世界一やさしい「郵政民営化」のお話 -6ページ目

世界一やさしい「郵政民営化」のお話

小泉旋風では「賛成!」。民主党旋風では「全面見直し、凍結」。

でも、本当はどっちなの? それともどっちでもいいの?

今イチわかりにくい「郵政民営化」見直し議論。 今だからこそ、ぐっと分かりやすく解説してみたいと思います。

こんにちは。
今日も郵政民営化について考えてみたいと思います。

今日のテーマは、「ドイツの郵政民営化は失敗だったの?」
です。

ドイツの郵政民営化は、1990年、ベルリンの壁の崩壊の時期に始まりました。
それまでは、まさに日本と同じように、郵便局は、通信事業とあわせて
お役所が運営していました。

まさにNTTが「電電公社」であり、日本郵政が「郵政公社」であり、昔は郵政省所属の公的機関だったのと同じですね。

ドイツでまず1990年に行われたのは、この公的機関を、郵便会社、金融会社、通信会社の3つに分離することでした。これで産まれたのが、郵便の配達をおもに行う「ドイツポスト」、金融サービスを提供する「ポストバンク(いわゆる郵貯ですね)」、通信会社である「ドイツテレコム」です。

今現在、この3社とも、完全に民営化され上場会社になっています。

特に、ドイツポスト(郵便事業)とポストバンク(金融事業)を別々の事業体にしたのには、
重要な意味がありました。


なぜでしょう?

それは、一緒に運営していると効率化やサービス改革のスピードが遅れる可能性がある、、、と思われていたからです。

つまり、こういうことです。

郵便事業というのは、基本的には物を運ぶ仕事です。
時間通りに迅速に物を運ぶことはもちろんですが、「生産性を上げる」ためのポイントは基本的には二つです。

1)物を運ぶトラックや人の量を、無駄がないように時間スケジュールを組み、コスト管理すること
(郵便事業会社が電気自動車を取り入れたりしたのは、この観点ですね)

2)そのために一番効率的で、しかもそれほどコストがかからない場所で物を集荷したり仕訳したりする場所を選んだりすること

郵便局で郵便を受けたり、切符を販売したり、葉書を販売したりという仕事も重要ではあるのですが、
生産性を左右する「屋台骨」は、それを動かしている「舞台裏」にある訳です。


一方、金融サービスの場合は違います。

やや単純に言ってしまえば、基本的には、「どれだけ沢山のお金をお客様からお預かりするか」と「どれだけ上手くそのお金を運用するか」が鍵になります。

郵貯のような金融サービスの場合は「上手くお金を運用する」というところは、前に申し上げたとおりあまり選択肢がありません。銀行と違って、郵貯のようなところは普通の企業にお金を貸したりしないで、国債を買ったりして安定運用するのが常だからですね。

だとすると郵貯にとってみると「どれだけ沢山のお金をお客様からお預かりするか」が生死を分けることに成る訳です。

それを実現しようと思うと、「お客様の使い易いところに郵便局の窓口があること」はとっても重要になります。

ですから、東京駅の真ん前の郵便局についてどう考えるか、を一つとっても、

郵便事業の観点からは、「東京駅の真ん前の郵便局で仕訳作業しているのはコストがかかるし、高速の入り口も近くないから効率が悪い。他で作業したい」

という話になりますし

郵貯の立場からは「東京駅の真ん前の郵便局の窓口は、極めて重要!」
という話になりますね。


2つの事業を分けたのは、本来異なるビジネスをやっている訳なのだから、いちいち調整をしなくても、各自でさっさと動いて早く変革できるようにしましょ、そのほうが結果的に全体のサービスが早く改善されると思うから、ということだったんですね。


こうした考え方は、日本の郵政事業が「4つに分割された」背景と全く同じです。

日本の場合は、これに加えて、

「郵便局っていうのは要するに、いろいろなサービスをお客様に提供する『窓口』なんだから、これはこれで独立させようよ。だってそうしたら郵便局は郵便や郵貯以外の商品も広く提供できるじゃん。
で、郵貯や郵便会社は郵便局と「窓口契約」してサービスを提供するってビジネスでどう?」

という考えを実行し、郵便、郵貯、簡保に加えてあらたに郵便局全体=窓口サービスと位置づけて、
4つの会社を誕生させたわけです。


さて、そんな中「ドイツの郵政民営化は失敗だ!」と言われてるのはなぜでしょうか?

実はドイツでは、一旦分けたこの郵便事業と郵貯事業を、1999年から2002年まで、再度統合しているのです。

「民営化反対論者」の多くは、「民営化」というよりも、、、
「郵貯と郵便は一緒に運営すべきだ!! ドイツだって一旦分けたのにまた一緒にしたじゃないか!!」

と言っているわけですね。

さて、本当にドイツの事例は失敗だったのでしょうか?
なぜ一旦分けた事業を統合したのでしょう??


今日はちょっと長くなってしまったので、続きは次の記事で解説したいと思います。
お楽しみに!


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こんにちは。
今日も郵政民営化見直しについて考えてみたいと思います。

まず国民新党のホームページにある、

「郵政民営化の後、従業員の士気が下がって不祥事が増えた。だから民営化は見直すべき」

という点について、深堀りしてみましょう。

確かに、「かんぽの宿」を信じられない安い価格で売却しようとした、なんていう事件に代表されるように、民営化後の郵政には、「え、そうなの!?」というニュースが結構聞こえてきたように思います。

でも、

なぜ郵政は民営化すると、不祥事が増えてしまうのでしょうか???


ちなみに一足先に民営化されたドイツポストの従業員の方々と、私は何度かお話したことがあります。
一番印象に残っているのは、元東ドイツの郵便局員だった40代後半のマネージャーです。

今や、世界をまたにかけ、アメリカの子会社やヨーロッパの子会社の経営陣と渡り合いながら、どうやったら世界中でより高い質のサービスを低いコスト提供できるかを考えている、とても熱い企業戦士です。

彼は言っていました。
「民営化後しばらくは混乱もあったけど、でもあれがあって本当によかった。僕の世界は無限に広がった。」
と。


でも、、、日本は違うのでしょうか。

もし、本当に郵政民営化の後に不祥事が増えた、という事実があるとすれば、、、

論理的に考えると、可能性は以下のどれかになるような気がします。

1)世の中の人は「民営」会社の従業員になると、公務員よりも「モラル」が低くなり、不祥事を起こす確率が高くなる。

。。これがほんとだとすると、世の中のサラリーマン戦士や町工場で頑張って働いてる私たちは、霞ヶ関のお役人方よりも生産性が低く、不祥事を起こし易い、、ということになります。。。。
もしそうなら、日本経済を立て直すには、「官から民へ」じゃなくて徹底的な「民から官へ」が必要かも知れません。


2)郵便局で働く人々は一般の世の中の人とは違って、「公務員」だと真面目に働くけど、「民間人」になると何故か不真面目になって、不祥事をおこしてしまう。

。。。これがほんとだとすると、郵便局で働く皆さんは「絶対公務員じゃなきゃやだー!」というものすごい執着があるということですね。
民営化されたら、くさくさしてこれまでと人格もかわってしまい、犯罪も犯してしまう。
もしそうだとしたら、本当に大変なことです

要するに郵政民営化見直しは、「郵便局に働く30万人近くのの皆さんの「やる気対策」のために、国が人肌脱ぐ」という、究極の雇用対策/労働活性化施策だということになりますね。

3)これまで世の中に明らかになってこなかった、郵政の中の「特殊な体質や慣行」が、民営化をきっかけに情報公開が進んだので「急に表に出て来てしまった」

。。。これが本当だとすると、やはり「世の中」から突き上げられない「官」の組織というのは、やはりどこか普通の常識と違う論理で動いてしまっている部分がある、ということになります。

確かに、昔誰かが外務省のことを「伏魔殿」なんていってましたね。
年金の問題も、世の中的に「マジ?」というようなずさんな処理がされていました。
民主党も「政治は霞ヶ関主導にはしない!!」なんていってますが、理由は、昔ながらの官の組織には、隠蔽体質があったり、過去の利権をまもる方に動いてしまう傾向がある、と民主党が思っているからです。


そういう傾向が郵政でも少なからずあったのだとすると、340兆という巨大資産をもち、30万人近くの従業員をかかえる巨大組織の民営化を止めるということは、本当に世の中にとっていいのだろうか、、、、という気がします。


皆さんは、どれだと思いますか?

次回は、「ドイツやニュージーランドの民営化は失敗だったのか?」
についてお話したいと思います。

お楽しみに。


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こんにちは。
今日も郵政民営化についてお話したいと思います。

折しも今回の組閣で、亀井氏が郵政担当大臣になられましたね。

ですので、彼の所属する「国民新党」が、郵政民営化をどう見直ししようとしているのか、
まず今日はそこを確認していきたいと思います。

国民新党のホームページによると、、、
郵政民営化見直しの趣旨はこんな感じです。
http://www.kokumin.or.jp/seiken-seisaku/mani01.shtml

●郵政民営化は小泉構造改革の「本丸」でした。
 郵政解散で始まった今日の政治の混迷は、
 郵政民営化の見直しでしか正せません。

●日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の
 株式売却を速やかに凍結した上で、
 抜本的な見直しを行います。

●郵政民営化によって、サービスの低下、経営効率の劣化、
 犯罪の多発等職員の志気の低下が生じており、
 郵便局の維持が困難になりました。郵政三事業一体運営を
 可能とし、国民があまねく簡便に利用できる制度に改め、
 郵便局を地域の生活センターとして再生します。

●郵政事業はアメリカでは国営です。ドイツやニュージーランドの
 郵政民営化は失敗でした。早急な見直しが必要です


皆さんはどうお感じになりますか?

どこが気になるでしょうか?

例えば、

「郵政民営化によってサービスの低下、経営効率の劣化、
犯罪の多発等職員の志気の低下が生じており」
というくだり。


民営化すると、なぜ職員の志気がさがり犯罪が増えるの?

民営化をやめて、「三事業一体」にすると何がいいの?


ちょっと気になりますね。

あと、「郵政事業はアメリカでは国営。ドイツやニュージーランドの郵政民営化は失敗」
という点も、もうすこし知りたくなりますね。

アメリカではなぜ郵政事業は国営なのか?

ドイツやニュージーランドの郵政民営化はなぜ、どこが「失敗」??



ですので、若干予定を変更し、

これからしばらく、
この4つの素朴な疑問について、事実をふまえながらやさしく解説していきたいと思います!

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