Renogy ~ 新型登場 ~ | キャンピングカーと雪山と

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【基本情報】


 

リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 100Ah 12V Bluetoothモジュール内蔵

 

公称電圧:12.8V

電圧範囲:10V~14.8V
定格容量:100Ah

ライフサイクル(0.5C, 25℃):2000サイクル(100% DOD)

充電電圧:14.4V

最大継続放電電流:100A
推奨継続充電電流:50A

放電停止電圧:10V
充電停止電圧:14.8V

 




【安っ】


 

Renogyの公式HPに新型のリチウムバッテリーが登場しました。


今まで販売していたモデルよりだいぶ価格が抑えられていますが、
その分、機能が削られた廉価版のようです。

今までのメインモデルは定価89,000円で継続販売でしょう。
スマート リン酸鉄リチウムイオンバッテリー(以下スマートリン酸鉄)

 

新型の廉価版で定価65,000円と3割ほど安くなっています。

販売価格は最新型のリチウムが驚きの55,000円で登場です。

バンテックで使用している鉛バッテリーは販売価格35,200円なので

鉛バッテリーと比べても遜色ない価格まで落ちてきました。

サイクル回数を考えたら鉛よりリチウムが断然お得です。

ディープサイクルバッテリー 100Ah

 

スマートリン酸鉄が出始めの頃は定価で10万を超えていたので、

この円安の時期でも新型が半額で提供できるだけリチウムも安くなりました。
機能としてはスマートリン酸鉄の売りだった連携機能が省略されていますが、
その代わり追加機能としてBluetoothが内蔵され、
無線通信でバッテリーの情報を把握できるようになっています。

今後廉価版って事ではなく切替えて販売していくのかな?

連携機能は省略されていますが並列接続は可能なので、

連携機能はあまり意味がない機能となったのかな?


そう考える理由は並列接続できる台数が増えています。
今まで並列台数はスマートリン酸鉄が4並列以下推奨に対して、
新型の並列台数は8並列以下推奨に増加しています。
これはバッテリーの内部構造の変化からくるものと推測されます。
公式HPでは内部構造が図解で説明されているのも親切です。
スマートリン酸鉄は16枚の板状のセルを4直列4並列(4S4P)で繋いでいます。

スマートリン酸鉄の内部構造

※ヒート付きモデルですがノーマルタイプと同じ構造です。

 

これは3.2V-25Aのセルを4つ直列に繋いで3.2V×4=12.8Vで25Aとし
それを並列で繋いで25A×4=100Aとしてるのに対して、
新型は見た限り汎用タイプの生セル3.2V-50Aのセルを

まず3.2V-50A×2並列で接続して3.2V-100Aとしてから、
4つ直列に繋いで3.2V×4=12.8Vで100A(4S1P)としています。

新型の内部構造


内部構造及びBMSの簡略化と汎用の生セルを使うことで、

製造原価を下げて半額の販売価格を実現出来たのでしょう。

この作りは我が家のエクストラバッテリーとほぼ同じ構造です。

組バッテリーとは言え自作の生セルリチウムと違いはありません。

何も生セルは難しく特殊な構造ではありません。



まとめるとスマートリン酸鉄:16セル1ユニット構成で4並列以下

新型:8セル1ユニット構成で8並列以下となり、

Renogyとして接続できるセルの数は64セルが限度になるのかな?
生セルは1つ3.2Vなので4直列(4S1P)で使用するのが基本なので、
64/4=16並列がRenogyが考える並列接続できる限度なんでしょう。

限度と言ってもこれ以上並列接続できないというわけではなく、

問題が発生しない or 問題を許容できる範囲があるということで、
並列接続にメーカー判断の推奨限度があるってことは

基本的に並列接続自体あまり推奨できない利用方法なんでしょう。


但し、スマートリン酸鉄の100Ahではわざわざ16枚セル4並列(4S4P)で構成しているので、
並列接続はあまりお勧めできないけど並列接続によるメリットもあるのでしょう。
スマートリン酸鉄の100Ahは単体で最高のパフォーマンスを発揮するために、
並列接続でのデメリットには目をつむり並列接続のメリットを重視している。
並列接続のメリットと言えば同じ容量だと並列接続の方が耐性が高いことかな?
100Ahで1Cの放電をする時は4S1Pの1つのセルで100A出すのではなく、
4S4Pで1直列のセルで25Aずつ負担分担できるって事でしょう。

でもこれはあくまでもリチウムバッテリー100Ah単体での性能の話であって、

100Ah単体での性能比較では優秀でもキャンピングカーでは

インバーターの性能から1,500Wの出力が要求される場面があるので、

100Ah単体で利用することはまず無く並列で容量を増やす必要があります。

最大継続放電電流は100Ahバッテリーでは最大1Cにあたる100Aですが、

ライフサイクルテストでは50A放電なので推奨放電電流は50Aだと推測されます。

なので我が家のように電気ケトルを多用するには
リチウムバッテリーとは言え100Ahのバッテリー1つでは厳しく、
最大使用W数を1,500Wとすると1,500W / 12.8V=117Aとなり
100Ahバッテリーを3つ並列に接続する必要があります。
って事でキャンピングカーに搭載するリチウムの推奨容量は
200Ahでは物足りなく300Ah前後の容量が必要となります。

我が家のエクストラバッテリーの容量は230Ahなので

230Ah×0.5C=115Aなのでギリギリセーフです(^_^;)

生セルは並列接続しないで高容量も可能なのでデメリットもありません。

バッテリーを長持ちさせるためにもキャンピングカーでは

300Ah(100Ah×3個)の容量で使用するのが無難な選択ということになります。

 

これらの事から推測するとやはりリチウムとは言え、
並列接続には問題があるのだろうと考えられます。
鉛バッテリーだって並列に接続するときは、
同じシリーズでロットを揃えてとかなり気を使って配置するのが普通です。
リチウムの配置で自分がRenogyに問い合わせた際に、

後から追加増設するのは同じモデルでも推奨しないと回答を頂きました。
リチウムにも鉛バッテリーと同様に並列接続による問題点があると、
ハッキリとは明言していませんが何かしらの現象をメーカーは掴んでいるのでしょう。

自分の想像だと並列接続は寿命低下に悪影響があると思ってます。

鉛バッテリーも並列接続の弊害は寿命低下ですから。

確かに鉛と比べて寿命の長いリチウムだと多少寿命が短くなっても問題ないけど、

どれだけ寿命に影響が出るのか不明なので自分は並列接続は推奨しないです。

なのでリチウムの並列接続はすぐに問題が出るわけではなく、

長期間使用して問題が発生するので気が付きづらい現象だと思います。

並列接続台数が増えればそれだけリスクも高まることでしょう。

スマートリン酸鉄では推奨並列接続最大4つなので400Ahですが、
更に高容量を狙うなら新型で800Ahというのも同じリスクで可能です。

但し組バッテリーで高容量を狙うのはリスクがあるので選択が難しい。

 

キャンピングカーで電気ケトルなど1,500W相当の

インバーターの能力をめいいっぱい使う使い方なら

リチウムバッテリーの容量は230Ah以上が推奨です。

しかも並列接続はあまり推奨されていないので組バッテリーで並列に接続するより

生セルなら4S1Pの並列接続無しで230Ah以上が組めるので、

組バッテリーを使うよりオススメできるということになります。

以上のことから我が家の結論としてキャンピングカーに搭載する

リチウムバッテリーの容量は230Ah以上が基本的に必要で、

しかも並列接続とならない高容量の生セルがベストって事になります。

今なら生セルのアルミシェルでも4S1Pで300Ahが可能です。

 

あと気になるのはRenogy組バッテリーの充放電の停止電圧でしょうか。

放電停止電圧:10V

バッテリーセル低電圧 保護:バッテリーセル電圧≤2.5V
充電停止電圧:14.8V

バッテリーセル過電圧 保護:バッテリーセル電圧≥3.7V

 

生セルだとスマートBMSで電圧の設定値の変更は可能ですが、

組バッテリーだと設定値の設定変更は出来ません。

セルの放電停止が2.5Vだと完全に放電しきった状態で100% DODとなり、

100%の使い切りは可能ですが色々調べていると

あまりオススメできないので80% DODが良いようです。

と言っても実際には下限の電圧は変化が大きいので

80% DODで止めるのは難しく90% DOD位で停止できれば良い出来だと思います。

BMSは電圧で残容量を見ているのでそうなりますが、

残容量はシャント抵抗を利用したバッテリーモニターで確認するのがベスト

 

上限は充電停止が3.7Vだとセルが昇天するギリギリの電圧です。

基本的にBMSは満充電かどうかは電圧だけの判断なので、

到達電圧できっちり停まるはずですがやはり怖い

これだけの高エネルギーを貯められるバッテリーって爆弾と同じだし、

鉛バッテリーを販売していないRenogyが積極的に

走行充電器を2種類も販売しているのは安全性の為でしょう。

スマートBMSで充放電の設定をいじれる生セルと違って

設定値を変更できない組バッテリーなら尚更で、

走行充電器の導入は必要だと自分は思っています。

例えたらガソリンスタンドでタバコを吸う様なものですね。

爆発したことがないからとか、普段から吸っていて問題ないからとか

そのたぐいの理由で自信を付けているような感じかと思います。

と言ってもリチウム換装自体が自己責任の範疇なのでどうするかは自分の判断です(笑)

 

あと気になるのはカタログ上のライフサイクルですが

スマートリン酸鉄は4000サイクル

テスト条件:電流50A、環境温度25℃、放電深度80%DOD

※HPの表記と取説は食い違いあり。取説のほうが正解かな?

新型は2000サイクル

テスト条件:電流50A、環境温度25℃、放電深度100%DOD

と放電深度(DOD)を変えてライフサイクルに変化をつけています。

わざと格差を付けるために変えてあるのかな?

多分同一の放電深度だったらライフサイクルは同じになるのでは?

ここでわかるのは放電深度が80%から100%に変わるとライフは半分

放電深度は80%推奨と明記してあるのでやはり守ったほうが良いかな。

でっ 2000サイクルは少ないかというと我が家の使用状況で

1年間の使用回数は400Ahで27回でした。

 

格安の新型リチウム登場でリチウム載せ換えも身近になります。

新型リチウム55,000円✕3個+走行充電器は発熱の少ないこちらのタイプがオススメで

Renogy MPPT 走行充電器 12V 50A

 

それにケーブル等の雑費が2万とするとリチウム300Ahが合計21万

バンテックは鉛トリプルの交換費用が12万なので、

鉛バッテリーとリチウムを比べてもそれ程費用の違いはありません。

もう鉛から鉛への載せ換えはメリットが無いですね。

それにしても今回の新型登場で生セルの価格的な優位性は薄れました。

まー それでも生セルには並列接続しないで大容量とか、

BMSで設定値を弄れるとかの性能的なアドバンテージはまだあるかな。

 

 


【参考】


 

最後に参考までにRenogyのスマートリン酸鉄100Ahの分解動画です。

こちらの動画ではRenogyのバッテリーはべた褒めです。

この人は我が家の生セルリチウムを組むのにデータ等の資料を

非常に参考にさせていただいた人の動画です。

リチウムバッテリーと言えばこの人って位の第一人者です。

 

Renogy "Smart" 100AhLiFePO4バッテリーの分解

 


【まとめ】



あっ 専門の電気の知識のない自分が想像で書いている内容なので

間違い等があれば生暖かい目で見て笑い飛ばしてください。

電気の素人がこうなのかな?って想像で書いた内容なので、

検証もしていませんし、あくまでも自分の思いついた内容です。

って事でRenogyに内容の問い合わせの確認はしないで下さい(笑)

このブログの内容を信じるか信じないかはあなた次第です。

 

 

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