小学生でもわかる不動産投資 いち・に・さん -2ページ目

不動産投資家に向かってGO!その10~小学生でもわかる不動産投資

<前回からの続き>


不動産事務所に戻ったSさんは、Aさんお気に入りのワンルームマンションに
ついて、将来売却をするという前提で収支の計算をおこないました。

そして今度は・・・、


Sさん
「今度は、返済計画をもとにシミュレーションしてみるよ。」


Sさんはそう言うともう一枚のメモを取り出し、次のような計算式を書き始め
ました。

毎月の収入    一ヶ月の家賃   5万円

毎月の支出    管理費      8千円
         修繕積立金    3千円

毎月の返済可能額 5万円 -8千円 -3千円 =3万9千円


Sさん
「固定金利3%で400万円の融資を受けて購入すると・・・。」


Sさんの計算によると返済期間が5年間の場合には毎月の返済額が7万1千円、
返済期間が10年間の場合には毎月の返済額が3万8千円という結果になりま
した。


Sさん
「毎月の返済可能額が3万9千円だから、頭金ゼロでは返済期間が10年でも
厳しそうだね。100万円ぐらい頭金があるといいんだけど。」


Sさんは、頭金を100万円準備して残りの300万円を融資で購入した場合
をシミュレーションしたところ、返済期間が5年間の場合には毎月の返済額が
5万3千円、返済期間が10年間の場合には毎月の返済額が2万9千円という
結果になりました。


Sさん
「10年で融資を受けることができれば、キャッシュフローも黒字になるから
なんとかなりそうだけど・・・。」


Sさんはそのように答えると次のような説明を始めました。
それによると、融資を利用して不動産投資をする場合には「キャシュフロー」
が黒字になるように返済計画を立てるのが理想とのことでした。

ちなみに「キャシュフロー」とは、収入から支出をひいた「現金の収支」を意
味します。

今回のケースでは「受け取る家賃」が収入にあたり、毎月支払う「管理費」と
「修繕積立金」、そして「銀行への返済金」が支出にあたります。


「収入 :受け取る家賃」-「支出 :管理費+修繕積立金+銀行への返済金」 
                         = 「キャシュフロー」


このように受け取った家賃から毎月必要な支出を差し引いた金額=「キャシュ
フロー」が「黒字」になれば、毎月少しずつ貯金することができるようになり
ます。


Sさん
「不動産投資では空室になる期間が必ずあるし、設備の修理や交換をしなけれ
ばならない場合もあるんだ。そういう場合に備えておかないと返済ができなく
なるおそれがあるから、キャッシュフローを黒字にして、毎月積み立てておく
必要があるんだよ。」


Aさん
「なるほどね・・・。でも、今回は頭金を準備できそうもないから、全額融資
で購入したいと思っているんだ。」


Sさん
「そうか……。そうなると、返済計画が行き詰ってしまいそうだね。」


Aさんは考え込んでしまいました。


~~つづく~~


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不動産投資家へ向かってGO!その9~小学生でもわかる不動産投資

<前回からの続き>


物件の下見を終えたAさんとSさんは、不動産屋さんの事務所でさらに詳しい
説明を受けました。


Aさん
「僕はこのマンションが気に入ったんだけど、Sさんはどう思う。」


Aさんは築27年のワンルームマンションがどうしても気になるようでした。


Sさん
「そうだね……。決して悪い物件だとは思わないけど、自分だったら買わない
なぁ……。」


Sさんはそう言うと、「不動産投資」について次のような説明を始めました。


それによると、不動産投資をする場合には取得した不動産を将来売却すること
も念頭におかなくてはならないので、売却した際に損失が生じるような物件に
は投資をしてはならないとのことでした。


Sさん
「だから、Aさんが自宅として購入するのであれば『気に入った』という理由
だけで購入してかまわないんだけれど、投資用として購入するのであれば、収
支計算をしっかりしてから購入を検討すべきなんだ。」


そう言うとSさんは一枚の紙を取り出し、Aさんお気に入りのワンルームマン
ションを例に次のようなシミュレーションを始めました。

  マンション購入価格    400万円
  保有期間         5年
  5年後の売却予想価格   250万円


Aさん
「つまり、5年間の間に150万円儲からないといけないんだよね。」


Sさん
「そういうことさ。」


Sさんはさらに次のような計算を始めました。

 一年間の支出 
   管理費    8千円 /月(年間 9万6千円)
   修繕積立金  3千円 /月(年間 3万6千円)
   固定資産税  3万円 /年

 一年間の収入  
   5万円 × 12ヶ月 = 60万円 /年


Sさん
「これに、金利3%で借りた場合の金利を加えて、さらに入居者の入れ替わり
のときに生じる空室期間を10%と想定したら・・・。」

 支出  
   五年間の支払金利(3%固定)   およそ30万円
        
 収入  
   5万円(家賃) × 12ヶ月 = 60万円
   60万円 × 0.9(空室率) = 54万円
   54万円-(9万6千円 +3万6千円+3万円 ※)=37万8千円

 5年間の収支
   37万8千円 ×5年 -30万円(支払金利) = 159万円

 ※は一年間の支出です
  9万6千円(管理費) 3万6千円(修繕積立金)3万円(固定資産税)
     

Sさんがおこなった計算では、5年間の利益が159万円という結果でした。


Sさん
「これだと、儲からないんじゃないかなぁ。」


Aさん
「じゃあ、10年後に売却すれば、儲けが300万円近くなるからいいんじゃ
ない」

Sさん
「でもね、Aさんの言うとおり保有期間を10年にすればもう少し利益が出る
けど、建物が古くなると家賃を下げないと入居者が決まらないし、設備の交換
費用も必要になるし、それに、築37年のワンルームマンションがいくらで売
れるかな・・・。」


Sさんはこのように言うと、今度は返済計画をもとにシミュレーションをはじ
めました。



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不動産投資家に向かってGO!その8~小学生でもわかる不動産投資

<前回からの続き>



物件の見学を終えたAさんとSさんは不動産屋さんの事務所に戻ってきました。


不動産屋さん
「いくつか物件を見てきましたが、気に入った物件はありましたか?」


Aさん
「そうだねぇ……、やっぱり気になるのは一番はじめに見学したマンション
かな。」


どうやらSさんははじめに見学した 築27年 400万円のワンルーム
マンションが気になるようです。

そこで不動産屋さんはさらに詳しい資料をテーブルに広げると、Aさんに説明
をはじめました。


不動産屋さん
「こちらがそのマンションの長期修繕計画です」


そこには今までおこなわれてきた大規模修繕の内容と今後の計画が記されてい
ました。
それによると天井の防水工事が10年ごと、外壁の塗装工事が15年ごとに計画
されています。さらに、給排水管の交換は30年~35年後となっており、
購入後には大きな修繕が必要になる事も分かりました。


Sさん
「大まかな予算が1700万円になっているから、総戸数40で割ると……、
一戸あたりの負担額は43万円くらいかな。」


Aさん
「えっ……、そんなに負担しなくてはいけないの。」


今回ローンを組んで購入を検討しているAさんにとって、40万円を超える出
費は大きな負担になりそうです。


不動産屋さん
「だいじょうぶですよ。修繕するために毎月積み立てているお金がありますの
で。」


不動産屋さんはそう言うと、管理費と積立金について説明をはじめました。


Aさんが気に入ったワンルームマンションは、毎月の管理費は8000円、修
繕積立金は3000円に設定されていました。

管理費は日常的に必要な小修繕の費用やエレベーターの保守管理、清掃員の巡
回費用などに充てられ、一年の間にほぼ使い切っています。

いっぽうの修繕積立金は大規模修繕に備えて毎年積み立てられているのですが、
二年前に雨漏りの補修工事がありまとまった出費があったようです。


不動産屋さん
「思ったよりも修繕積立金が残っていないなぁ……」


調べたところ修繕積立金は200万円程度しか残っていませんでした。
この金額では数年後に実施される修繕工事の際には持ち出しが生じてしまいそ
うです。


Sさん
「これらをすべて計算すると、利回りは大きく下がってしまいそうだね。」


この話を聞いたAさんは少し考え込んでしまいました。


~~つづく~~


*おまけ*


マンションによっては駐車場収入が修繕積立金に積み立てられているケースが
あります。

このような物件は、大規模な修繕を実施した場合でも所有者の負担が少なくて
済むためお買い得です。

修繕積立金の残高は物件価格にあまり反映されていませんので、こんなことも
知っておくといいですよ。


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