★1964年増田屋ダイハツ コンパーノ ベルリーナ ~ ブリキ自動車コレクションから 216 | ポルシェ356Aカレラ

ポルシェ356Aカレラ

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★引続きコレクション整理のため委託出品中!!
手許のコレクションの中から重複等のため不要となったモノを2024(令和6)年3月8日(金)終了のヤフオクに色々委託出品していますので、是非ご覧ください(以下は抜粋)☆☆



1)II ADO アドバンテージ 1/43 ペネロープ号 箱付
2010年に税込定価23100円で購入したまま一度も開けずに保管していたもの。経年劣化でほんの少しサイドモールが浮いてきています。微量の瞬間接着剤で修復は可能かも。






重厚感のある箱入り



2)米澤玩具プラボディ/ブリキシャシー トヨタ中ダンプ全長約37㎝ 約1/22スケール 箱付
大中小サイズにダイヤペットとトヨタFA100ダンプを怒涛のようにリリースしたヨネザワ製の中でこの中サイズは割合出来が良いと思います。





3)英DINKY 1/45?ロールスロイス シルバーレイス塗り有
箱付で全体に綺麗ですがランプ類に色差しされています。







4)英CORGI 1/45?ジャガーEタイプ シルバーメッキ ドライバー付 #2 箱無
箱無ながら比較的綺麗です。







5)Danbury Mint 1/24 ジャガーXK120 薄茶 箱付 韓国製
1/24スケールのXK120ではブラーゴとフランクリンミントの中間位の仕上がり。







6)伊Politoys 1/43ポルシェ912 シルバー/黒シート 塗り有
比較的綺麗ですがエンジンルーバー等に色差しされています。また右ドアがピタリと閉まりません。





7)仏solido 1/43ポルシェ911ターボ オレンジ 塗り有 箱付(傷み) ポルシェシール付
各部に色差しされていますが、オリジナルよりも実感的に見えます。




45年位経っているので使えないと思いますが、一応、オリジナルのシールが残っています。



8)伊Polistil 1/25ポルシェ911カレラRS POLIZEI アンテナ欠品 箱無
当時物73カレラのPOLIZEI仕様。大きいので存在感ありですが、アンテナが欠品しています。







9)EAGLE 1/43 ポルシェカレラRSR 1974ニュルブルクリンク1000㎞ #56 紺/黄緑 箱付
なかなか鮮やかなカラーリングです。



10)MINICHAMPS 1/43 ポルシェ パナメーラ ターボ シルバーメタ ポルシェ特注銀箱付
WAP品番のポルシェ特注品。





11)京商1/43トヨタ2000GT ブルーメッキ限定品 箱付
ブルーメッキ仕様の限定品。



12)ixo 1/43 キャデラックV16 LWBインペリアルセダン「アル・カポネ」1930年 箱付
弱冠26歳にしてシカゴ暗黒街のボスとなり実質的に市長と言える存在だったという、アル・カポネ(1899年1月17日 ‐ 1947年1月25日)の専用車。ケネディ暗殺時のリンカーン等の歴史的なクルマはついつい集めたくなります。








★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」の第216回記事として増田屋齋藤貿易の1964年ダイハツコンパーノベルリーナをご紹介します☆☆☆ 



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ダイハツ コンパーノ ベルリーナ
マツダ・ファミリアと同様の手堅い手法を採り1963年(昭和38年)4月に最初はバン、同年6月にワゴンがデビューした後、同年10月26日~11月10日の第10回全日本自動車ショウの会場で乗用セダンが展示され、翌1964年(昭和39年)2月1日より「ダイハツ・コンパーノ・ベルリーナ」の名称でダイハツ初の「本格的乗用車※」として発売されています。なお、発売当初のベルリーナは800cc・2ドア・DXのモノグレードで、2ヵ月後の4月より装備を簡略にしたスタンダードが追加されています。
※ダイハツ初の「本格的乗用車」の意味は、厳密にはオート三輪の荷台部分を客室とした三輪乗用車がコンパーノ ベルリーナ以前に存在したため。

旧弊ながらも頑丈な梯子型フレームにイタリアのコーチビルダー・ヴィニャーレ(Vignale)による美しいボディとイタリアンスポーツ風のスポーティーで非常に美しい内装でデビューしたベルリーナは、マツダファミリアやトヨタパブリカといった1000cc以下クラスの他車をライバルとしながらイタリアンルックの独自の個性と存在感を放ちつつ1960年代のモータリゼーション進展の波に乗って販売を伸ばしました。コンソルテの名称でパブリカのOEM生産が始まった後の1970年1月にスーパーデラックスのみの受注生産が終了するまで、ベルリーナは6年弱のモデルライフを全うし計約12万台が生産されたと言われます。


【1964年 ダイハツ コンパーノ ベルリーナ(F40型) 実車 主要データ】(1964 Daihatsu Compagno BERLINA Typ.F40 Specifications)
全長3800㎜・全幅1445㎜・全高1410㎜・ホイールベース2220㎜・車重755kg・FR・4サイクル水冷直列4気筒OHV797cc・最高出力41ps/5000rpm・最大トルク6.5kgm/3600rpm・変速機4速コラムMTフルシンクロ・最小回転半径4500㎜・乗車定員5名・燃料タンク容量34ℓ・舗装平坦路燃費23km/ℓ・最高速度110km/h・大阪/名古屋/東京店頭渡し販売価格57万8000円(1964年10月より3万円値下げされ54万8000円)



●1964~1965年ダイハツ コンパーノ ベルリーナ 実車カタログより抜粋
コンパーノは1965年4月1日にスパイダー、同年5月1日にベルリーナ1000・4ドア、同年11月にスパイダーの65PSエンジンを搭載したベルリーナGT、同年12月に装備を最大限簡素化したエコノミーとバリエーションを順次拡大しますが、ここでは増田屋がモデル化した800cc・2ドア・デラックスの初期型のカタログをメインに掲載します。




増田屋の箱に流用されたカタログ写真


ドリームランド?


ファミリーカーとは思えないスポーティーな木目ダッシュボードと3本スポークのステアリング


メッキ等の豪華装備を最大限削ぎ落したエコノミー(1965年12月)


セダンであるベルリーナより10ヵ月早い1963年4月デビューのコンパーノバン(下)とベルリーナデビュー翌年の1965年10月デビューのトラック。1960年代半ばのクラウン、コロナ、ベレット等と同様にセダンと同じ顔を持つバン/ワゴンとトラックが生産/販売されています。




●1964年~1967年 ダイハツ広報誌「月刊 CAR」より抜粋
ベルリーナデビュー半年後の1964年8月に創刊されたダイハツ広報誌「月刊 CAR」よりベルリーナがフィーチャーされた表紙や広告・記事を抜粋して掲載します。

1967年4月号中央折込カレンダーの増田屋ベルリーナ。よく見ると女性が手を載せたテーブル上に増田屋のベルリーナ紺色が置いてあることが判ります。




1965年1月号 表紙(明治神宮にて)


1966年1月号 表紙(京都・下鴨神社 楼門前にて)


1966年2月号 表紙


1964年8月号 浜辺のベルリーナ価格入り広告。値下げ前の発売時の価格が記載されています。


1965年2月号 日航機前のベルリーナ価格入り広告。上掲の広告より3万円値下げされています。


1965年3月号 船舶前のベルリーナ価格入り広告「いま話題の車ベルリーナ」


1965年12月27日 王貞治選手(1940年5月20日‐)がベルリーナモニターに との記事。当時25歳の王さん。


白木みのるさんとコンパーノスパイダー


1965年3月号「ベルリーナのうた」。作詞・作曲:三木鶏郎(1914年1月28日 - 1994年10月7日)、歌い子:面高陽子(後のジャズシンガー?)。ダイハツ提供テレビ番組「風雲真田城」で放送されている旨が記載されています。


歌詞


楽譜




★ダイハツ コンパーノの立体造形物
コンパーノの当時物モデルは少なく、ブリキは1/14増田屋製のみ、ミニカーは1/40大盛屋のみで何れも初期型ベルリーナをモデル化しています。他にはメーカーノベルティの全長173㎜・1/21スケール程度のスパイダーのアンチモニー製煙草入れが存在する程度です(通常のベルリーナの煙草入れは現存未確認)。プラモデルでは三共が発売予告をしたものの発売された形跡はありません。21世紀に入り、エブロが1/43スパイダーとベルリーナ2ドア(白・赤・薄青メタの3色)、書店売り国産名車で1/43と1/24のスパイダーが発売されています。



【増田屋1/14スケール 1964年ダイハツ コンパーノ ベルリーナ 主要データ】(1/14scale 1964 Daihatsu Compagno BERLINA Tinplate Model Toy by Masudaya KEY DATA)
・製品名: 「ダイハツ コンパーノ ベルリーナ デラックス」(Daihatsu Compagno BERLINA Deluxe)
・基本素材: ブリキ
・増田屋 品番(管理番号): フリクション3336、リモコン3359
・発売時期: 1964(昭和39)年9~10月(東京オリンピック/玩具見本市開催前後)
・販売価格: フリクション 不明(300円前後と推定)、リモコン 都内750円/全国800円
・全長:270㎜ (実車比:1/14.1スケール)
・全幅:100㎜ (実車比:1/14.4スケール)
・ホイールベース: 154㎜ (実車比:1/14.4スケール)
・ボディカラーバリエーション: 白、紺、白ルーフ/赤ボディ、白ルーフ/紺ボディ(フリクション仕様、リモコン仕様共通)
・リアナンバー文字のバリエーション: フリクション仕様 「コンパーノ ベルリーナ デラックス」と「3336」の2種、リモコン仕様「BERLINA」のみ。
・動力: 後輪フリクション
・シャシー再現: プロペラシャフト等 軽度にあり。
・特記事項: (1)ベルリーナ唯一のブリキ玩具 (2)製造は清水正雄氏 (3)リモコン仕様は右左折時にテールライトがウインカーとして点滅
・入手難易度: 10段階評価でレベル7程度
・2024年現在のアンティークトイ市場の推定評価額: フリクション9~15万円程度、リモコン6~9万円程度 (箱付ミントコンディションの場合)


●東京玩具商報1964年9月号に掲載 増田屋広告に新製品として掲載されたコンパーノ ベルリーナ(国立国会図書館の蔵書より複写)
「新製品」の文字と「現物は10月の第3回玩具見本市で」「年末用新製品」等の記載が見られます。フリクションとリモコンが同時に新製品として発売されたことが判ります。






●財団法人輸出玩具登録協会「NEW DESAGN」1964年10月25日号に掲載されたコンパーノ ベルリーナ リモコン仕様(同上)
意匠登録日は昭和39(1964)年9月3日、登録番号 第423号、意匠登録者は清水正雄氏、テールライトが点滅する旨等が記載されています。




●財団法人輸出玩具登録協会「NEW DESAGN」1965年5月25日号に掲載されたコンパーノ ベルリーナ POLICE リモコン仕様(同上)
意匠登録日は昭和40(1965)年5月6日、登録番号 第392号、意匠登録者は清水正雄氏、ルーフの赤色灯を点滅させ勢輪式?サイレンを鳴らしながら走行する旨等が記載されています。このポリスバージョンの現物は見たことがないため、この画像の試作のみで終わった可能性もあります。




●増田屋1/14スケール 1964年ダイハツ コンパーノ ベルリーナ 白 (フリクション仕様・箱無・小傷有るも遊ばれた形跡のない美品)






リアナンバー「3336」




1/40大盛屋との並び




左フロントフェンダーのエンブレム


実車通りにプリントされたダッシュボード


内貼りも再現された室内プリント


運転席シートバックに菱形にTMの増田屋商標


シャシー裏




●増田屋1/14スケール 1964年ダイハツ コンパーノ ベルリーナ 白/赤 (リモコン仕様・箱付・ホイールにメッキ落ち有るも遊ばれた形跡のない美品)






リモコン仕様のリアナンバー文字はBERLINA






シート/内貼りの色がフリクション仕様の薄茶から赤に変わっています。




シャシー裏


展示にも場所を取るリモコン仕様




●増田屋1/14スケール 1964年ダイハツ コンパーノ ベルリーナ 白/紺 (リモコン仕様・箱無・リモコン切断・美品)
40年以上前に入手した時点でリモコンが外されていた個体。遊ばれた形跡はなく綺麗です。






リアナンバー文字「BERLINA」






シート/内貼りの色は赤




シャシー裏。緑色のリモコンコードが切られています。




●増田屋1/14スケール 1964年ダイハツ コンパーノ ベルリーナ 3色の並び
紺単色のみ未入手ながら、画像の3台共に入手後30~40年前後の時が経っています。






大盛屋ベルリーナとの並び






●当時物 ダイハツ コンパーノ 3種の並び
大きい方から1/14増田屋、1/21ダイハツ特注煙草入れ(スパイダー)、1/40大盛屋。








【増田屋1964年 1/14 ダイハツ コンパーノ ベルリーナ その他のバリエーション】(ヤフオク出品画像より転載)

1)聖火コース18000キロ走破(1964年6月12日~9月22日)記念シール/宣伝ニュース付ダイハツノベルティの増田屋コンパーノベルリーナ
ヤフオク2024年1月8日、10万2010円で終了。




ボンネットに聖火コース走破のシールが貼られています。


鮮明な出品画像があるためシールの複製が出来そうです。








箱は通常品のままでバンダイ製ダットサン210富士号/桜号のような特注品を示す紙も貼られていません。




かなり色が焼けています。


「ダイハツせんでんニュース昭和39年11月18日号」が封入されています。



2)2023年10月31日に17万円で落札された箱付「白」
箱も本体も綺麗な状態。リアナンバーは「3336」。丸い当時の値札付でしたが残念ながらフリクション仕様の値段ではなくリモコン仕様の都内売価750円のスタンプがあり、恐らく玩具店で店頭に出す際にリモコン仕様の価格を間違えて付けてしまい、フリクションとしては高過ぎるために売れ残り後世に残ったものと推察。



3)2015年11月19日に17万6000円で落札された箱付「紺」


リアナンバーは「3336」




4)2017年5月28日に5万2050円で落札された箱無「白/赤」フリクション仕様
リアナンバーは「コンパーノ ベルリーナ デラックス」
 



【参考】大盛屋チェリカフェニックスPHE-41「1/40スケール1964年 ダイハツ コンパーノ ベルリーナ」のバリエーション
1977年秋に出版されたJMAC中島登会長のカラーブックス「日本のミニカー」には、1stモデル・フロントフォグランプ付1964年、2ndモデル・フォグなし1965年エコノミーとの記載があります。エコノミーは大盛屋倒産後の1965年12月に出たバリエーションですが、フォグなしはスタンダードも同じ顔であることから、フォグなし2ndモデルはエコノミーではなくスタンダードをモチーフとしたと考えるのが順当のように思われます。

保育社カラーブックス「日本のミニカー」のバリエーション写真


左:フォグ付、右:フォグなし


左:リアナンバーメッキ仕上げ、右:リアナンバーメッキなし











※コンパーノスパイダーの実車カタログについては2013年9月7日の自動車カタログ棚からシリーズ第172回記事をご参照ください。






★オマケ(その1): 童友社1/32スケール 1968年ダイハツP-5 プラモデルのバリエーション
1965年に登場したベルリーナ1000のエンジンをツインカム化して搭載したダイハツP-5のプラモ達をオマケに。詳しくは何れ項を改めてエブロ製のミニカ―等とも併せてご紹介したいと思います。

全て1/32の同じ金型ながら手元に3種類あり、1つは価格200円のリモコン仕様、残る箱絵の異なる2つはマジックモーター仕様で価格が150円と200円。






定価200円のリモコン仕様(ボディ成形色:オレンジ)


定価150円のマジックモーター仕様(ボディ成形色:オレンジ)


定価200円のマジックモーター仕様(ボディ成形色:何ともチープな黄色)


実車画像




★オマケ(その2): 今日のビートルズ「Please Mr. Postman」 1964
マーヴェレッツ(The Marvelettes)のオリジナルを上回る出来栄えのビートルズバージョン。リードボーカルのジョンの独特の声が何とも魅力的です。日本でシングルカットされた1964年から10年後の1974年にカーペンターズもヒットさせています。手元にあるレコードは東芝音楽工業オデオンレコード330円定価時代の赤盤(規格番号OR-1102)。発売から既に60年を経ている割にジャケットも盤も綺麗な状態です☆


ビートルズ ジャケット スラックス「お城のマークのノーブル・キャッスル」というのはビートルズ風衣装の販売広告のようです。


歌詞