みなさんこんにちは。
4年前の再婚を機に
LA と東京の2拠点生活をしています。
1週間前にマリブから始まった山火事のことを自分の記録としても残したく記します。
世界のセレブが必ず一軒家を持つと言われてるくらいの超高級住宅街それがマリブです。
こちらのテレビは毎日その特集ばかりで、普段見ないテレビも今は注目を余儀なくされています。
風向きや、延焼の情報を知らないと逃げ遅れる可能性がゼロではないからです。
ですが幸い、私の家は危険地域にも指定されていないドーナツの穴のような場所にあり、海に近い方です。下の地図の海沿い、オレンジ色の所です。
先週遊びに来る予定だった友人から入った一報で、メディアより先に火事の発生を知りました。
「KIMIKO,明日行く予定で楽しみにしていたけど、今、また山火事が発生したみたいで、避難勧告が出たから、用心のために家を離れるので、来週に延期にしてくれない?」
そして、黒い煙が立ち上り始めた映像を送ってきました。
彼女は初動が早くて、すぐに避難したので、車も運転できたそうです。
なんとその1時間後くらいから道が大渋滞で動かず、みんな車を捨てて歩いての避難となったそうです。
テレビで、緊急車両を通すために高級車をブルトーザーが押しのけている様子が写り、驚きました。
そういえばパシフィックハイウェイという道、一本しかないのです。
これがLAの山火事なんだ。毎年起きるけど、身近で実感したのは初めてです。
報道の通り、あれよあれよという間にものすごい勢いで広がり、同時に4箇所も、、、!?火が上がり、
夜もヘリや、救急車のサイレンで、騒然としていました。
うちは危険地域から外れいていますが、朝は細かな灰が降って、車や、庭の隅に灰が溜まっていました。
外の空気はとても吸えないので、この1週間、教会と食料品の買い出し以外はほぼ家に閉じこもっていました。
今92歳の母も日本から来ているので、ドアを開けた時に灰が家の中に入り込まないように屋根や、庭に水をかけて洗い流して用心しました。
うちに付けている、浄水器のメーカーの方から、
「水が蒸気となってその家の空気を作る」
と聞いたことを思い出し。
撒きながら、⛰️までとどけー!と念じながら。
1週間経って、今日の午後6時に強風警報も解除されました。
空の色も空気もだんだん明るくなってきました。
友人はまだ自宅に戻れていませんが、無事です。
月曜日の満月はとても綺麗で、火事を忘れるほどでした。
私にできることはないかなと考えました。
もちろん緊急避難用の大事なものは揃えました。
ふと、おにぎりなら冷凍しておけば、お友達にもあげられる。解凍したらすぐに食べられるし。
そして私たちも持って逃げられる。火も起こさなくても大丈夫だ。
毎日お米を炊いてはおにぎりを作り、冷凍する、を5日間繰り返しました。
冷凍庫の中はおにぎりでいっぱい。笑
毎日、スタンバイしています。
手のひらに気合を込めて、お役に立ちますように、と願いながら握りました。
お人に差し上げたいと思いながら握っているわのに、私の方がとっても幸せな気持ちになってきたんです。
おにぎりパワー、お米の生命力が手のひらから私にはいってくるのか⁉️
握りながら、
父と最後に食べた食事を思い出しました。16年前になります。
栄養つけてもらおうと、和牛ステーキの厚切りをデパ地下で買って帰り、焼きました。
ビールと一緒に美味しそうに食べてくれた、あれが最後でした。
翌日、自分の杖につまづいて、歩道で転倒し、大腿骨を骨折して入院。
4ヶ月後に天国へ旅立ちました。 84歳でしたからほぼ天寿を全うしたと思っています。
張り込んでステーキ食べさせてあげれて、よかったなあ。と思うのです。いや、これは父ではなく、私が満足したんですね。
今回の火事で家を失った方の昨日の夜ご飯は、楽しかっただろうか。
家族みんなで味わえただろうか、、、。
そんな思いが上がってきました。
今日のこのご飯が最後になるかもしれない。
そんなこと毎日考えていたら疲れちゃいますが、
現実になることもあるのだな。
母と、夫との小さな食卓ですが、
毎回心を込めて、ご飯を作って、味わっていただこう、と
心に誓いました。
おにぎりが教えてくれた、一食の大切さ。
手のひらに、愛を込めて、力の湧く、最高の食事文化。日本人の知恵と体に感謝を新たにしたのでした。