毒
「あなたが差し出した毒入りの小瓶を
何のためらいもなく、一気に飲み干せるような女になりたい」
なぎさが最後に言った言葉だった。
もう、あれから何年たってしまったのだろう。
この店をやっているのも、もしかしたら
なぎさを待っているからなのかもしれない。
いま、どこにいるのかさえもわからない。
そんな彼女の最後の一言が
今も耳から離れない。
ふと、店の隅をみると
いつもの常連たちが、音楽とワインにおぼれている。
ほんとうはこの空間をなぎさのために作りたかったのではないのか
不思議とそう思ってしまう。
なぎさ・・・・もう一度、君に会えたら
君に会えたらこう言おう・・・・
「きみが・・・・・・・・・・・・」