こんにちは。
トレイルランナーズ大阪の安藤大です。
僕は自分の肩書きにあるときより「プロ・ランニングコーチ」とつけています。
「ランニングコーチのプロって何?」
僕の中での定義はシンプルです。
ランニング指導を専業として、それで生計を立てていること。そして、何よりプロを名乗ることに責任を持つことです。
僕にとっての「プロ」は、ほかの指導者との優劣を示すものではなく、自分自身の仕事に対する姿勢を表す言葉なんです。
中には「プロコーチって何だよ」と陰で言う人もごく少数耳にしますが、まったく気にもしていません(笑)
日本におけるプロランニングコーチの先駆者といえば、金哲彦さんが思い浮かびます。
以前、金さんも同じような考えから「プロランニングコーチ」を名乗り始めたと聞いたことがあります。
僕自身も、その肩書きに込められた責任や覚悟には共感するところがあります。
肩書きに「プロ」があるかどうかは、それほど重要ではありません。
お金をいただく以上、その金額に見合う、できればそれ以上の価値を提供する。
その姿勢だけは、これからも変わらず持ち続けたいと思っています。
■ 今年は、ランニング人気に衰退を感じています
ランニング指導の現場に立って15年近く。
最近、各地で練習会やイベントを開催していて感じることがあります。
それは、東京という例外を除けば、以前ほどランニングやマラソンをする人の熱さを感じなくなってきたことです。
もちろん、地域差もありますし、僕自身の現場での実感にすぎません。
一方で、トレイルランニングへの関心が高まっていると感じる地域もあります。
ただ、参加者の方とお話ししていると、こんな声を耳にする機会が増えました。
「大会のエントリー費が高くなった」
「遠征すると宿泊費までかかる」
「ランニングシューズも高くなった」
確かに、そのとおりだと思います。
フルマラソンでは参加費が2万円近くする大会もあります。
マラソン大会に参加したことのない若い人にこの話をすると、たいてい驚かれます(笑)
走るだけで2万円もかかるの? と。
遠征となればそこに交通費や宿泊費も加わります。
マラソンは、いつの間にかお金のかかる趣味になってきたのかもしれません。
生活費や食料品の値上がりが続くなか、趣味に使えるお金が限られてくるのも自然なことです。
生活に余裕がなくなれば、まず削るは娯楽費。
それも理解できますが、本当に削るのはそこ?
■ 趣味にかけるお金は「高い」「安い」だけで決められるもの?
ここからは、あくまで僕個人の価値観です。食料品や日用品は、生活するうえで必要なもの。
一方、趣味は自分が好きで選んでいるものです。
同じ1万円でも、生活必需品に支払う1万円と、趣味に支払う1万円では、感じ方が違うと思うんです。
例えば、ランニングが唯一の趣味という人。
走ることが日々の楽しみであり、健康を保ち、仕事のストレスを忘れさせてくれる時間になっている。
それは、自分が好きな時間を楽しむためのお金でもあるからです。もちろん、生活を圧迫してまで趣味にお金をかける必要はありません。
大会に出なくてもランニングは楽しめますし、高価なシューズを買わなくても走ることはできます。
お金をかけない楽しみ方があるのも、ランニングの魅力です。
ただ、もし自分にとって唯一ともいえる楽しみに、少しのお金も回せない状態が続いているとしたら、僕は危機感を感じずにはいられません。
それは「ランニングが高くなった」という話だけではなく、暮らしの余裕そのものについて考えるきっかけになるのではないでしょうか。
反対に、払える余裕はあっても「そこまでお金を払って走りたいとは思わない」という気持ちになったのなら、それも一つの変化だと思います。
自分にとって、ランニングがどれほどの価値を持っているのか?
それを見つめ直す機会なのかもしれません。
■ 僕は20代のころ、安月給でも本を買い続けていました
僕自身、20代のころは読書が趣味でした。当時は給料は高かったわけではありませんが、それでも、読みたい本や雑誌があれば毎年数百冊以上は購入していました。
トレイルランニングに夢中になってからも同じです。
毎月のようにトレイルのイベントに参加し、大会遠征にもお金を使ってきました。
そのお金があれば、いま家や高級車が買えたと思います(笑)
でも、まったく後悔はありません。
本から学んだことも、走って訪れた場所も、そこで出会った人たちも、今の自分につながっているからです。
■ 「高すぎる」と感じたら、趣味との付き合い方を見直すとき?
「もう高すぎて、お金を払ってまで続けたいとは思わない」そう感じるようになったら、それはランニングとの付き合い方が変わるタイミングなのかもしれません。
大会に出る回数を減らすのもいい。
遠征を控えて近場の山を楽しむのもいい。
記録を追いかけるのをやめて、健康のために走るのもいい。
あるいは、まったく別の趣味を見つけるのもいいと思います。
趣味は誰かに強制されるものではありませんからね。
ここで最初の「プロコーチ」の話に戻ります。
僕たちのようにランニング指導を仕事にしている人間にとっても、考えさせられる話です。
参加費が高くなったと感じる時代だからこそ、
「参加してよかった」
「一人ではできない経験ができた」
「また走りたいと思えた」
そう感じてもらえる時間を提供できているか。
料金に見合う価値があるかどうかを決めるのは、僕ではなく参加された皆さんです。
さて、2026年も残り2か月を切りました。
趣味に使えるお金も時間も、人それぞれ。
でも、好きなことに夢中になれる時間は、人生を豊かにしてくれるものだと僕は思っています。
それぞれの楽しみ方で、ランニングや趣味を満喫していきましょう!
Never Stop Running.











