんかはプライオリティでいえばずうっとあとの方。大事でないとはいいませんが、小手先部分なのであって、建築でいえば甲工事や乙工事などの基礎部分が大切。
インテリア内装は顧客に見える部分なので重要視されがちですが、顧客にはみえない基礎部分がもっとも大事な作業といえます。
PR企画を立案する中でもっとも大事なのは基礎部分に該当する「素材」をどう評価し、加工するかということ。その前にまず素材開発をしなければなりません。素材は社会的視点から発掘していきます。発掘の道しるべとして社会性・公共性・今日性の3つのポイントから切り分けしていきます。
これらは寿司屋の職人とネタ選びと料理法と同じ。ネタ選びが「素材発掘」であり、料理法が「調理・加工」であります。どちらが優先されるということもなく、いずれも大事なわけです。
調理人は包丁と調味料という武器をもっております。PR職人も同じ。いつどんな依頼のテーマがきても、包丁と調味料さえあれば自在に素材を料理できます。
昔、大将から教えてもらったレシピを書き込んだノートを今もチラミするようでは一流とはいえない。そんなノートはすぐに捨てなさい。大事なのは応用なのです。
[関連記事]
▽ソーシャルはIT系の言葉なのか(2011/10/30)
http://ameblo.jp/pridea/entry-10690907913.html
▽ソーシャルな発想が地球を救う(2011/10/30)
http://ameblo.jp/pridea/entry-10363845418.html
▽ソーシャルメディアに異論(2011/10/30)
http://ameblo.jp/pridea/entry-11032784986.html
【発想】PR企画の前に発想力
◎人脈よりも大切な企画力
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■広告代理店的思想とは相容れない(1/2)
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若い頃、仕事欲しさに広告代理店まわりをしたことがあった。そこの営業部長らにいわれた言葉が今でも激しく心に刺さっていることを思い出します。
いわく、「あなたたちのやっているパブリシティ活動は結局、マスコミとの人脈で成り立っているようなものだね。なんだかんだいっても記者との関係を保持するために毎晩、アフター5を利用して赤ちょうちんで接待してるんじゃないの。目に見えないところにお金のかかる商売だね」。
この言葉に無性に憤りを覚えていましたね。私自身、酒が飲めず好きでないこともあったが、それより酒席で語らえば何とかしてあげよう、という意図が気に入らなかった。我々の仕事は不動産屋や情報ブローガーではないんだと。
この言葉を聞いて、彼らと一生仕事をしたくないと心に誓った。そもそも思想が決定的に違う。「出し稿入れ稿」で「なあなあでグチョグショ」になっている彼らと仕事の取り組み方はもちろんのこと、生き方自体が違うと。
以来、広告代理店からの下請け的な仕事をすべて絶った。孤立無援の時代が続いたが、やがて直接顧客と取引できるインターネットという巨大怪物に出逢った。かくして私は1998年、日本で初めてプレスリリース配信代行を軸としたネットビジネスを開始、この分野の先駆けとして光明を見出してきました。
「マスコミ人脈が本質」と言い放った広告代理店の部長氏に象徴されるようにこの言葉に嫌悪感を持っているのは今でも変わりはない。実際、私などマスコミにお茶一杯ご馳走したことないし、まして接待などというのはもってのほかという思想の持ち主。こちらが接待してほしいぐらいだという気持ちをずうっと持っていた。
確かに日本は米国と違い、クライアント自身がPRしたいと思った時、一番先に相談に行くところが広告代理店というところだった。だから、私たちの仕事はつべこべいわずに、広告代理店回りを忠実にやっていさえすれば仕事はそれなりにありつけたものでした。
1本の樹木として確かなレギュラークライアント獲得にはなっていきませんでしたが、「落ち葉拾い」のようにきれいに掃除をすればお金には困らない時代だったように思います。あくまで下請けとしてのスポット(短期)にしかすぎませんでしたが。
■PR広報に人脈は不要(2/2)
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しかし、彼らのように「マスコミ人脈にパブリシティ屋の本質がある」といわれたのではこちらもたまらない。軽やかにビジネス本位で立ち振舞っておれば今頃こんなに苦労することもなかったのでしょうが、私の気性が許さなかった。
広告屋とはぜったい仕事をしたくないと。自分のアイディンティーがなくなってしまうとも。実は私が考えたのと同じくらい皆そう考えているらしい。皆というのはPR広報で独立している人(PR会社と呼ばれている同業者)たちだ。
最近、ある広告代理店の人と出逢う機会があった。その人いわく。「私もたくさんのPR会社の人間を知っているけれど、どの人も共通しているところがある。彼らはなぜ私たちのことをこんなにボロクソにいうのでしょうね。販売促進をサポートするという広告本来の仕事がそんなに悪いことなのでしょうか」
そうなんです、まさにここに本質があります。広告代理店の仕事はクライアントの製品サービスの数量や金額を増進する販売促進や集客促進なのです。一方、我々は広報代理店。文字は一字違いですが、その業務内容は大きく違います。
たとえていうならば、広告代理店は販売促進に象徴される「量」の世界。我々の広報代理店の仕事領域は信用・信頼・評判などの目に見えない事柄を獲得する「質」の世界なんです。
これをごちゃまぜにして最近「販促PR」という言葉がネットに氾濫していますね。私たち広報ひとすじの人間からしますとかなり違和感を感じます。
販売促進が無意味とは思いしませんし大切な活動ですが、我々の得意分野はどこまでいっても好感度を獲得するという目に見えない「質」の世界なんです。ここが決定的に違います。これを同じ土俵にのせて、得意げにみせているのが「販促PR」。販売促進のひとつの手法にパブリシティという分野があると。
違いますね。PRは販売促進ではない。「販促PR」などという概念はわれわれ広報の人間にはない。PRの王道を歩んでいない人間が勝手に作った造語なのです。やっちゃいけないということはないけれど、販促活動は販促という確固たる領域(企業の組織名でいえば、販売促進部とかマーケティング部とか営業本部とか)でトライして欲しい。
つまり、本来販促部門がやらなければならないテーマを広報部門に押し付けるな、といいたいのです。
基本的にはこれは相容れない世界観ですから。マスコミは企業の販売促進活動など報道の対象にするはずがないのであります。
そもそも社会正義を唱えるマスコミに対して、企業が売り上げ達成のためにパブリシティ(報道PR)を活用するなどという発想自体が間違いなのであります。
マスコミには政府を監視し、国民の社会正義のために正しい報道を行うという使命があります。その範囲内において適切な情報提供を行っていくのが広報活動なのであります。
「当社はテレビ番組で活躍しているディレクターやプロデューサー、それに構成作家など現場に密着した人脈が豊富です」と。
実にくだらないですね。私に言わせれば、こういう会社は飲み食いで人脈をつなぎ止めているんだろうなと。つまり、それだけの器の小さいということを公表しているようなもの。恥ずかしいと思わないのかな。
こういう会社にはPR広報のノウハウはないといってよい。情報を企画したり作ったり、産み出している側がエライのであって、それを伝える媒体側にはないんだという誇り。現代の流行、ひいては文化までをも作っているのはほとんどわれわれPR業者だという事実をもっとプライドを持って欲しいね。
不況の今、経営者はややもすると「売らんかな志向」に走りがち。そのため広報の機能を間違えて、「限りなく販売促進効果を狙ったPRをして欲しい」という命令や指示はそれなりに理解を示したとしても、PR広報部門はそれを毅然として跳ねつける勇気を持って欲しい。
企業にはお金よりもっと大事なものがありますよと。
それをニッホンハム投手の斉藤祐樹君風にいえば、「我々には持っているものがあります」「それは顧客との信頼関係であり、社会からの認容であります」と。
これをいったんやったら取り返しのつかないことになってしまう。企業の存続すら危ういことに。そうならないためにPR広報部門は日々「信頼獲得」の仕事をしているんですと。
人脈はないよりあった方がいいのは確かですが、なくても結構。こと、PR広報に関してはなくてもよろしい。そんな時間があったり、もっと斬新なアイディアなり企画を考えろ。そして社会に役立つPRを提唱し、実践しよう。持つべきはマスコミ人脈ではなくて、教科書に載っていないアイディア発想と企画力なのだ。
そして、街の職人よろしく、こつこつと自分の世界を築いていけば、やがて文化功労者として政府から表彰されるようにもなる。知らない他人がどこからともなく寄ってくる。そんな人物に私はなりたい。そのときこそ本物の誕生だ。
【食】山頂で天ぷら
どんなTV番組だったかは忘れたが、山頂で老夫婦が天ぷらを提供するという話だったと思う。野草の天ぷら 300円。
天ぷらは自宅庭で採れた山草がメイン。登山で疲れきった身体を山草づくしの天ぷらを食べさせてくれるとはいい企画だと思った次第。
山の上では天ぷらを食べたくても食べられないからね。人がやらないことをやってのけた。これ、商人の鏡だね。山頂で天ぷら店は素敵なアイデアだ。
最寄り駅は高尾駅
八王子市裏高尾町1665-3 (景信山頂上)
0426-61-2057
(個人宅の為、深夜早朝の問い合わせはご遠慮ください)
定休日 不定休 (雨の日は休みです)
●おすすめ●野草の天ぷら 300円なめこうどん 500円
【本】自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法
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発想とアイディアを独自の視点から研究している【伝説のPR職人】ハスカです。
私の一貫したスタンスは「あらゆるビジネスの根本は発想・アイデイアにある」。
マスコミと読者を「ハッ」とさせ、「ソウ」だったのかとうならせる、
「わがハッソウ(発想)術は永久に不滅です」。
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おもしろい本です。
「自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法 “企画の魔眼”を手に入れよう」(米光一成著、日本経済新聞出版社)
▽ http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102985043
[本の内容]
「ぷよぷよ」を作った人気ゲームクリエイターが、若手育成カリキュラムの中から生み出したトレーニング法を公開!真の発想力を身につけるための実践的方法をやさしく解説します。
[目次]
第1章 発想の本質をつかむ
第2章 イメージを明確にする
第3章 自分だけの「切り口」を手に入れる
第4章 課題と自分を結びつける
第5章 アイデアを練り上げ、企画を育てる
第6章 会議・プレゼン
[著者プロフィール:米光一成]
ゲームクリエイター、立命館大学映像学部教授。1964年広島県生まれ。『ぷよぷよ』『トレジャーハンターG』『バロック』などゲーム監督・脚本・企画を多数手がけ、独特の世界観作りに定評がある。ネットワークゲーム・携帯コンテンツ・WEB記事の制作など、幅広く活躍中。西武池袋コミュニティカレッジ「表現道場」講師、宣伝会議「編集ライター講座上級クラス」専任講師などを務め、表現力、発想力を鍛えるための教育活動に取り組んでいる
【電車】来年秋には中吊り広告がなくなるってホント
来年秋には中吊り広告がなくなるという。以下はネット記事をそのまま転載します。予測しているのは『日経エンタテインメント!』編集委員の品田英雄さん。
実におもしろい記事でした、ね。
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2015年秋に山手線の中吊り広告消滅 電車広告の未来図を予測
http://www.news-postseven.com/archives/20141102_284665.html
2015年秋以降、山手線の車内から消える予定の電車の中吊り広告。導入される新型車両には、窓上に13~20面の液晶画面が配置されるという。
中吊り広告は「情緒があった」と消滅を惜しむ声や『AERA』の中吊りの名物だったダジャレキャッチコピーのファンらが残念がる一方、「下品」「うるさい」と賛成の声も。実際、電車の中吊り広告が消滅することによる影響とは? トレンドウォッチャーで『日経エンタテインメント!』編集委員の品田英雄さんに分析してもらった。
「中吊り広告の面白さは、雑誌にありました。特に週刊誌のタイトルは、テレビで“中吊り大賞”として取り上げられるほど、乗客の気を惹いて読ませるキャッチコピーは秀逸でしたし、大きな情報源でもありました。また、ビジネス誌の硬い中吊りの隣に『週刊SPA!』が並んだりする雑多な面白さがあり、世の中で何が起きていて何が面白いのか、いろんな角度から教えてくれましたね」(品田さん、以下「」内同)
それが2000年代に入って雑誌広告が減少し、さらにスマホの普及により乗客側の風景は一変。品田さんは「車内でスマホや携帯を見ている人は肌感覚で6~7割」とし、雑誌の中吊りが衰退した時点で乗客の行動が変わったことは大きな契機だったと語る。
「車内吊りがデジタル広告に変わったら、おじさんたちが若い子のファッション用語を知る機会はますます減りますし、男性週刊誌のHな特集の話題もなかなかできなくなります。それに中吊り文化は、世界的に見ても日本特有でしたので残念ですね」
デジタル化によって制作コストや時間を低減できるほか、スペースが決まっている中吊り広告と違い、1か所に多くのクライアントを入れられ媒体料金も安くなる。さらに、より細かなターゲットに向けて路線ごと、または時間帯や天気によって変えられるなどのメリットもあるという。
「車内の風景は一変しますし、可能性が大きく広がるのは間違いありません。電車の中にも“ネット革命”が起きている。作り手側から見ると、いろんな可能性があり面白い広告が作れる。もっと言うと、スマホと連動して車内で商品を購入できるようになるなど、物の売り方も変わるのではと盛り上がっています」
とはいえ、そこにはスマホに対抗できるようなアイデアが求められると品田さん。
「せっかく電車という閉じられた空間で人の関心を掴むチャンスがあっても、自分の好きなものだけを見たり聞いたり楽しめるスマホよりも興味を引くものでないと、あっという間に飽きられます。こんなに時間奪い合い戦争になっている中でスマホに負けないためには、お金をかけてアイデアを出して画期的なことをやらなくては。一方、それによる経済効果も期待できると思います」
スウェーデンでは、駅のホームに電車が入ってくると柱のデジタルサイネージの映像に映る女性の髪が風になびく広告が話題に。女性ファッション誌『CanCam』は、電車が入ってくると専属モデル・山本美月の髪とスカートが風にふんわりとなびくPRを行った。またエルメスは、映像の女性が息を吹きかけると隣にディスプレイされたスカーフがふわりとする仕掛けが話題を呼んだ。 「風景と連動する感動をデジタルサイネージは演出できることに気づいた時には、すごい!と思いました。電車内全体でそんな風にできたら、ディズニーランドのアトラクションみたいになりそうですね。例えば、京葉線に乗っていて、海が見えたら海とマッチするような動画になるなど、さまざまな車内風景を演出できると思います。
ニュースと天気予報の配信だけではつまらない。例えばソフトバンクのCMのようにみんなを面白がらせることができたら、商品のターゲット層以外の本来、商品に興味を持っていなかった人もキャッチできるはず。今までとは違う枠組みを作り手側は考えるべき」
しかし、良い面だけではなく「沿線格差」という弊害が起きる可能性があるとの分析も。
「ローカル線には現状、広告が全然入っていないし、都営の地下鉄の広告も丸ノ内線や銀座線など主要の路線に比べると安っぽさがあります。僕は田園都市線に乗った時の広告の高級さに腹が立ちますね(笑い)。まさに、沿線格差が生まれています。山手線でも区間によっては、駅格差が起きますし、西半分と東半分とでは流れる広告が全く違うなんてことになる可能性もあると思います。
しかし、スマホを使ってツイッターとも車内連動できたら面白いですし、駅ごとに謎を仕込んで謎解きをするイベント列車とか、乗客を巻き込む参加型のものがあったらまた乗りたくなりますよね。ポイントがたまるとか、この駅で見つけた○○を出したら10%引きとか、ドリンク1杯サービスとか…、人を動かすような仕掛けをたくさん作って、さびれがちな線でもあえて乗りたくなるような企画で盛り上げていってほしいですね」
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