不動産投資家へむかってGO その4
ファイナンシャルプランナーのSさんとAさんは、不動産屋さんの案内で、
駅から徒歩 23分
想定利回り 15%
物件価格 400万円
築年数 築27年
という、この中古マンションの見学に向かいました。
不動産屋さん
「最寄り駅から徒歩で23分の物件ですので、歩くと結構ありますね」
不動産屋さんがこのように言うくらいですので、入居する方にとってみれば、
交通の便は非常に悪く感じるに違いありません。
Sさん
「徒歩23分って、駅からどのくらいはなれているのか分かりますか、Aさん」
突然このような質問をされても、とっさに答えが思い浮かんできません。
不動産屋さん
「実は徒歩一分は 1分=80m と決まっているんですよ」
この「1分=80m」という基準から判断すると、これから見学することになっ
ているマンションは、駅から1840m離れている計算になります。
不動産屋さん
「お客さんが部屋探しをする場合には、ほとんどの方が徒歩10分圏内で探します。
15分以上歩いてもいいという方は稀ですね・・・」
不動産屋さんはこのように言うと、「徒歩圏」と「バス圏」の違いについて説明
してくれました。
それによると、賃貸マンションで入居者の募集をかける場合には、徒歩15分ま
でを「徒歩圏」にある物件と判断して紹介するそうです。
それ以上の距離にある場合には「バス圏」にあると判断されて、入居希望者には
最寄りのバス停までの距離と、バスで最寄り駅まで移動する時間を重要な情報と
して伝えるそうです。
Aさん
「つまり、これから見学する中古マンションは、駅から距離が離れているので価
格が割安になっているんですね」
Sさん
「そのとおりだよ。でも、入居希望者にはいろいろなタイプの方がいて、できる
だけ駅から離れた静かなところがいいって言う人もいるんだ。
だから、そういうタイプの人に気に入ってもらうためにはどうしたらいいのか工
夫すれば、入居者が決まらないってことはないと思うよ」
Sさんの言うとおりかもしれません。
つまり、投資用不動産をする場合には、
「その不動産をどのような方にどのような目的で利用してもらいたいのか、はっ
きりとしたビジョンを持つことが大切だ」
ということがよく分かりました。
たとえ駅から離れている物件でも、例えば、近くにある駐車場を常に確保してお
くだけで、入居率が大きく向上するというわけです……。
~次回へ続く~
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不動産投資家へ向かってGO!その3
<前回からの続き>
ファイナンシャルプランナーのSさんはAさんを伴って知り合いの不動産屋さん
を訪ねました。
Sさん
「わたしの知り合いが不動産投資を始めたいというのだけれど、手ごろな中古
マンションを紹介してくれませんか」
Sさんはこう言うと事務所のいすに深々と腰をおろし、Aさんを室内に招き入れ
ました。
しばらくすると不動産屋さんがいくつかの物件資料を手に二人の前に現れ、お
すすめの物件のチラシを二人の前に広げました。
出された資料に目をやると、そこにはたいへん魅力的なコピーが並んでいます。
駅から徒歩 23分
想定利回り 15%
物件価格 400万円
築年数 築27年
その文字を見つけたAさんは目を丸くして驚いています。
Aさん
「15%っていう利回りがすごいね。この利回りだと家賃が・・・・」
Aさんが計算したところ、毎月の家賃は5万円です。
この数字を見ただけで、Aさんは買う気マンマンになってしまいました。
その様子を見たSさんは、
「築27年経ったようなマンションはいろいろな問題があるから注意したほう
がいいよ」
あっさりとそう言い切って、そのわけを説明してくれました。
それによると、築年数の古い物件には入居者が付きにくいだけでなく、室内の
様々な設備に交換時期が来るということが分かりました。
Sさんの友人が築20年を超えるマンションを購入したところ、給湯器が故障
してしまい、その交換費用に50万円もかかってしまったそうです。
さらには、配水管の劣化が進んでいて、亀裂から漏れ出した排水による水漏れ
事故で大変な思いをしたこともあるそうです。
このようにマンションの様々な設備の耐用年数は、20年~30年前後に集中
している物が多いので、購入後に交換する費用が大きな負担になるケースがあ
るのです。
Sさん
「その上、ワンルームマンションの購入者は限られてしまうため、よほどいい
立地条件でないと転売は難しいんだ」
そのよう
に言われると、確かにファミリータイプの場合には居住用に購入する
方もいますが、ワンルームの場合には投資目的に限られてしまうため、いざと
いうときに売却が簡単ではないかもしれません。
Aさん
「たしかにSさんの言うとおりだね。でも、ちょっぴり気になるな・・・」
Sさん
「そんなに気になるのだったら、いくつか資料を見せてもらってから、実際の
物件を見学に行ってみようか」
こうして二人は不動産屋さんの案内で、物件の見学に出かけることになりまし
た。
次回へ続く
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不動産投資家へ向かってGO!その2
ファイナンシャルプランナーのSさんと不動産の見学をする約束をしていたAさ
んは、待ち合わせの場所へ一枚のチラシを手にして現れました。
Aさん
「このワンルームマンションいいと思わない」
そのチラシは駅から徒歩8分の好立地に新築された、デザイナーズマンション
の広告です。
Sさんが覗き込んでみると「30年間家賃保証」「今なら金利2%」など、た
いへん魅力的な文字が並んでいます。
Aさん
「いいでしょ。このマンションは、頭金ゼロでも返済ができるプランが用意さ
れているから、貯金のない僕にもぴったりの投資先だと思うんだ。
しかもこのプランなら、受け取った家賃からローンの返済をしても、毎月
5000円も貯金できてしまうし……、しかも、家賃保証までついているから
安心だと思うよ。」
Aさんの言う「返済プラン」とは、ざっと次のような内容でした。
マンション価格 1600万円
家賃保証額 65000円
毎月の返済額(元利金等返済) 60000円
毎月 手元に残る金額 5000円
返済期間 30年
家賃保証期間(5年ごとに更新) 30年
頭金 0円
金利 2%
これを見たSさんは
「これは理想的な条件が重なった場合のプランだよ。しかも、この家賃保証が
くせものだね。」
このように言って、チラシの隅に書かれている小さな文字を指し示しながら、
家賃保証について細かく説明を始めました。
Sさん
「このマンションは5年ごとに保証内容が見直されるから、ローンが終わるま
でずっと65000円もらえるわけではないんだ……」
Sさんによると、家賃保証には「保証会社が5年~10年単位で一括して部屋
を借り上げるタイプ」や、「大家さん個人が不動産屋さんと契約して、保証料
(管理料)を支払うことで3ヶ月~6ヶ月程度の滞納家賃の保証を受けるタイ
プ」など、様々なケースがあることがわかりました。
今回のケースは一括して借り上げるタイプにあたるようですが、このような場
合には更新の度に保証額が引き下げられるため、年数が経過するとわずかばか
りの家賃しか受けられなくなるケースもあるようです。
Sさん
「これは余談になるけど、入居者が退去してしまうと、募集期間として、2~
3ヶ月間ぐらい家賃をもらえない期間が設定されている契約もあるんだ。
また、受け取った礼金や更新料も保証会社のものになる契約もあるから、家賃
保証が必ずしも大家さんに有利になるとはいえないんだよ。
もしもマンション投資をしたいと思っているのなら、中古マンションを見学し
てみるのもいいんじゃない」
こうしてSさんの案内で、ふたりは中古マンションの見学に向かいました。
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