世界一やさしい「郵政民営化」のお話 -5ページ目

世界一やさしい「郵政民営化」のお話

小泉旋風では「賛成!」。民主党旋風では「全面見直し、凍結」。

でも、本当はどっちなの? それともどっちでもいいの?

今イチわかりにくい「郵政民営化」見直し議論。 今だからこそ、ぐっと分かりやすく解説してみたいと思います。

こんにちは。

今日も郵政民営化見直し議論について、考えてみたいと思います。

今日のテーマは、「3事業一体ってそんなに重要なの?」です。

郵政民営化の議論を聞いていると、「4分社化」だの「3事業一体」だのという文脈で4と3という数字がでてきます。
ひょっとしたら、「この4だの3だのっていうのは一体なんなんだーっ!!」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ですのでまず、この郵政民営化にまつわる「4」と「3」について、今一度おさらいしてみたいと思います。

昔から「郵政3事業」といわれたように、郵政公社時代までは郵政の事業は以下の3つに分類されていました。

1.郵便事業(郵便物を集荷したり配達したりするお仕事)
2.郵貯事業(国が運営する「郵便貯金」や送金サービスを提供するお仕事)
3.簡保事業(「簡易保険」=文字通り、普通の保険よりも小額の保険を販売するお仕事)

です。

この3つの事業は、郵政公社の中で一体運営されていました。

もちろん、内部には「郵貯のことを考える部署」「簡保のことを考える部署」「郵便のことを考える部署」というのは別々にありましたが、最終的な経営責任はすべて、郵政公社総裁が負っていました。

25000局ある郵便局も、この3つの事業を、当然すべての郵便局で提供してきました。

これがいわゆる、「3事業一体」というやつです。

このように歴史的に3事業一体で運営されてきた郵政ですが、
小泉改革では、「郵政民営化」に向け、「3つの改革」を行いました。

1) 郵政公社をやめ、郵政を「株式会社」にしたこと

要するに、後々の「上場」「民営化」の準備のため、まずは公社っていう公的組織にしておくことはやめたわけですね。取りあえず普通の会社と同じ「株式会社」にしました。

ただまだ、「日本郵政株式会社」の株は100%政府がもっていますから、正確には「民営化」はまだされていないことになります。

本当の意味で「民営化」するためには、この株式を上場し、「民間」の私たちが自由に株主になれるようになる必要があるわけです。今の段階では、まだここまでは実行されていません。

ですから「民営化したからって、何が変わったのか!?」なんて言われる方も多いのですが、
正確には「まだ民営化なんて、していない」のですね。


2).今まで「3事業」と思われていた郵政事業を、「4つの事業」に再分類したこと


4つの事業、、、って、郵便、郵貯、簡保はわかるけど、もう一つ何??
と思われると思います。

もう一つは実は、「郵便局」なんですね。

ここでひとつ気づいて頂きたいのですが。

「郵便」、「郵貯」、「簡保」は、どれも「どんな商品を売るか、どんなサービスを提供するか」という視点の事業の切り口です。

「郵便」といえば手紙だし、宅配だし、年賀状。
「郵貯」といえば、貯金、送金、振込。
「簡保」といえば、養老保険とか学資保険。


でも「郵便局」はどうでしょう?

人によっては「年賀はがき」や「不在届」をイメージするひともいるかもしれないですね。
「郵貯」や「かんぽ」をイメージする人もいるかもしれません。

はい。実は「郵便局」というのは、いろんな商品やサービスを扱っている「窓口=売り場」なんですね。

たとえていうなら、「カルビーのポテトチップ」も「ハーゲンダッツのアイス」も「花王の洗剤」も売っている「コンビニ」と同じ。

この「宅配も銀行商品も保険商品も売れる、マルチな地域密着型売り場=『郵便局』」が全国津々浦々25000カ所もあるわけです。

ですから、郵政民営化が当初議論されたときに、この「マルチな巨大売場ネットワーク=郵便局」が、「郵便」や「郵貯」「簡保」の商品サービスだけじゃなく、もっと広くいろんなサービスを扱えるようになったら、結構すごいことになるんじゃないか、という議論がされたのです。

そこで、これまでの3事業に加え、新たに「郵便局会社」という第四番目の事業分類が誕生するに至った訳ですね。

3)こうして分類した4事業を、「分社」して別の株式会社として独立させたこと

はい。おそらくこれが一番大きなインパクトがあったのだと思いますが、
3つを4つにしただけでなく、それを4つの別々の会社にして、それぞれ株式会社にしたわけです。

この結果、

郵便配達をする郵便局員やトラック、バイク、仕訳する機械→「日本郵便」へ

郵便貯金の残高管理をするシステム→「ゆうちょ銀行」へ

簡保を売っていた外回りの営業の人→「かんぽ保険」へ

いくことになりました。


そして、郵便局は、、

大きめの郵便局とその局員→使っている場所ごとに「ゆうちょ銀行」や「日本郵便」の「直営」に

小さめの郵便局とその局員(昔の特定郵便局)→「郵便局会社」に

所属することになりました。

皆さんも少し気をつけて、お近くの郵便局の看板をみてみると、看板の色に4つあることが分かります。

「赤」は「日本郵便」(ゆうびんやさん)
「緑」は「ゆうちょ銀行」(ぎんこうやさん)
「青」は「かんぽ保険」(ほけんやさん)
「オレンジ」は「郵便局会社」(窓口<売り場>やさん)

です。

 ほとんどの郵便局は、オレンジの看板をかかげていますよね?


じゃあ、「郵便局」で扱えるサービスや商品は減るのかというと、、、必ずしもそうではありません。

郵便局ではいままで通り、郵便の受け渡しもするし、貯金もできるし、保険も買える訳です。

なぜかというと、郵便局会社は、『窓口』事業として、郵便のサービスや貯金のサービス、
保険のサービスを「代理店として代行」していて、郵便、郵貯、簡保という3つの会社から手数料をもらっているからです。

ただ、「3事業一体」のときと大きく違うのは、

「郵便局会社は、独自の判断で、日本郵政グループが扱っていない、他の会社の商品やサービスを、郵便局で提供する」ことができる、

ということですね。

このまま4つが独立していれば、将来的には、地銀の住宅ローンを郵便局で手続きできてしまう、

なんてこともあるかもしれません。


さて、ではなぜ今、「見直し」が叫ばれているのでしょうか?
「3事業一体じゃないと駄目だー!」と政治家が言っているのはなぜでしょう?

はい。どうやら

「3事業一体じゃないと、不採算の郵便局を閉鎖されたりして、サービス停止されたりして、いままで通りの郵便局の数とサービスが維持できなくなるかもしれないから」

ということが理由のようです。

確かに、

「今まで通り、不採算であろうがなかろうが、絶対に絶対に、現状維持!!!。足りない分は税金で補填!」ということであれば、3事業一体でかつ「国営」にするのが一番早い話

になります。


でも、

「不採算の郵便局も、なんとか採算ベースに乗せて維持する企業努力をする」ということであれば、民営化して4分割するのがいちばんやりやすい

はずです。

実際、不採算の郵便局を採算ベースに乗せる努力として、実行可能な方法はいくつもあります。

例えば、前回お話した、ドイツが行った「フランチャイズ郵便局」を活用する方法もありますし、郵便や郵貯、簡保以外の商品サービスを提供して、追加利益を上げるという考え方もあるでしょう。
 
ただこの場合、「採算ベース」に乗せる工夫と経営努力が最も必要なのは、「郵貯」でもなく「郵便」でもなく、「郵便局会社=郵便局の経営」になります。

なぜなら「いまある郵便局をやめるのかやめないのか、郵便局のサービスを増やすのか減らすのか」はゆうちょでも簡保でもなく、「25000局の『窓口』をもつ郵便局会社」が決めることになるからです。

郵便局の経費(働く人の人件費とか家賃など)と、

郵便局が得られる収入、、つまり

1)ゆうちょや簡保、郵便から入ってくる「代理店手数料」+
2)これから新しく何かサービス提供する場合はその追加収入

を比較して、収入のほうが少ない場合は「郵便局」が赤字ということです。

ですから、赤字郵便局をなんとか維持するためには、これまでずーっと公務員で地元の名士であった「郵便局長」さんが、地元の「中小企業の社長」として、経営努力をすることができるかどうか、がポイントになるわけです。

そういう意味では、郵便局は郵便局で、「これまでの3事業とはよい関係を保ちながら、独自路線で収益も追求できる」自由をもっていたほうが、気兼ねなく新しいビジネス立ち上げたり、工夫したりできるので、採算ベースには乗せやすいのではないでしょうか。

「でも郵便局長さんたちにそんなことできるの?無理なんじゃないの?」

という方もいるかもしれません。

あなどってはいけません。
実は郵便局長さんって、すごいんです。

これまで、小さめの郵便局(特定郵便局)の郵便局長さんは、代々「世襲」できる公務員、つまり、お父さんが局長さんなら息子も局長さんになれる、というファミリー公務員でした。

この制度に対しては、相当な批判もありましたが、結果的に長い歴史のなかでこれまで代々蓄積されてきた、郵便局長さんの地元ネットワーク、影響力はすごいわけです。下手な政治家ファミリー顔負けですね。

(実際、自民党の政治家さんが選挙のときに票を集めようとおもうと、郵便局長さん達との関係が切っても切れない関係があった、、というのは皆さんも聞いたことがあるかもしれませんね)。

つまり、郵便局長さんたちがすごいのは、「その地元の近所の人達のことは、知り尽くしている」ということなのです。
どこの坊ちゃんはいつどこの大学にいった、とか、あそこの奥さんは働き始めた、とか、、、。

実はこういった情報は、普通に商売をする企業なら、特にものやサービスを売る企業なら、のどから手が出るほど欲しい情報なのです。

そういう情報があると、どこにビジネスチャンスがあるかが分かるので、非常に効率的な営業ができるからです。世の中的にはCRM(Customer Relation Management <顧客マネジメント>)といって、それだけのために本が出たり、コンサルティングサービスがあったり、システムソフトが飛ぶように売れたりします。

でも、郵便局長さんたちはそんなもの要らない訳ですね。
だって、頭の中に入っているのですから。

すごい人になると、1ー2年先まで誰にどんな商品が売れそうか、多分読めてしまう。

この方達のパワーを最大限発揮できたら、
採算のとれない郵便局なんていう議論は、必要ないような気がするのは、私だけでしょうか。。。



「民営化して何が良くなったんだ、何も変わらないじゃないか!」というのは、ある意味当然です。

さっき申し上げたように、「まだ民営化なんてされていない」のですから。

前回の記事にも書いたように、これまでの時間は、3事業だったのを4つに分けるだけで相当な時間を使って来たので、たとえて言うならまだストレッチと準備運動をしているだけです。
まだフィールドにさえ立っていないのですから、変わらないのは当たり前ですね。

民営化して何かが変わるかどうか、本当に意義があったかどうかを判断するには、本当はこれから3ー5年はみておく必要があります。

今の段階で相当なにか問題が噴出しているのだとしたら別ですが、

(といっても、特段民営化した訳ではありませんから、問題が噴出しているとしても民営化そのものが問題でない可能性のほうが高いといえるでしょうが、、、)

「民営化しても変わらないから、巻き戻し」というのは、
かなり乱暴な議論のように思います。


郵政民営化の見直しについては、

「とにかく元に戻す!絶対絶対現状維持!!!」

という、単純な話ではなく、
もっと正確に事実を把握した上で、

「ガラス張り」の議論をして頂きたいですよね。

次回は、「民主党政権の郵政見直し構想とは??」
についてお話したいと思います。

お楽しみに。


ヘンカクデザイナーとしての活動ブログはこちら↓
世界一やさしい経営とヘンカクのお話


↓お手数ですがもしよかったらワンクリックください。
 読んで頂ける方が増えるそうです。

人気ブログランキングへ 


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村



























こんにちは。

今日も郵政民営化見直しについて、考えていきたいと思います。

さて、今日は、「郵政民営化をホントに凍結すると何がおきるのか?」について、少し解説してみたいと思います。

ただ、何がおきるのかは、「何をどう凍結し、どう見直すのか」によって随分違うので、いくつか重要なポイントに分けてみていきましょう。

基本的に、今「郵政民営化見直し!!」と叫ばれている議論のなかで、具体的に出てくる「施策案」は、大きく分けて以下の3つになります。

1. 西川社長に辞任してもらう。

2.なるべく早く上場するはずだった「ゆうちょ銀行」「かんぽ保険」の株式上場を「凍結」する。

3「ゆうちょ銀行(ゆうちょとしての預金、決済等を運営している会社)」
「かんぽ保険(いわゆる簡保保険の販売と運用をしている会社)」
「日本郵便(手紙や年賀状、宅配等の集荷/配送を運営している会社)」
「郵便局会社(25000の郵便局の「窓口」を束ねている会社)」
という、4つの会社に分割したのを、やっぱり全部もとに戻してくっつける(3事業一体にする)


では、それぞれについて、少し詳しくみていきましょう!。

1.西川社長が辞任するとどうなるか?

これは例の鳩山氏(弟)が言い出した、「経営者として失格、だからクビ」という奴です。

西川社長というのはちなみに、「ゆうちょ銀行」「かんぽ保険」「日本郵便」「郵便局会社」の親玉(親会社)である「日本郵政(株)」の社長です。

親玉会社の社長である西川氏の役割は、4つの子会社が夫々独立した民営化会社として独り立ちできるよう手助けをすること、特にゆうちょ銀行、かんぽ保険を「上場」を達成させることでした。

皆さんご存知のとおり、「上場」とひとことで言っても、「上場する!!」って言ったら誰でも上場できる訳ではありません。
上場するには、「ちゃんとしっかり利益を出せる会社であること」「将来成長する可能性が高いこと」「ちゃんと法律を守る優等生であること」等、いろんな条件をクリアしなければなりません。

ですから、上場を目指す会社の経営者は大変です。襟を正し、体制を整え、実績をつくり、「脂肪を落として筋肉質」にし、将来の絵を描かなければなりません。

西川氏は「上場を実現することが自分の役目である」とずっと言い続け、その方向で舵を切ってきた人でした。

西川氏の辞任の話がでてきたのは、「かんぽの宿をあまりにも安い価格で売却しようとした」ことがきっかけでしたね。

「上場準備はいいけど、やり方がまずい。ちゃんと襟を正してないじゃないか!それじゃ駄目だ!」

という訳です。

では西川氏が辞任すると何がおきるのでしょうか?

正確には、「後任が誰になるかによる」と思います。

つまり、西川氏の後任が

「上場なんてやめちゃうんだ! だからそれまでして来た準備は全部ストーップ」

という人になるのか、

「ちゃんと襟を正してしっかり上場準備を続けるんだ!」

という人になるのかによって、方向性が全く違うということです。

ただ、今の雰囲気だと、「上場をやめる。だから上場を目指して舵を切って来た西川氏は辞任」という空気になっていますから、西川辞任=上場凍結を決定的にするということになるような気がしますね。


2.「上場を凍結する」、つまり、これまで上場準備を進めて来た「ゆうちょ」も「かんぽ」も、上場しないとなると、どんなことが起きるの?


1)ゆうちょも簡保も、上場のために絶対に必要な「収益性の改善」や「経営の効率化」は、そんなに急いでしなくても良くなる。

例えば、無駄をなくそう、とか、預金をもっと集めなきゃ、とか、新しいビジネスを立ち上げよう、という外からのプレッシャーは随分低くなります。

私たちにとって何かいいことがあるかというと、採算はやや度外視してもよくなるわけですから、あまり頑張ることなく、「国民の皆さんのために、今までより低価格で沢山のサービスを提供します」なんてことも、おきるかもしれません。

上場する場合と比べて、外からのプレッシャーがなくなる分、本当に無駄をなくせるのか、効率的な運営とサービスの質のバランスをどう取るかは、「国のコントロール」と「経営者」のモラルの高さに100%依存する形になる訳ですね。>

    
2)ただし、わたしたちの「税金」負担分は、株式上場する場合より大きくなる可能性が高くなる

郵貯と簡保を上場すると、「国」がいま持っているゆうちょ株、簡保株を、(全部かどうかは分かりませんが)、市場で売ることになります。

NTTの上場のときもそうでしたが、こういう大きな公的機関の民営化のときには、結構高値がついたりします。

その結果、国は臨時収入として「株の売却益」を得られることになります。

これは、実は結構大きいですね。おそらく数兆円の規模にはなるでしょう。

上場しないとなると、まずこの収入はなくなります。 

ですから国の家計簿を考えてみると、

もし「必要な出費」が変わらないとすると、この「臨時収入」がない分、通常の収入=すなわち税金収入=すなわち私たちの税金負担が相対的に増えることになるかもしれません。

「郵貯もかんぽも「公的サービス」なんだから、自力でなんとかする、というよりも、私たちが税金でなんとか維持してあげないとだめよね」
と、私たちひとりひとりが思うかどうかが、分かれ目になりそうですね。

3)民間企業が「政府が税金を使って私たちのビジネスを圧迫してる!!ずるーい」と思ってしまう

普通の銀行などは、当然のことながら上場しています。
上場している企業として、市場のプレッシャーにさらされています。

つまり、収益性が悪くなると株を売られ、株価が下がり、株主総会で「何やってるんだ!!」と経営者がお叱りを受けるわけです。

でも、同じ業務を営んでいながら、ゆうちょ銀行はもし上場しないで、国が100%株主になるとすると 
そんなプレッシャーを受けない分、有利にビジネスを出来てしまいます。

普通の銀行からしてみると「フェアじゃない」「たまったもんではない」訳ですね。

もし本当に、ゆうちょや簡保のサービスが「公的機関でしかできないもの」なのだとしたら話は分かり易いのですが、実際には郵貯も簡保も、基本的には民間の金融機関と同じ顧客に、同じようなサービスを提供しているケースがほとんどなので、話がややこしくなります。

この問題はおそらく、民営化見直しのなかで相当議論になると思います。




3.「4分割した会社を、またもとに戻してくっつけるとどうなるの?」


細かいことは、どういう風にくっつけたり戻したりするかによって大きく変わるのでまた別の機会にお話しますが、少なくとも、これだけは言えるのは、

「分割の仕方をどう見直そうと、恐ろしいほどの時間と労力とお金がかかる」


ということです。

郵政は、全部あわせると従業員数が30万人ちかくいる、極めて巨大な企業です。

ちなみに、トヨタ自動車の従業員は7万人。連結子会社を含む全世界のトヨタグループの従業員が約30万人で、世界で第三位の企業規模だと言われています。

ちょっと想像してみてください。

海外も含めた全トヨタグループと同じ規模の会社を、2-3年の間に4つに分割して、またもとに戻す、ということ自体、どれくらいのお金と労力がかかるでしょう?


当然、昔3事業一体だった時代から、民営化とともに巨大な組織を4つに分割し、独立に運営できる事業体にするまでには、これまで既に、大変多くの時間と労力と資金がかかっています。

組織のポジションを決め、一つだった人事部や法務部、システム部を4つに分け、30万人全員の人事を決めて発令し、それぞれの事業計画をたて、一緒だった決算書を4つに分けるための血のにじむ努力をし、それぞれに必要なITシステムなども構築し、、、、、。
準備期間も含めると1年以上の時間を、まずこの4社体制を作り込むことにほぼ費やして来たと言っても過言ではありません。

またこれを一体にするということは、また同じような労力と時間をかけて、時計を巻き戻すことになります。

問題は、それだけのコストと時間と労力をかけてまで、またもとに戻すことの「効果」「メリット」「意義」は明確なのかどうかです。


ですので次回は、
「3事業一体ってそんなに重要?」について詳しく解説してみたいと思います。
お楽しみに。

↓↓お手数ですがワンクリックください。読んで下さる方が増えるそうです。

人気ブログランキングへ 


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村












こんにちは。
今日も郵政民営化見直しについて、考えてみたいと思います。

前回の続きになりますが、今日のテーマは「ドイツの郵政民営化は失敗だったのか?」です。

前回お話したとおり、ドイツでは1990年、民営化が始まると同時にいわゆる「郵便」と「郵貯」を別会社にしました。

しかし、また1999年から2002年まで、この二つの会社を再統合しています。
で、その後「郵貯(ポストバンク)」は上場しましたが、この大株主は一足先に上場した郵便(ドイツポスト)でありつづけています。

要するに、ドイツの郵便と郵貯は、「結婚していた夫婦が、一度離婚して、また再婚して、その後は同じ家にはすんでないけどつき合っている」みたいな状況な訳ですね。

これはなぜなんでしょうか? なぜ離婚したのにまた再婚したんでしょう?。

昔、ドイツの専門家にこのあたりの事情を聞いてみたことがあります。
そうしたら彼は大笑いしてこんなことを言ってました。

「郵便と郵貯に『再婚』の時期があったのは、改革が遅れてしまった郵貯の経営スタイルを入れ替えたかったからさ」

話を分かり易くするためにたとえ話でいうと、、、

郵便と郵貯が離婚をした後、

郵便君はスタイリストをつけたり、トレーナーをつけてジムに通ったりしたので、頑張ってスリムになり、ファッションセンスも抜群のいい男になって、一足先に社交界デビュー(株式上場)した。

でも郵貯ちゃんは一向にダイエットも出来ず、相変わらずファッションセンスも今イチ。
でも郵貯ちゃんもはやく社交界デビューさせなきゃいけない。

で、しょうがないので、プロダクション(政府)の人が郵貯ちゃんを観るにみかねて、
まず郵便君と再婚させて郵便君の家に住まわせ、郵便君がスタイリストやトレーナーさんに郵貯ちゃんを任せたり、郵便君が郵貯ちゃんの生活習慣を徹底的指導した

それで5年たって、スリムになってファッションセンスも抜群になった郵貯ちゃんは、
漸く社交界デビューし、郵便君とはよい関係を保ちながら、独り立ちした

要するに「郵便と郵貯」の再婚時期は、郵貯ちゃん社交界デビューのための、スパルタ教育期間だったワケですね。

結果的にみえてくるのは、
郵便や郵貯を「一体にすべき」とか「別々にすべき」という議論は、そんなに簡単な話ではないということです。

普通に考えれば、郵便の経営は「クロネコヤマトや佐川急便」のほうが近いけど、郵貯の経営は「地方銀行」の経営に近いわけですから、一人の経営者が両方みるのは難しいはずです。

でも、それぞれの経営者/運営主体の経営手腕によっては、豪腕な一人の経営者が一体で一気に改革してしまったほうがいい、ということもあり得るということなのでしょう。

一方、それぞれ上場したとしても、ドイツのように市場から株式を買えば、結果的にお互いの大株主になることだってできるわけですから、「別々に上場する=全く分離された運営になる」という議論は、あまりに単純すぎるような気もしますね。


さて、今現在、ドイツポストグループは「郵便=ドイツポスト」「郵貯=ポストバンク」ともに上場して、グローバル企業として成長しつづけています。

特に民営化後のドイツポストの成長は目覚ましく、「DHL」という黄色いマークのアメリカの世界的な宅配会社(世界をまたにかけるクロネコヤマトみたいな会社です)を買収したりして、いまや世界随一の物流企業に成長しました。

ちなみに、「民営化」の精神を象徴するドイツポストらしい話をご紹介しましょう。

写真は、ボンにあるドイツポストの本社ビルです。全面ガラス張りの非常に立派なビルです。

$世界一やさしい「郵政民営化」のお話

実はこのビル、エレベーターも、部屋のしきりもドアも全部ガラスです。

ガラス張りのエレベーターは高速運転するので、当初気持ち悪くなる人も出たりしたので、運転速度を遅くしなくてはならなかったそうです。

実は、お手洗いもガラス張り。。ただしここだけは「曇りガラス」なので外からは見えません(笑)

なぜこんなに徹底してガラス張りなのでしょうか?

はい。

「徹底して透明性の高い仕事をする」「誰がいつ何をやっているのか、誰からもわかるようにする」というのが、民営化し、改革してきたドイツポストの信念だから、だそうです。

ドイツ郵政民営化が失敗だったのか成功だったのかはさておき、
民営だろうが国営だろうが、3事業一体だろうが4社分割だろうが、
とにかく郵政民営化の見直し議論も、これくらい「ガラス張り」の運営を目指したものにしてほしいですね。

次回は、「民営化、株式上場を凍結するデメリットは?」について解説してみたいと思います。
お楽しみに。

人気ブログランキングへ 


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村