土曜雑感 「1メッセージ」――究極にシンプルな伝え方
1月31日(土)
結果を出す人は、一行にすべてを込める。自分のメッセージを1つに絞って一文で伝える。プレゼンや会議、面接など、あらゆる場面で効果を発揮する「1メッセージ」の極意を伝授しするのが「1メッセージ――究極にシンプルな伝え方」(杉野幹人著、ダイヤモンド社)である。
メッセージとは何か?
そもそもメッセージとは何か?メッセージとは相手に意味のある意見だ。定義すれば、「メッセージとは、相手の論点に対する自分の答えを言葉にしたもの」である。「1メッセージ」とはメッセージを1つに絞って一文にしたもの。
それではなぜ、1メッセージで伝えるのか。それはより伝わりやすいからだ。伝わりやすい理由は、「SN比」が大きいことにある。SN比は主に情報通信の分野で用いられるが概念。
Sはシグナルで、相手にとって意味がある情報。Nはノイズで、相手にとって雑音。SN比とは、SとNの強さの比を意味する。
・SN比=相手に意味がある情報の強さ(S)/それ以外の情報の強さ(N)
SN比が大きいと相手に伝わりやすく、SN比が小さいと相手に伝わりにくくなる。1メッセージはあらゆる伝え方の中で、最もノイズを減らし最もSN比を大きくできる伝え方。
だが、1メッセージをつくるのは簡単ではない。メッセージの絞り方、言葉の磨き方を最大限に工夫する必要がある。そのための技術が「焦点化」「先鋭化」「結晶化」の3つである。
⚫️「焦点化」――論点を絞り込む
第一の技術は、メッセージを1つに絞る時の「焦点化」だ。
*焦点化のコツーー伝えたければ、ます「傾聴」する
人を動かす1メッセージを伝えたければ、メッセージを一番大事な論点に向けて絞り込む。まずは、相手の立場になって考える。ただし、いくら考えても想像できない場面もある。そんな時には、相手の話を聞くとよい。
*焦点化のコツはストレートに「質問」する
傾聴しても相手が論点を明示してくれないこともある。そんな時には、相手にストレートに質問するのが一番」だ。相手が何を一番気にしているかを質問し、一番大事な論点を教えてもらい、それ1つに絞って自分のメッセージを届ける。
⚫️「先鋭化」――答えを尖らせる
第2の技術は、メッセージを一文にまとめる「先鋭化」の技術だ。
*先鋭化では、尖った答えにこだわる
「先鋭化」とはメッセージを否定に開かれた尖った答えにまとめること。否定に開かれていること、すなわち否定が可能であることが大事だ。尖った答えだからこそ、興味をもって考えやすくなり、相手にも伝わる。
*先鋭化のコツ――「反論可能性」を高める
先鋭化の最初のコツは、自分の答えの「反論可能性」を高めることだ。反論可能性とは、議論によって反論できる余地である。反論可能性がないメッセージを伝えると、当たり前で相手にとって意味のない情報になる。
⚫️「結晶化」――生々しい言葉を使う
第3の技術は、メッセージの言葉を磨き固める「結晶化」の技術だ。結晶化では、メッセージを「生々しい言葉」に磨き上げる。生々しい言葉とは、相手が具体性をイメージできる言葉のこと。
*結晶化のコツは、迷ったら「小さな言葉」を使う
小さな言葉は具体的である。会社の面接で、応募者が次の1メッセージで答えるとする。
「地方を活性化させたいと思って、日々活動しています」。同じ人が「松山のため、松山城の紹介を毎日インスタに投稿しています」。後者の方が直感的で生々しい言葉として伝わるのではないか。こう言われたら。相手が具体的に何に関心をもって、どんな1日を過ごし、どんな価値観の人か、より伝わってくるだろう。
*結晶化のコツーー「数字」でピンポイントに伝える
数字にできるところは数字に置き換えて伝えると、生々しくなり、相手が具体的にイメージしやすくなる。数字で伝えるなら、「約」は抽象的だから、端数にこだわろう。たとえば、「様々の場面でリーダーをしてきました」。もう一つは「6つの集団で計百147人を率いるリーダーをしてきました」の方が生々しい言葉になり、相手が具体的にイメージできる。(「TOPPOINT」から抜粋)