★1967年コスモスポーツ輸出向け110S 横尾忠則 絶版プラモデル~自動車カタログ棚から385 | ポルシェ356Aカレラ

ポルシェ356Aカレラ

★20世紀の自動車カタログ、鉄道車輛カタログ、玩具・模型カタログ、ビートルズ、ショパン、ヴィンテージ・ポルシェ、草軽電鉄 etc


★ブースター接種
コロナワクチン3回目を昨日2月25日(金)夜に打ちました。近所の掛かりつけ医だと1・2回目と同じファイザーになりますが、3月中の予約は厳しいとのことでしたので、夜もやっている大規模接種センターに予約してモデルナを打ってきました。モデルナの方が副反応は強目との情報ですが、丸24時間を経過した現在、どうにも体がダルく37度台半ばの発熱です。ファイザー2回目では接種翌日に38度台後半の熱が出ていますが、打った部位が結構痛むのは1・2回目のファイザーではなかった症状です。熱の所為か現在、節々が痛み寒気がするのと、妙に眠いので解熱剤を飲んで今夜は早く寝ます。明日2月27日は出掛ける予定があるので、副反応、早く収まらないかなあ(;´・ω・)☆☆

★閑話休題
今日は「自動車カタログ棚から」シリーズ第385回記事として、横尾忠則氏による有名なマツダコスモスポーツ前期型の輸出向けカタログと当時物のプラモデルなどを駆け足でご紹介しますne☆☆☆ 


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★マツダ・コスモスポーツ
東洋工業(現マツダ)が社運を賭けて開発したロータリーエンジン搭載の市販車第1号。1963(昭和38)年の第10回東京モーターショーにまずエンジンのみが展示され、その年に会場で配布された東洋工業の総合カタログにはコスモスポーツのイラストが描かれていたものの実車の展示はされず、翌1964(昭和39)年の東京モーターショーで初めてプロトタイプが一般公開されています。それから更に3年近くの熟成期間を経た1967(昭和42)年5月30日、ロータリーエンジン搭載車としてはNSUスパイダーに次いで世界で2番目、2ローターエンジン搭載車としては世界初となるコスモスポーツが発売されます。小型軽量で高出力と電気モーターのような無類の滑らかさを誇る新たなパワーユニットに、その名のとおり宇宙からやって来た夢のようなデザインのボディを載せた2座スポーツカーでした。その現代の目で見ても尚未来的なエクステリア・デザインは当時東洋工業のデザイン部所属の小林平治氏によるものだったと言われます。僅か491cc×2の排気量ながら、性能的にはレシプロ2000cc級のスポーツカーと互角以上の性能を持っていました。

★後期型コスモスポーツ
1968年(昭和43年)7月にマイナーチェンジされ、ホイールベースを150mm延長し、フロントグリルのエア取り入れ口が拡大されます。排気量は同じながら最高出力は110PSから128PSにアップ、最高速も185km/hから200km/hに引き上げられ、トランスミッションも4速から5速へと変更されています。国内販売価格は148万円から後期型では158万円に引き上げられています。同じ1967年にデビューしたトヨタ2000GTの238万円より80~90万円安価だったとは言え、同年デビューの3代目クラウンデラックスMS50が100万円であったことを考えると庶民には手が届かない高額車であることに変わりはありませんでした。月産平均20台弱というスローペースながらも1970年代に入っても生産が続けられ、1972年(昭和47年)9月までに累計1176台が生産されています。内訳は約1年程度の生産に終わった前期型(型式L10A)が340台、MC後の後期型(型式L10B)が836台となっています。新車時に海を渡った数については情報が見当たらず不明です。


【主要スペック】 1967年マツダ・コスモスポーツ(型式L10A;輸出向け110S)
全長4140mm・全幅1595mm・全高1165mm・ホイールベース2200mm・車重940kg・491cc×2ロータリーエンジン・最高出力110ps/7000rpm・最大トルク13.3kgm/3500rpm・乗車定員2名・ゼロヨン16.3秒・最高時速185km/h・国内販売価格148万円


●月刊誌「模型とラジオ」1964年12月号表紙(B5判・112頁+)
科学教材社1964(昭和39)年12月1日発行。当時定価160円。東京オリンピックが開催された1964年の第11回東京モーターショーで初めて一般公開されたコスモスポーツの貴重なカラー写真(科学技術館前にて撮影)が表紙となっています。1967年5月の前期型デビューより2年半以上前の車両のため、市販車とはかなり異なるようです。


中頁には第11回東京モーターショーのグラフ記事。パブリカスポーツ=ヨタハチ、コスモ(テストカー)、フェアレディ1500(SP310)、初代シルビアその他が掲載されています。




●1967年9月発行 マツダ110S(輸出向けコスモスポーツ)本カタログ(縦260㎜×横260㎜・英文・表裏含め16頁)
1960年代の日本車のカタログで世界的に評価が高いのは、恐らくこの横尾忠則氏(1936年6月27日-)による輸出向けコスモスポーツ「マツダ110S」のものと思います。カタログに散りばめられた数々のPOPなイラストはサイケデリック・ムーブメント真っ盛りの1967年という時代の空気を秘めつつ、未来的なコスモスポーツの個性にピタリと合っています。当時、国内の普通のマツダ・ディーラーでは配布されていないため、流通数はかなり少ないと思います。


【中頁】









ロータリーエンジン解説


「GADZOOKS」「YIKES!」


「HOLY」「HOLY MACKEREL!」


有名なスーパーマンのパロディ頁。
「IT'S A BIRD!」(鳥だ!)
「IT'S A PLANE!」(飛行機だ!)
「NO!IT'S SUPER CAR!」(いや、スーパーカーだ!)




室内








性能曲線


図面&スペック






結び


裏表紙


NSU・ヴァンケルのライセンスである旨の裏表紙右上の印字


裏表紙中央下に印字された発行年月を含むカタログ番号の印字「B5’6709DE」




●横尾忠則マツダ110Sカタログの本物と復刻版
左:本物、右:復刻版。1984(昭和59)年に1960年代の国産絶版スポーツカーのカタログをカー&ドライバー誌がセットで復刻した際に縦207㎜×横210㎜の本物より判型が一回り小さな復刻版が出ています。復刻版は裏表紙右下に「複製」の印字があり、オリジナルの判型を知らずとも一目で復刻と判ります。


裏表紙


復刻に印字された、1984年11月「複製」の印字。判型も異なるため、厳密には複製とは言えません。





【参考1】平凡パンチ1972年1月24日号 表紙「横尾忠則とジョン&ヨーコ」
1971年12月16日撮影、横尾忠則Withジョン&ヨーコ。コスモスポーツ輸出向けカタログの制作から4年を経た横尾忠則&名盤イマジンをリリースした直後のジョン&ヨーコ。撮影時、ジョン31歳、横尾さん35歳。


平凡パンチの表紙となった写真の元画像




【参考2】米澤玩具1/32スケール1967年コスモスポーツ「ブリキ」東洋工業オフィシャル品
長130㎜・全幅50㎜・ホイールベース67㎜。箱サイズ:縦62㎜×横141㎜×厚さ40㎜。ほぼ正確に1/32にスケールダウンされています。ブリスター入りの通常品としても沢山売られた米澤製ブリキの東洋工業ノベルティ版。本体よりも箱が貴重です。










ロータリーエンジンのしくみ


ロータリーエンジンの特徴


シャシー裏。





【参考3】米澤玩具ダイヤペット275番1/40スケール帰ってきたウルトラマン「マットカー」マットビハイクル・コスモ
帰りマン放送当時に発売され、文字通り爆発的に売れたと言われるミニカーですが大半が子供のオモチャとして消費・消滅してしまい、箱付美品の現存数は少ないと思います。








POPな箱


版権シール付




裏板はノーマルのNo.D-166のまま




【参考4】トミカ75-1番 1/60スケール 帰ってきたウルトラマン「マットカー」マットビハイクル・コスモ
これも帰りマン放送当時に発売されて爆発的に売れた割には箱付美品の現存率の低いミニカーと思います。当時、定価で入手。遊んではいないので美品と思いますが、残念ながらシールは貼付済で少々黄ばみも発生しています。










版権シール付




裏板はノーマルのNo.16のまま



●円谷プロ創立40周年を記念した2004年の復刻版トミカ・マットカー(右)との比較








【参考品 2・3・4の並び】








【参考5】今井科学1/32スケール 前期型マツダ コスモ スポーツ プラモデル
KIT No.656。本体全長約125㎜。箱サイズ:縦120×横195×厚さ30㎜。当時定価100円。コスモスポーツの実車とリアルタイムに出たプラモデルは1/20の中村産業、ナガノ、1/32の今井科学、童友社、クラウンモデル等 沢山出ています。イマイ製は売れたキットながら、未組美品はあまり残っていないと思います。












組立説明書(縦212㎜×横297㎜・4つ折1枚)




【参考6】クラウンモデル1/32スケール 後期型マツダ コスモ スポーツ プラモデル
本体全長約130㎜。箱サイズ:縦120×横195×厚さ35㎜。当時定価100円~120円。クラウンモデルはあまり出来の良くないチープキットながら上掲のイマイより長期間販売されたらしく、画像のように箱違いが沢山あります。一番上のメッキパーツ付が初版(?)。






【参考7】童友社1/32スケール 前期型マツダ コスモ スポーツ警視庁パトカー プラモデル
本体全長約125㎜。箱サイズ:縦145×横245×厚さ30㎜。当時定価150円。マジックモーターカーシリーズの1台。白黒の塗分けはシールで表現する形となっています。当然ながらノーマルも発売されています。




マジックモーターカーシリーズ・ラインナップ




白黒塗分け用シール




【参考8】ナガノ1/20スケール 前期型マツダ コスモ スポーツ プラモデル
KIT No.3002‐350。本体全長約210㎜。箱サイズ:縦215×横261×厚さ52㎜。当時定価350円。組立途中の仕掛け品ながら幸い欠品はないようです。




組立途中




【参考9】中村産業1/20スケール・日東1/24スケール・童友社1/32スケール(ノーマル) 前期型コスモ スポーツ プラモデル(画像提供:henryコレクション)
左上:中村産業(ナカムラ)1/20、右上:日東(ニットー)1/24、下:童友社1/32ノーマル。


童友社1/32ノーマルの箱違い。2022年2月26日夜終了ヤフオク出品画像転載(落札価格30500円)




【参考10】1968年3月発行 マツダ ファミリア オリジナル 専用カタログ (縦255㎜×横240㎜・日本語・3つ折6面)
横尾コスモカタログと似たムードのサイケデリックなカタログ。装備を最小限とし価格を出来る限り抑え若者に買いやすくして、好きなようにモデファイしてもらおうという構想で生まれたグレードだったようです。




4ドアセダンと2ドアセダンのみでクーペボディの設定はなし。


ファミリア・ロータリークーペとも似たオリジナル専用の丸テール




※コスモスポーツの実車カタログについては、2012年9月29日の「自動車カタログ棚からシリーズ」第62回記事をご参照ください。






★オマケ(その1): 懐かしの商用車コレクションVol.31 1/43 スケール 1977年マツダニューポーターキャブ550「りんご園仕様」
2022年2月24日(木)発売の新製品。Spark/ダイキャスト製。税込定価1999円。左右で異なるミラーの取り付け位置や例によってリアルな荷台のりんごなど今回もそそられる出来です。




青森40ナンバー










★オマケ(その2): 今日のビートルズ「Here Comes The Sun」 1969
ジョージが親友クラプトンの家の庭で作った曲という逸話でも有名な1曲。この曲、高校生の頃によくギターを弾いて唄っていました。


最近、テープが出てきた1976(昭和51)年、高校生の頃の私の録音☆ギターは完コピに近い出来かも♡