キスマーク
パシーッ
お店の一番奥の席から大きな平手打ちの音がしたかと思うと一人の女性が泣きながらお店を出ていかれました
たしか近藤様のおつれの方かと・・・
「後を追わなくても大丈夫ですか?」
「いえ、もう終わってしまいましたから・・・彼女は僕を信じきれなかったから」
「なにか・・・いえ 無理にお話いただかなくても・・・」
「いえね 実はこんなことが・・・・・」
彼女が僕の前に現れたのは2ヶ月ほど前 本屋で立ち読みをしていた僕にいきなり
「お客さん・・・立ち読みは困るんですよねー」
「あっ・・・すみません・・って 君 店員じゃないじゃんか」
「でも 立ち読みはいけないんだよ~」
そう言って彼女はその場から走り去っていきました
次は昼休みの公園 昼食の後 ベンチでうとうとしていたら いきなり
「近藤 いつまでサボってるんだ もうとっくに昼休みは終わってるぞー」
「あっ はい・・・って おんな?? あー 君 」
そういうとまた彼女は彼の前から走り去っていきました
それからというもの 突然彼の前に現れる彼女に振り回されっぱなしの彼 しかし 彼女が誰なのかはいまだに彼にはわからなかった
そんなある日 彼は 彼女が待つ彼の部屋にいそいで帰宅しようとしていた そしてちょうど彼の部屋の前に着いたときのことだった 後ろからいきなり抱きつく女性 彼は彼女の桂子と思った
「なにしてんだよ 桂子」
振り向くとそこには涙をいっぱいためた彼女がいた
「桂子さんじゃないよ あたしは・・・・あたしは」
涙か零れると同時に彼女の唇が彼の唇と重なった
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
えっ と思った瞬間には また彼女は走り去っていた
驚きもおさまらないまま 部屋に入った彼の姿を見るなり 彼女の桂子は 彼に平手を一発 そう 彼の唇には先ほどの彼女のキスマークがしっかりと残っていたのだった
その日は・・・一人夜を過ごすこととなった近藤様が 今日 ここで 桂子様とお話をされていたのですが 誤解はとれることなく ・・・ 先ほどのようなことに
「でも マスター 僕にもなにがなんだかわからないんですよ 彼女が誰なのか どうみても10歳は年下に見えるんですよ そんな知り合いいないし ・ ・ ・」
そのときでした お店のドアがそっと開き ひとりの女性がお店の中に
「いらっしゃいませ 」
「あのー 近藤 司 がこちらに・・・」
「あー 君!」
そうです その不可解な行動の主が とうとうこのお店に
「 君のせいで 今彼女と別れたばっかりなんだ 」
それを聞いた彼女は 小さく ガッツポーズを
「どういうことだよ いったい君はだれなんだ?」
「ほんとに ほんとに なにも覚えてないの??」
彼女の瞳は涙でいっぱいになっていた
「ちょっと 泣かなくてもいいだろ」
「近藤 司 あたしが18になったらお嫁さんにしてくれるんだろ もう 20になっちゃったけど 2年も探し回ったんだから」
近藤様はすこし考え込まれていましたが 何かを思い出されたのでしょう
「千絵? 千絵なのか 君??」
「お兄ちゃんのばーか」
そう 近藤様がまだ中学のとき よく遊んであげていた 隣の家の小学生 それが彼女 浅井千絵様だったのです
「でも なんで 」
「18になったから ずーっと探してたんだよ だって お兄ちゃん約束したし それに 誰にもとられたくなかったんだもん お兄ちゃんのこと」
その大粒の涙は まぎれもなく 彼女の純粋な気持ちの表れだった
「でも いくらなんでも もう 10年以上も前のことなのに」
「ばかげてるって思ってるでしょ そんな子供のときの約束 でも あたしはずーっと本気だったんだから」
そう言って 千絵様は近藤様の腕にすがりつかれました
「あのー もしよろしければ お掛けになって 話されませんか?」
そういって ワタシは ふたりを 席に促しました そして 千絵様に ひとつお願いを
「もし よろしければ このボトルのラベルに キスマークを」
そういって 1本のボトルを用意いたしました 本当はバレンタインのために用意していたワインなのですが お二人の再会と 今後の未来のために
マイ・ラブ[2006] キスマークをラベルに添えて送るワイン
そして フォープレイ の 「マイ・ラヴズ・リーヴィン」が流れていました
ワタシにも記憶があります 子供の頃の結婚の約束
そして 今日も このお店に他のお客様がいなかったことにほっと胸をなでおろす 独身のマスター 大丈夫なのでしょか ワタシ
楽天カードで常にポイント2倍【1月22日当店発送】マイ・ラブ[2006] デュペレ・バレラ【バレン...
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