★1959年米澤玩具オリエント金型流用の珍妙なキャブライト ~ブリキ自動車コレクションから188 | ポルシェ356Aカレラ

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★ゴールド免許がブルーに(;´∀`)
今年の誕生日は5年毎の免許更新のため、先日、早目に更新してきました。普段の通勤は電車で休日に出掛ける際も公共交通機関か5キロ程度までの距離であれば自転車で行くことが多いためクルマには殆ど乗らないのですが、前回の免許更新の翌年だったか、もう4年位前にたまたま数人を乗せて高速に乗る機会があり、高速に入るゲートに近づいたところで私が「高速は後席もベルトしないと違反になるのでベルトをお願いします」と言って後席の人がベルトを差そうとしたのと同時位にスローダウンしてゲートをくぐったところで突然白バイがゲートの陰から現れてクルマを止められ、いきなり、「後席の人!ベルト未装着ですよね??」と言われ、「今、ベルトしようとしたところです。」と抗議しましたら、「ゲートに1㎝でも入ったら高速道路ですから完全に違反です!」といった趣旨のことを少々強い口調で言われ、こりゃ抗議しても無駄だなと諦め、あえなく違反1点が付いてしまいました(;´∀`)
・・・で、違反が1点でもある場合の1時間講習受講となる免許更新は最寄りの警察では出来ないため、府中運転免許試験場まで行って更新してきたのですが、これから次の更新の2027年までの5年間、任意保険料などゴールド免許割引となっていたものが全て割引なしになってしまうと思うと何ともやりきれないというのが正直な気持ちです☆☆



★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第188回記事として 米澤玩具オリエオント金型流用の珍妙な初代キャブライトをご紹介しますne☆☆☆




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★初代ダットサン キャブライト
トヨエースの爆発的ヒットに影響される形で日産自動車はダットサン120トラックのシャシーにセミキャブオーバーボディを載せた廉価な小型トラックとして、1958(昭和33)年10月10日~20日まで後楽園競輪場で開催された第5回全日本自動車ショウ(後の東京モーターショー)にて初代キャブライト(A20型)をデビューさせています。信頼性の高いダットサンのエンジン/シャシーを使用し、初代トヨエースSKB型に範を取ったパイプで組んだ質素なシート等により徹底的なコストダウンを図り、当時の1トン積みクラスのオート三輪と同レベルの40万円を切る価格39万7000円で市場に投入されています。
最初のキャブライトが市販され路上に現れたのは実質的には1959(昭和34)年に入ってからとなり、その後、1960年型、1961年型(A120型)、1962年型(A121型)、1963年(A123型)とモデルイヤー毎に4回のMCを経て、1964(昭和39)年の春に丸味を帯びたキャブデザインに一新されたA220型2代目キャブライトにバトンを渡すまでの5年強に亘り生産/販売されています。MC毎にグリルを変更しているため、初代キャブライトには計5種類の顔が存在することとなります。

(※註)Wikipediaでは型式が3桁に替わった1961年~1963年のA120型~A122型を2代目キャブライトと整理/記載していますが、1963年のA122型までは基本的なキャブデザインの印象やシャシーが同じため、本稿では外板に手を加えたA120型をビッグマイナーチェンジと捉えA220型以降を2代目と解釈しています。こうした世代区分の問題は現行のフェアレディZを型式が34のまま変わらないためMCと捉えて良いか、1967年の市販開始後25年を経た1990年代前半に生産されたセンチュリーを初代のMC版と捉えて良いのかといった議論とも関連しますが、キャブライトについては外観の印象が一新されたA220からが2代目というのが筆者の解釈となります。



【カタログ/広報資料に見る初代キャブライトの変遷】

●1959年A20型


ボディバリエーション(ニッサングラフ1959年2月号より)



●1960年A20型



●1961年A120型
大盛屋がモデル化した年式。



●1962年A121型
ウサギヤがモデル化した年式。



●1963年A122型




【広報誌ニッサングラフに見る実用に供された初代キャブライトA20型の記録】

●幼稚園児とキャブライト
ニッサングラフ1959年2月号 表紙。





●上野モノレールとキャブライト
ニッサングラフ1959年4月号 表紙。





●東京都新宿区花園町「酒井電気工業」のキャブライト・ダブルキャブ
ニッサングラフ1959年2月号掲載。



●東京都世田谷区玉川「上野毛幼稚園のキャブライト幼稚園バス」
ニッサングラフ1959年2月号掲載。1回15名程度乗車できる旨が記載されていますが、子供とは言えキャブライトに15名も乗れたのでしょうか。児童置き去り事故を受けて2022年より安全装置の取付が義務化されることとなった園児送迎バスには長い歴史があります。



●奄美大島・名瀬市(現・奄美市)林バスのキャブライト・バス「愛称ベビー・バス」
ニッサングラフ1959年5月号掲載。道幅の狭い市内を走り回り大評判と記載されています。


乗車ドアは観音開きのようです。



●雪印乳業大阪支店に1959年2月28日に納入された5台のキャブライト配送車
ニッサングラフ1959年4月号掲載。



●お江戸日本橋・横山町の三洋タオル株式会社のキャブライト配送車
ニッサングラフ1960年3月号掲載。



●横浜市南区清水ケ丘「大満屋」のキャブライト・サンダル移動販売車
ニッサングラフ1960年8月号掲載。


サンダルの価格は130円、150円、170円と貼ってあり、現在の貨幣価値では10~20倍と考えると廉価品ではないようです。後方は横浜市電でしょうか。




【キャブライト現存車両】(髙村円淨氏より画像借用)

1959年A20型


1960年A20型


1962年A121型




【1959年 ダットサン キャブライト トラック A20型 実車 主要スペック】 (1959 Datsun Cablight Truck Type.A20 Specifications)
全長3720mm・全幅1603㎜・全高1800㎜・ホイールベース2220㎜・荷台長2020㎜・車重850kg・FR・B1型水冷直列4気筒SV860cc・最高出力27ps/4200rpm・最大トルク5.3kg/2400rpm・変速機フロア3速MT・電装系6V・乗車定員2名・最大積載量850㎏・最小回転半径5m・シャシー打刻開始番号A20-9-00001・最高速度75km/h・販売価格39万7000円



●東京玩具商報1962年8月号 ウサギヤ 1962年キャブライト トラックA121型 広告 (国立国会図書館の蔵書より複写)
今回の記事でご紹介するオリエントAB型三輪トラックの金型を流用して無理矢理造られた米澤玩具のキャブライトとは異なり、きちんと1962年型キャブライトが造形されたウサギヤ製品。売価160円と記載されています。この広告を1990年代初頭に国会図書館で発見してから2022年現在既に30年以上経ちますが、状態を問わず売り物は一度も見たことがないため、レア度は非常に高いと思います。現物が手元にないため、正確な数字は不明ですが大きさはブリキ自動車の標準20~25cm前後と思います。大盛屋がフリクションシリーズでリリースしたのは1961年のA120型だったため、唯一の1962年型立体造形物ということになり大変貴重な存在です。



●ウサギヤ1962年キャブライト トラック (Yコレクション)
Y氏所有のこの個体以外には現物を見たことがなく、箱付美品がひっそりどこかに現存している可能性もゼロではないものの入手難易度は最高ランクと思います。ウサギヤ製品は、1962年型キャブライトのグリル意匠を正確に再現し、フロント前端にはCABLIGHTのレタリングの入ったメッキパーツ、リアナンバーにはCABLIGHTのレタリングがプリントされているなど、なかなか魅力的なディテールを備えています。








【米澤玩具(ヨネザワ) 1/19スケール1959年ダットサン キャブライト トラック ブリキ玩具 主要データ】(1/20scale 1959 Datsun Cablight Truck Tinplate Toy by Yonezawa Toys)

・基本素材: ブリキ
・米澤玩具品番(管理番号): 不明
・製品名: 不明(但し、Cablightを含む品名)
・発売時期: 1959(昭和34)年頃
・販売価格: 不明
・全長: 200㎜ (実車比1/18.6)
・全幅: 85㎜ (実車比1/18.9)  
・全高: 85㎜ (実車比1/21.2) 
・ホイールベース: 110㎜ (1/20.2)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 不明
・動力: 前輪フリクション
・カラーバリエーション: 朱赤/灰色、緑/空色、黄緑/緑 等
・その他のバリエーション: フロントグリル2種、荷台横Cablightレタリングの有無、幌の有無 等
・シャシー再現: プロペラシャフトとデフの表現はオリエントAB型と同一
・特記事項:キャブ上廻り、運転席、鳥居、荷台床面、床下パーツは同じ米澤のオリエントAB型三輪のパーツを流用して造られており、この製品が販売された時期のキャブライトの実車には全く似ていない製品。丸味を帯びてストンと落ちる前面の造形は同じ日産のトラックであれば初代キャブオールの方が近いにも関わらず、CabLightとして市販された経緯は不明。以上のような事情があるため、上記スケールに関する情報はあまり意味がないと言えます。
・入手難易度: 10段階評価でレベル9~10程度
・2022年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額: 15万円~(箱付未使用美品の場合。但し、箱付の現存は未確認。)



●米澤玩具(ヨネザワ) 1/19スケール1959年ダットサン キャブライト トラック幌付 緑/空色(幌など欠品多数・傷有・箱無)
幌、テールライト部のパーツ、フロントエンブレムが欠品(画像のエンブレムはリプロ)ながら、存在自体が貴重な幌付キャブライト。幌付の個体は状態を問わずこの手元に在るもの以外は見たことがないため元々付いていた幌の意匠は不明です。Datsun CabLightの赤文字を左右に入れた灰色の布製幌を自製して取り付けるのも一興かなと考えています。














大盛屋F-18番1961年式キャブライト(全長約9cm)との大きさ比較






オリエントと同じ運転席のプリント




鳥居と荷台上面はオリエントと同一パーツ


シャシー裏も後ろ半分はオリエントと同じ。




●米澤玩具(ヨネザワ) 1/21三井精機工業オリエントAB型三輪トラック と1/19スケール1959年ダットサン キャブライト トラックの比較
一見してキャブ上廻りや鳥居/荷台上面がオリエントAB型と同じであることが判ります。荷台の外板とキャブ下廻りはオリエントとは別のパーツを付けて4輪トラックに仕立て上げられています。CabLightの実車とは全く似ても似つかない何とも珍妙な製品ながら、長い歳月を経ているためか妙に魅力を感じます。






荷台上面も同じ








鳥居と荷台上面のパーツは同一






●北原コレクションの米澤玩具1/19スケール1959年ダットサン キャブライト トラック 朱赤/灰色
1994(平成6)年9月に今は無き恵比寿のミスタークラフトでブリキ自動車をメインとする北原コレクション展が開催された際等の画像。朱赤/灰色のツートンカラーは米澤のオリエント三輪と同じカラーリング。メッキパーツには少々傷みがあり元箱はないようです。








●ヤフオクに現れた米澤玩具1/19ダットサン キャブライト トラック 楕円グリル 黄緑/緑 (右後輪など欠品多数、傷有・箱無)
よく見かけるマルサンのヂャイアント三輪ダンプのジャンクと2台セットで宮城県の人が出品し、2022年10月12日(水)に2万9500円で終了。2台共に4輪中1輪が欠品。この状態でも入札履歴を見ると3万円近くまで3人が入札、3人全員がキャブライト狙いと思われます。荷台左右にCabLightのレタリングと荷台後部にINTER CITY SERVIES(都市間サービス)のレタリングが入り、フロントグリルは見たことのない楕円形のパーツが付き、更にフロント左右にはスモール/ウインカーパーツが付けられています。INTER CITY SERVIESのプリントからすると元々国内販売より当時のメインであった海外輸出をメインに考えて造られた製品だったと推察できます。




楕円形グリル


荷台左右にCab Lightのプリント






右後輪欠損




【参考】大盛屋フリクションシリーズF-18番1961年ダットサンキャブライトのカラーバリエーション(画像提供:henry collection)
大盛屋のキャブライトは箱付美品は20~30万円超の高値安定の人気モデルとなっています。紫/白ツートンはかなりのレアカラーと思います。カラーブックス「日本のミニカー」等では1/40とされていますが、実測値は1/43スケールに近いようです。




※米澤玩具1958年オリエントAB型三輪トラックについては、2020年11月8日の「自動車カタログ棚からシリーズ」第98回記事をご参照ください。






★オマケ(その1): 懐かしの商用車コレクション Vol.48 1/43ホンダTN360郵便仕様1969年
2022年10月19日(水)発売新製品。spark/ダイキャスト製。税込定価2299円(画像の人形は付きません)。








これは、やはりトミカ20-1のホンダTNⅢ郵便車と並べて飾りたくなります。




11月2日(水)発売の次号はFR最後の1977年にデビューしたファミリアAPバンの「桃屋サービスカー仕様」。




★オマケ(その2): 2022年10月22日 第47回日本鉄道模型ショー
京急蒲田駅前の大田区産業プラザ(PIO)にて2022年10月22日(土)・23日(日)に3年ぶりに開催され、初日に行って来ました。午前10時開始の15分位前に会場に着くと既に100m位?の長蛇の列。コロナ対応で来場者1人ずつが氏名と電話番号を書いてから入場する形を採っていたため、会場に入るまで30分位掛かりましたが、お昼前に会場を後にする際にもまだ長蛇の列で大盛況という印象でした。Nゲージよりも16番やOゲージの出展が目立つイベントで個人的には16番の新製品よりも1970年代以前の中古品の安価な掘り出し物を期待して行ったのですが、古いモノの販売は少なく、古いモノがあってもプレ値で売っているところばかりで収穫はなしでした。




入場料1200円を払うと貰えるイベント・プログラム(A4判・38頁)。今回は列車の愛称名特集。


会場入口まで続く長蛇の列


相当な混雑ぶりです。


今回のイベントの一番の収穫は、このモデルキングダム&鉄重コラボレーションモデル1/80スケール16番151系こだまクロを含む12連。限定1編成で税込165万円。クロ151の区分室に雑誌まで置かれた驚異的な造り込みがされた実物を見るとフルスクラッチでもあり165万は高くはないと感じました(買えませんが、汗)。




税抜150万円




よく見るとクロ151の区分室には雑誌まで置いてあります。


クロ151-3


サシ151-3。食堂車内部も凄い造り込みです。


ビュッフェ



アメブロでも有名な幌歌内さんのブースでは、朝イチでいすゞBX41型ボンネットバス(エコーモデルベースの完成品12万)といすゞTX日通トラック(津川洋行ベースの完成品5万)が売れたと伺いビックリ。欲しいモノは朝早くから並ばないとダメなのですね。


いすゞBXとTX日通は残念ながら現物を見る前に完売御礼。




★オマケ(その3): 今日のビートルズ「Come Together 」 1969
1973(昭和48)年、実は中2でアビイ・ロードに初めて針を落としてA面1曲目のこの曲を聴いた時は、「変な曲!」という第1印象だったのですが、聴き込むとドラムもギターもベースもクールなジョンのボーカルも最高にカッコイイ曲ですyone☆♡