はこべちゃんが教えてくれたこと | プロジェクト北極星 - Project Polar Star -

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北海道の地で、健康で美しいセキセイインコを繋いでいきたい

みなさま、こんにちは。

プロジェクト北極星 主宰・ことり暮らすのあかねです。

 

辛い内容ばかりが続くので、なかなかうまく書けず

更新頻度が落ちてしまっています。

申し訳ありません!

 

SNSや、ことり暮らすのお客さまからも

「プロジェクト応援しています」というメッセージをたくさんいただいています。

本当にありがとうございます。

 

これからもまだしばらく辛い記事が続いてしまいますが

プロジェクトにとってもこの記録はとても大事なものなので、

頑張って書いてまいります。

どうぞ引き続き、見守ってくださいませm(__)m

 

 

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

 

 

 

2021年12月中旬

 

まず前置きとして、

レスキュー組の はこべ(黄色ハルクイン)は、

北海道到着後すぐに目の異常が見られ、翌々日に病院を受診していました。

 

 

▼その時の記事はこちら

 

 

 

この際に、糞便からAGY(メガバクテリア、マクロラブダス)を検出。

 

発症はしていなかったのもあり、

飲み薬を処方され、1週間後に再診となっていました。

 

 

私自身、今まで先住の鳥たちでも

お迎え健診時にAGY陽性、すぐ治療開始となった子は複数いましたが

そのすべてが、

治療開始後最初の1週間で、糞便からAGYが出なくなっていました。

 

なので、はこべちゃんも

きっとそうだろうな、大丈夫、と思っていたのです。

 

 

しかし再診時、

はこべちゃんの糞便からは、AGYが消えていませんでした。

 

 

私が動揺しているのが、きっと獣医師の先生にも伝わったのだと思います。

”大抵は1週間ほどで消えるけど、こういう場合もあるので

そこまで心配しなくてもいいですよ”と、声をかけていただきました。

 

この時も、発症しているうような様子は見られず。

 

飲み薬と一緒に、抗AGYの注射も打ちながら

治療を続けていくことになりました。

 

 

そしてその2日後に、

みくりちゃんとの別れがあり、

 

その翌日、

はこべちゃんの体調が急激に悪化。

 

はこべちゃんは食欲がなくなり、吐き気が出て、

体重がガクンと落ちてしまいました。

 

 

動物病院に電話し、

運良くその日最後の枠が空いているとのことで

急いで夫に車を出してもらいました。

 

 

 

 

そして診察室へ。

 

「よろしくお願いします」と、

保温バッグからキャリーを出すと、

真っ赤な血便が…

 

 

 

 

 

 

 

一瞬頭が真っ白になりながらも、

 

真っ赤?なんで真っ赤なんだ?

胃からの出血なら、黒色便になるんじゃないか?

肛門付近からの出血ってこと?

と考えていると、

 

獣医師の先生からは、

 

「おそらくAGYの急性症状で胃出血をおこしているのと、

それと同時に、

DIC(播種性血管内凝固症候群)のようなものも起こしていて

必要なところに血小板が集まらず、

止血が間に合わずに、真っ赤なまま糞に出てきているのではないか」

とのことでした。

 

 

正直に言って、かなり危険な状態でした。

このまま真っ赤な血便が止まらなければ、

明日の朝までもつかどうか、と。

 

 

あまりにも急激な悪化に、頭はなかなか追いつきませんでしたが、

やれることをやるしかない。

 

止血剤・吐き気止め・栄養剤を注射していただき、

自宅ではフォーミュラAI(流動食)をこまめに与えていくことにし、

翌朝一番に再診、となりました。

 

 

 

 

 

帰宅後。

 

 

 

 

 

 

 

 

少しずつごはんを食べてくれるようになり、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後には、

真っ赤な血便から、黒色便に変わりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

血が出ているのには変わらないけれど、

少し、状況はよくなっているのかもしれない。

そう感じました。

 

 

 

 

 

 

そしてなんとか朝を迎え、朝一番に受診。

 

 

獣医師の先生には、

今日また会えたのが嬉しい、と言っていただき、

今日を一緒に迎えられたのは、

それだけ奇跡のようなものなのだと感じました。

 

 

とは言え、

真っ赤ではなくなったものの、

黒色便は続いており、

 

先住のはなびを亡くした時(AGYではなく胃癌による胃出血)の経験からも、

はこべちゃんは今、

かなり厳しい状況であるとわかっていました。

 

 

入院をするかどうかのお話にもなりましたが

たくさんの負担がかかって北海道にやってきて、

人にも慣れていない中、やっと少し家に慣れてきたこの子に

さらにまた環境の変化を強いるのはとても酷に感じ、

 

入院のメリットとデメリットを天秤にかけて、

私は、はこべちゃんを連れて帰ることに決めました。

 

家には、同じくレスキュー組で闘病を頑張っている仲間もいて、

その子たちと一緒にいられたほうが、

この子は頑張れるのではないか、と思ったのです。

 

 

 

その日は土曜日でした。

月曜の朝まで頑張れたら、月曜に受診し、

そこで、日中入院(日中だけ入院、夜は帰宅)などの選択肢も考えていこう

と、先生とお話しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日中は吐き気がおさまっていたものの、

夜には著しく悪化。

 

この時には、くちばしや脚の血色も悪くなっており、

貧血が進んでいるのがわかりました。

 

黒色便も止まりません。

 

 

 

0時をまわる頃には、

流動食をあげようにも吐いてしまい、与えられない、

そういうことが続き、

いよいよ覚悟をしなくてはならないと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

食べものを受け付けなくなってからは、

吐き気がさらに激しく、立っているのも辛そうになり、

私は保温の効いた場所で、はこべちゃんを抱っこしました。

 

不思議とこうすると吐き気がおさまったように感じ、

途中また流動食を試みたりもしましたが、

やはりだめで、

そのまま抱っこを続けました。

 

北海道にやってきてすぐに気づいた目の炎症は、

治療のお陰で、この時にはもうすっかり良くなっており、

本当に、本当に可愛いお顔でした。

 

 

 

 

 

 

 

夜中の3時頃まで抱っこしましたが、

私も眠気が限界で、

本当はずっと起きていたかったけれど、

はこべちゃんをプラケに戻し、

 

「隣にいるから、何かあったら言うんだよ」と声をかけて
プラケをおいている隣のソファで眠りました。

 

 

 

そうしたら朝方5時頃、本当に、起こしてくれて。

(何かの音を感じました)


見ると、もう立てないほどになっていたので

すぐに抱っこをしました。
 

その時、最後に撮った写真です。

 

 

 

 

 
 
たくさんお話しして、チュウをして、
旅立ちまで見送りました。
 
 
 
 
 
 
血便や、はこべちゃんの辛そうな姿を写した画像は、
本当は撮ることも、見ることも辛かったです。
 
 
でも、はこべちゃんに
「あなたががんばった記録をとらせてね、
みんなに伝えさせてね」と
約束をしたので、
辛くても撮って、発信していくことにしました。
 
 
 
AGY(メガバクテリア、マクロラブダス)、
今では、セキセイインコを筆頭に、どの飼い鳥にもありふれた感染症です。
 
鳥種によって重篤化しやすい、しづらいはありますが、
決して、放っておいていい感染症ではないはずです。
 
AGYは、
人間が、ブリーダーが、ショップが、飼い主が、
早期に適切な治療と飼育管理をすれば、
100%でないにしろ治すことができ、
蔓延を食い止めることができるものです。
 
 
なぜ、ありふれてしまったのか。
 
それを考えつつも、
 
誰かや、どこかを責めるのではなく、
 
私たちは、
このプロジェクト北極星で
”そうではない未来”をつくっていきたいと思います。
 
それが
私たちにできることだと思っています。
 
 
 
AGYは、決して
ありふれていい、持っていても問題のない感染症ではありません。
 
多くは治療できるものですが、
はこべちゃんのように、急性症状で亡くなってしまう子もいます。
 
AGYが体内からいなくなってからも、
後遺症で胃に障害が起こり、寿命を縮めてしまう子もいます。
 
それでもいいのでしょうか。
 
 
AGYに限らずですが、

すべての飼い鳥たちに、

どうか適切な治療を、と願います。