私は、過去で唯一後悔している

ことがあって、それは親友のお葬式

で、最後の顔を見れなかったことです。




あの日のお葬式は地獄の気分だった。

世界にはこんな、地獄みたいな

日があるのだと思った。




親友の家族はみんな泣いていた。

お父さんは理由が分からないと

震えていた、分からない自分が

憎くて堪らないと。




私はずっと泣いていて、最後の

挨拶に顔を見る時に記憶が

ブッツリなくなった。



泣き過ぎて倒れたようだ。



その後、次の記憶で何故だか

分からないけど、遠くの海にいた。


ここで車を海にぶっ込んで

死んだら楽だろうなぁと思った。



また記憶がブッツリ途切れている。



次の記憶にあるのは、

教育の研修施設のトイレだった。


トイレの中にいると、

声が聞こえてきた。



『あいつ!よくも死にやがって!

 そのせいで、どれだけ余計な仕事を

 増やされたことか!

 まじ、迷惑!』



彼女はギャハハと笑っていた。




私はその瞬間に生まれて初めて、

殺意という恐ろしい感情が芽生えた。


こんな人間はいらない、、、

死ぬべきはあの子ではない、

この人だ、、、



怒りで気が狂いそうになっていた。




その瞬間に、私は死んだのだと思う。



今まで気づいてきた『常識』が

何もかも破壊された。



人間は、性悪説なのか、性善説

なのかも分からなくなった。



思い出せば、いつも過去は桃源郷

だった。世界はいつもキラキラと

して、人間のことも大好きだった。

人間は光から生まれたと本気で

思っていた。



でも、あの日にそれは終わった。

だから、私はもう一度、

人間とは何か?が知りたかったのだ

と思う。




なぜ、いつも人間とは何なのか?

を知りたくて堪らない私が

いるのか、疑問で仕方がなかった。




でもよく考えたら、あの日が

きっと始まりだった。


キラキラとした世界が、

ドス暗く汚い世界だと

気がついたあの日が。




だから、自分自身の目で、耳で

考えて、感じて、もう一度、

人間とは何なのか?を

知らないといけなかった。



そして、私は全てを捨てて、

0から再構築の世界を始めた。



『守破離』


千利休の言霊。



先人の教えを習い、そして世界を

構築する。


そしてその世界を構築したら、

自ら次は破壊する。



そしてその破壊した後に、

新たな世界を自分独自の世界を

築きあげる。



守って、破壊して、また創造する。



それは宇宙の原理ともいえる。




最初の世界にはたくさんの

素晴らしい師は確かにいた。


保育園から高校生までの担任の

先生、全てを覚えていて、

一人一人エピソードもある。



私にゴッホの世界を教えてくれた、

印象派の世界を教えてくれた先生。



心を磨く、強い相手が目の前に

現れたとしても決して折れない、

そうゆう精神を教えてくれた

剣道の先生。



文章はその人の心そのものだ、

だからどんな文章も美しいのだと

教えてくれた先生。



メダカの世界は芸術であり、

メダカという小さいものから

地球というものを教えてくれた先生。



砂場での遊びは、人生の全てが

つまっている、だから勉強よりも

砂場で遊べと教えてくれた先生。




松下村塾のメンバーがどれほど

天才で、100年後の日本を

どれだけ愛していたのかを

教えてくれた先生。



ピアノとは孤独と向き合い、

自分の心の苦しみを浄化する

ものだと教えてくれた先生。



美味しいお味噌汁を作れる女性は 

最高の家庭を作れると教えて

くれた先生。



書けば、書くほど数えきれない。

0歳から18歳まで、どれだけ

素晴らしい師がいたことか。




先生達がいたから私は、

純粋な心と素直な目で人のことを

見れたし、この世界を心の底から

楽しめたのだと思う。




人格の基礎が定まったのだ。


でも、その世界を壊さなければ、

人としての成長はなかったし、

自分のアイデンティティの確立

まではいかない。



守破離は全ての原則なのだ。




私が築いてきた世界、キラキラと

美しい世界の破壊。



そして人間は何者なのか、

自分自身は一体何者なのかを

知る旅。



起業をして、1人でこの世界に

立って、色々な人と出会った。

色々な世界を見た。



その度にいつも、人間が分からなく

なった。悪なのか、正義なのか、

分からなかった。



そして本当の自分も何なのか、

知りたかった。






そして、長い旅の道のりの

中で、破壊を絶えず繰り返した。



常に自分自身の心に

問いただした。



そして、やっと守破離の

『離』まで行き着いたのだ。



自分だけのオリジナルを編み出す。


自分だけのアイデンティティを生み出す。



その私のアイデンティティの

ために、必要だったのは、


恋愛

教育

医学


だったのだ。



毛利元就の3本の矢の領域まで

いけた。



教育、医学、恋愛の知識で、

誰にも負けないと思う。


私ほどこの三つを極めて勉強して

いる人はいないと思う。



決して、折れない三本の矢。




そして、やっと今から自分の

人生が始まるのだ。


なんていう長い軌跡だったのだろう。



でも、振り返れば大したことは

なかったし、楽しいことも

たくさんあった。



今ではあの殺したいと思えた人で

さえ、許すことができた。



先人の教えというのは、

本当に素晴らしい。



『守破離』『3本の矢』



学びを実体験に置き換えられたとき、

人は初めて本当の自分の人生を

歩き出せるのだと思う。




守破離は全ての原則。

でも、日本人の9割の人はまだ

『守』の領域にずっといる。



でも『守』の領域に居続けても、

決して世界のことも人間のことも

自分のことも何一つ、うまくいかない

だろう。



破壊を恐れない人だけが次に

進める。でも私もあんまり偉そうに

言えない。私の場合は、勝手に

破壊されてしまったから、

自分の意思ではなかった。



ただ、全てのことが必然ならば

その破壊も必然だったと思う。



今日も星がキラキラと見えそう。

これがチの世界。

学びとは何て美しい世界を

見せてくれることだろうか。




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