こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
ランナーのバイブル的なコミックエッセイ、ご存じですか?
たかぎなおこさんの『マラソン1年生』シリーズ。
マラソン1年生
マラソン2年生まんぷくローカルマラソン旅
海外マラソンRunRun旅
この本を読んだきっかけは、パーソナルレッスンカイゼンを受講された女性の方が、
と話したから。
漫画の中にはプロランニングコーチの金哲彦さんが登場するのですが、「金さんのアドバイスを実践していた」と話したその女性の姿勢や腕振りがとてもよくて、
と興味をもったからです。
ここからは漫画の話です。
たかぎなおこさんの運動歴は?
・30代(マラソン1年生を執筆した当時)
・運動は大の苦手
・中学~高校の6年間は硬式テニス部に所属
・スポーツクラブに通うも長続きせず
・現在は月に2回の太極拳教室
「30代」「中学~高校まで6年間テニスをしていた」と聞いただけで、社会人になって40を過ぎてから走り始めた人と体力は同じではない、始めからぐんぐん伸びそうと思いましたが、冒頭の14ページでそれは確信に変わりました。
世間一般の”本当の”初心者はいきなり5kmも伝えて走れません!それも坂のある皇居を。
その後たかぎさんは快進撃を続けます。
・はじめての10km大会で59分11秒
・初ハーフマラソン2時間2分26秒
・初マラソンはホノルルで5時間
1分5秒
「10km1時間以内」というと僕のトレイルランニングイベントの参加目安タイムで、それをあっさりと達成。(最近はそのぐらいで走ることのできる男女ランナーも少なくなってきています)
そして、走り始めて間もないうちにプロランニングコーチの金哲彦さんにほぼマンツーマンの指導を仰ぎます。たかぎさんの人脈のつてがあったのか、15年前ですから金さんも今ほど忙しくなくパーソナルも受付していたのかもしれない。
女子ランナーのハーフマラソンの平均ボリュームゾーンは2時間15分で少し速い人で2時間10分程度ですから、たかぎさんは初ハーフでいきなりその平均タイムを超えます。
暑くて記録を狙えない(狙わない)ホノルルマラソンで5時間以内を目指したのもタフです。最終的には大阪マラソンで4時間17分6秒まで伸ばします。
漫画では道中のドタバタ劇を面白おかしく描いていますが、本質はレーサーと思いました。
たかぎさんは三重県出身なので、三重県在住の女子ランナーN子さんに勧めたら、
とメール返事が返ってきました。
漫画に影響され自宅のまわりをウォーキングしたりなわとびしたりしたそうですが、長続きしなかったそうです。
N子さんはマラソン完走、トレイルランニングを始めたのは僕のツアーがきっかけですから、そう考えると僕の周囲を巻き込む力、継続してもらう力はなかなかのものではないでしょうか。
こうした漫画を読んでいると、「私もすぐに走れるんじゃないか」という気になってきますが…このときたかぎさんは30代、テニス部6年の運動経験者です。
たとえそうだったとしても学生時代に運動をやっていた人と、それまで一切何の運動もやっていなかった人のスタートの差は大きい。はじめてすぐ同じように考えてはいけません。
運動経験のない人は、故障を少なくするためには時間をかけて焦らずにジョギングとウォーキングも多く織り交ぜた方がいい。
過去に運動経験のある人は下手に速く走れてしまうことがあるが、これも故障のリスクを高める原因となります。
こうしたマラソンの珍道中記本としては楽しく読めました。紹介されている大会もメドックマラソンなど風変わりな大会が多くおすすめです。