★1967年ダイヤペット マツダコスモスポーツのバリエーション ~ 珍品コスモ ペダルカー | ポルシェ356Aカレラ

ポルシェ356Aカレラ

★20世紀の自動車カタログ、鉄道車輛カタログ、玩具・模型カタログ、ビートルズ、ショパン、ヴィンテージ・ポルシェ、草軽電鉄 etc


★首相の「反省」の文言削除
今年も天皇陛下は終戦記念日の全国戦没者追悼式で「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願う」旨の例年通りの御言葉を述べられていますが、2013年に当時の安倍首相が「いつまでも日本だけが隣国に謝罪し反省し続けるという自虐的な歴史観は如何なものか」といった考え方から先の大戦の加害責任を認めることとなる「反省」の文言を終戦の日の言葉から削除して以降、今年2023年も首相の言葉からは「反省」の文言が削除されています。
大勢の無抵抗の中国人の捕虜を後ろ手に縛り、戦場に行ってから躊躇せずに敵を殺せるよう度胸を付ける目的で行われたとされる、所謂、「刺突訓練」や731部隊のマルタ(捕虜生体)を使った大規模な人体実験といった日本軍の蛮行は、戦後78年の時が経ったからといって許され、もう反省や謝罪などする必要はないといった性格のものではなく、ナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺の蛮行と同様に永遠に記録に残し、二度と同じことが起こらないよう語り継いでいくべき事柄のように思えます☆☆

★閑話休題
ダイヤペットのバリエーションを見たいとの意見も頂いていることから、先週のギャランハードトップに引き続き今週もダイヤペットのバリエーションをご紹介します。今回はダイヤペット166番として発売されたマツダコスモスポーツ(前期型)のバリエーションをご紹介しますne☆☆☆


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★マツダ・コスモスポーツ
東洋工業(現マツダ)が社運を賭けて開発したロータリーエンジン搭載の市販車第1号。1963(昭和38)年の第10回東京モーターショーにまずエンジンのみが展示され、その年に会場で配布された東洋工業の総合カタログにはコスモスポーツのイラストが描かれていたものの実車の展示はされず、翌1964(昭和39)年の東京モーターショーで初めてプロトタイプが一般公開されています。それから更に3年近くの熟成期間を経た1967(昭和42)年5月30日、ロータリーエンジン搭載車としてはNSUスパイダーに次いで世界で2番目、2ローターエンジン搭載車としては世界初となるコスモスポーツが発売されます。小型軽量で高出力と電気モーターのような無類の滑らかさを誇る新たなパワーユニットに、その名のとおり宇宙からやって来た夢のようなデザインのボディを載せた2座スポーツカーでした。その現代の目で見ても尚未来的なエクステリア・デザインは当時東洋工業のデザイン部所属の小林平治氏によるものだったと言われます。僅か491cc×2の排気量ながら、性能的にはレシプロ2000cc級のスポーツカーと互角以上の性能を持っていました。

★マイナーチェンジと生産台数
コスモスポーツは1968年(昭和43年)7月にマイナーチェンジ され、ホイールベースが150mm延ばされ、フロントグリルの意匠を変更/拡大されています。排気量はそのままで最高出力は110PSから128PSにアップ、最高速度も185km/hから200km/hにアップし、トランスミッションは4速から5速へと変更され、タイヤも155HR15ラジアルが標準となり、クーラーもオプション設定されています。販売価格はデビュー時の148万円から158万円に10万円引き上げられ、月平均20台弱というスローペースながらも生産は続けられ、1972年(昭和47年)9月までに累計1176台が生産されています。内訳は約1年程度の生産に終わった前期型(型式L10A)が340台、マイナーチェンジ後の後期型(型式L10B)が836台でした。


【1967年マツダ・コスモスポーツ(型式L10A) 主要スペック】
全長4140mm・全幅1595mm・全高1165mm・ホイールベース2200mm・車重940kg・491cc×2ロータリーエンジン・最高出力110ps/7000rpm・最大トルク13.3kgm/3500rpm・乗車定員2名・最高速185km/h・標準販売価格148万円


●自動車ガイドブック 第14巻 1967~1968年版に掲載されたマツダ コスモスポーツ L10A型










【マツダコスモスポーツの立体造形物(当時物)】
マツダコスモスポーツはトヨタ2000GTと同じ1967(昭和42)年にデビューし、トヨタ2000GTと人気を二分するような国産名車のため、当時から現在に至るまでミニチュアモデルは夥しい種類がリリースされています。
当時物については、馬頭製作所のペダルカー、ダイキャストミニカーは1/40のダイヤペットと1/60のトミカ(近年の物は別金型)、ブリキは1/32の少々駄玩具的な造りで小ぶりなマジックモーター内臓の米澤玩具製、プラモデルは1/20の中村産業・ナガノ・ニチモ、1/24の日東、1/32の今井科学・童友社・クラウンモデル等多数がリリースされています。


●ダイヤペット1/40マツダコスモスポーツのバリエーション
166番のノーマル(ボディカラー違い7色以上)、192番の警視庁パトロールカー、259番の血液センター車、275番の帰って来たウルトラマン「マットカー」の4種があり、発売時期はノーマルが実車デビューの翌年1968(昭和43)年5月、最後に発売されたマットカーは1971(昭和46)年12月とされています(出典:1977年保育社発行カラーブックス中島登 著「日本のミニカー」)。ノーマル以外の品番モデルであっても裏板の品番は166番のままで替えられていません。

ダイヤペット カタログ1969~1970年版の166番コスモスポーツ


米澤玩具 綜合カタログ1969年版の166番コスモスポーツ


米澤玩具 綜合カタログ1972年版の166番コスモスポーツ。右下の売価が600円に上がっています。


米澤玩具 綜合カタログ1972年版の192番コスモスポーツ警視庁パトロールカー


米澤玩具 綜合カタログ1972年版の259番コスモスポーツ血液センター車(実際に市販された際の製品名とは異なる「コスモ輸血車」と記載されています)


手許のダイヤペット・コスモスポーツは1970年代から長年集めてきても、シート色違いを含む全バリエーションの漸く3分の1位が集まった感じでしょうか。






箱各種






1)No.D-166「ノーマルモデル」
1968(昭和43)年5月発売。当時定価550円~600円。ボディカラー:クリーム・白・赤・グレイ・金茶メタ・黄色・緑メタの7色等。シートカラー:クリーム・薄水色・赤茶・黒の4色等。ホイールバリエーション:プラ製白リボンリム・金属製リム・リムなしホイールの3種。前期のボディカラーはクリーム・赤・グレイの3色でプラ製白リボンリムのホイールを履き、シートカラーはクリーム・水色・赤・黒の4色が順列組合せ的にアトランダムに組付けられていたと思われ、全てのバリエーションを集めることは容易ではありません。箱はダイヤペット初期の被せ箱とその後1980年代に至るまで長く使われた透明ウインド箱の2種があります。
後期のボディカラーには茶金メタ・黄色・緑メタ・白の4色が加わり、ホイールは金属リム付となり、シートカラーは黒のみとなっています。更に白ボディには金属リムのないマットカーに使用された第3のホイールバリエーションが存在し、このホイールの場合にはヘッドライトも透明プラ製から金属メッキパーツに替わっています。


(1) 赤 (クリームシート・プラ製白リボンリム・被せ箱)












フル開閉アクション


10A型ロータリーエンジン(491cc×2)


室内にシートとハンドルのみだったアンチモニー時代とは異なり細かく造形されたダッシュボード


裏板



(2) グレイ (赤シート・プラ製白リボンリム・被せ箱)









(3) クリーム (黒シート・プラ製白リボンリム・ウインド箱)









(4) グレイ (薄水色シート・プラ製白リボンリム・ウインド箱)


リア右側に亀裂が発生しています。亀裂から塗装崩壊に進まないようにする方法はあるのでしょうか。ダイヤペットはダイキャストの質の関係からか、塗膜が浮き上がってブツブツ状のニキビが発生する個体も多いのがコレクションする上でのネックです。



(5) グレイ (黒シート・プラ製白リボンリム・ウインド箱)





(6) 金茶メタ (黒シート・金属リム2ndホイール・ウインド箱)





(7) 白 (黒シート・リム無3rdホイール・ウインド箱)
ホイールがリム無となり、ヘッドライトもクロームメッキの金属製に替わっています。




金属メッキのヘッドライト


リム無ホイール



(8) 黄色 (黒シート・金属リム2ndホイール・箱無)
この黄色と次の緑メタは、1977(昭和52)年9月15日(木)に吉祥寺・武蔵野八幡宮お祭りのテキ屋の露店でバッタ屋流れと思われる1970年代初め頃の箱無のダイヤペットが安価(300~500円)で大量に売られていた際に入手したもの。購入後、既に長い年月を経ていますが、黄色も緑メタも殆ど絶版ミニカー市場に現れないレアカラーと思います。





(9) 緑メタ (黒シート・金属リム2ndホイール・箱無)


黄塗りのテールライト



●グレイのシートカラー違い4種
手前右から赤・クリーム・薄水色・黒。




2)No.D-192「警視庁パトロールカー」
1969(昭和44)年9月発売。当時定価650円。ボンネット先端の三角黒塗り有無のバリエーションあり。金属リムの2ndホイールにウインド箱。










3)No.D-259「血液センター車」
1971(昭和46)年9月発売。当時定価650円。このモデルの発売から僅か3ヵ月後にマットカーが発売されたため再生産されず短命に終わったようです。金属リムの2ndホイールにウインド箱。










4)No.D-275「マットカー」
1971(昭和46)年12月発売。当時定価650円。発売後1年で25万台が売れたと言われるヒット商品ですが、子供の手に渡らず箱付美品で残っている個体は少ないと思います。他の品番とは異なるデザインの専用ウインド箱。画像の個体はリム無3rdホイールですが、ホイールバリエーションが計4種程度存在するようです。










【参考】キンバ コスモスポーツ F2型デラックス 子供用乗用自動車
玩具商報1968年12月15日号掲載の子供乗物自動車製造会社・(株)馬頭製作所のコスモスポーツの子供用ペダルカーの広告(国立国会図書館の蔵書より複写)。実車のような砲弾タイプのミラーまで付いています。現物は殆ど残っていない珍品。




コスモスポーツの国内版・実車カタログについては、2012年9月29日の「自動車カタログ棚からシリーズ」第62回記事をご参照ください。


コスモスポーツの輸出向け横尾忠則版・実車カタログとプラモデルについては、2022年2月26日の「自動車カタログ棚からシリーズ」第385回記事をご参照ください。






★オマケ(その1):2023年8月発売 トミカ新製品
8月19日(土)はトミカの新車発売の第3土曜日ということをすっかり忘れていて、21時近くになって「そう言えば今日はトミカの発売日だった・・」と思い出して近所の家電量販店に行くと、初回も含めて全て沢山残っていました。既に初回等限定品の複数入手は取り止めていますが、発売日も忘れる位なので、現行トミカを集める気力が以前に比べてなくなってきた感があります。今月の新製品は以下の通り。

・トミカ6番1/66マツダCX-60(通常品:エンジ、初回:白・各税込定価550円)
・トミカ8番1/57日産サクラ(ピンクメタ・税込定価550円)
・トミカ動物園セット(101番1/156スケール2006年日野セレガ「動物園パンダバス、31番1/110スケール程度 日産ディーゼル「ワニの親子積トラック」、14番1/57スケール2018年スズキジムニー「動物園巡回車」+動物園バス案内あざらし看板と標識2個入り・税込定価2200円)
・トミカプレミアム29番1/61スケール1978年マツダRX-7(SA22C型・明緑メタ・税込定価935円)
・トミカプレミアムunlimited12番1/60スケール程度 頭文字D RX-7 高橋啓介(FD・黄色・税込定価1320円)







往年のサファリセットのように将来珍重されるかどうかは判りませんが、今月のイチオシは個人的にはやはり動物園セットと思います。






★オマケ(その2): 今日のビートルズ「Do You Want to Know a Secret」 1963
ジョンの曲と言われると少々意外な感じのする1曲。ジョンが幼少期に母ジュリアに唄ってもらった曲に影響を受けて作った1曲と言われます。リードボーカルはジョージ。