★1961年旭玩具 縦目セドリックバン 大盛屋 ~ ブリキ自動車コレクションから 072 | ポルシェ356Aカレラ

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★都内1日の新型コロナ感染者数
2020年6月24日が55人、6月25日が48人と少々多いなあと思える数で推移しています。
過去1ヵ月間、感染者が1人も出ていない県も多数ある一方で東京の感染者数だけが突出しています。もし、東京ナンバーのクルマで山形や岩手や秋田といった感染者がゼロや少ない県に行った場合には、東京ナンバーを見ただけでも嫌がられるなんてことにもなりそうです。
術後4週となる来週以降、仕事に復帰できる見込みです。しかし、術後3ヵ月程度までは自動車や自転車の運転は不可のため、安全な自動車通勤は出来ず、今、都内で電車通勤をするのは感染リスクを考えると心配です。まだ肺の機能が元に戻っていない状況のため、万が一にも感染したくはないのですyone☆


★閑話休題
平日に更新できるのも今週で終わりになると思いますが、今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第72回記事として、旭玩具のブリキ製縦目セドリックバンをメインに当時物の縦目バン/ワゴンのブリキ/ミニカーをご紹介しますne☆☆☆


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★1960年(昭和35年)4月1日に発売された初代セドリックには、発売から約1年後の1961年(昭和36年)3月に商用車セドリックバンが追加されています。
初代セドリックに特徴的な左右に回り込んだラップアラウンドのフロントウインドを始めとして派手で堂々としたアメリカンテイスト満点のセドリックをバンボディに改変したエクステリア・デザインは魅力的なものでした。バンのホイールベースはセドリック・デラックスと同じながら積載スペース確保のため、240㎜ボディ全長が延長され堂々たるアメリカンテイストの商用モデルとなりました。

★縦目MCとワゴンの追加
セドリックバン・デビュー半年後の1961年(昭和36年)9月には縦目ヘッドライトのままフロントグリルの意匠を変更した1962年型となり、同時に1900cc88psエンジンを搭載し3列シート8名乗りの5ナンバー車「エステートワゴン」も追加されています(3列目シートは進行方向と逆の後ろ向きに座るレイアウト)。


●最新自動車読本1961年4月号 表紙 (B5判・108頁) 
ベースボール・マガジン社/1961年4月25日発行。表紙は晴海埠頭で撮影されたデビューしたばかりのセドリックバン。新型の商用車が一般向け自動車雑誌の表紙を飾るというのは現代では考えられないことかもしれません。神=神奈川の仮ナンバーを付けています。



●1961年3月 セドリックバン 実車カタログより

横浜港でしょうか。




後ろに横浜工芸家具の看板が確認できます。



●1961年9月 セドリックエステートワゴン 実車カタログより
ワゴンは1962年式へのMCと同じタイミングでデビューしたため、1961年初期型のワゴンは存在しないにも関わらず、米澤玩具と高徳は実車には存在しない1961年型グリルのワゴンを製品化しています。


3列目シートは後ろ向き乗車


5ナンバー


セダン同様に丸型2連メーターを配した運転席周り



●1962年4月 セドリックバン 実車カタログより
1961年9月MCの1962年前期型でフロントグリルがこの少々複雑な意匠となり、更に翌1962年春にはヘッドライトの上に庇の付いたこの1962年後期型に変更されています。






【1961年 日産セドリックバン V30型 実車主要スペック】 (1961 Nissan Cedric Van Type.V30 Specification)
全長4650㎜・全幅1680㎜、全高1540㎜・ホイールベース2530㎜・車両重量1300kg・FR・G型水冷4サイクル4気筒OHV1488cc・最高出力71ps/5000rpm・最大トルク11.5kgm/3200rpm・変速機4速コラムMT・乗車定員/積載量:3名/500kgまたは6名/400kg・シャシー打刻開始番号:V30-1-00001・最高速度125km/h・販売価格78万円(頭金26万円、残金12ヵ月払いの月賦払い有)



【旭玩具製作所1/17.5スケール 1961年 日産セドリックバン ブリキ玩具 主要データ】 (Asahi Toy 1/17.5scale 1961 Nissan Cedric Van Tinplate Toy)

・基本素材: ブリキ
・旭玩具製作所 品番(管理番号): ノーマルNo.3587・アンビュランス(赤十字車)No.3695
・発売時期: ノーマル1961年(昭和36年)11月下旬・アンビュランス1966年頃(?)
・販売価格: ノーマル都内250円/全国270円・アンビュランス都内300円/全国330円
・全長267㎜ (実車比:1/17.4スケール)
・全幅96㎜ (実車比:1/17.5スケール)
・全高84㎜(実車比:1/18.3スケール)
・ホイールベース145㎜ (実車比:1/17.4スケール)
・ボディカラー: 薄緑/草色・クリーム/茶メタ・クリーム/青メタ・白(アンビュランス)
・動力: 前輪フリクション
・ギミック: リアウインド昇降及びリアゲート開閉
・箱サイズ: 縦100×横277×厚さ85㎜
・箱のバリエーション: ノーマル、アンビュランス 各1種類
・シャシー再現:軽度にあり
・入手難易度: 10段階評価で7程度
・2020年現在のアンティークトイ市場の推定評価額: 8~15万円程度(ノーマル、アンビュランス共に箱付未使用美品の場合)

※註)1/17.5スケールは全幅比。


★初代縦目セドリックバン/エステートワゴンの立体造形物
リアルタイムの製品としては、旭玩具製作所より1/17.5スケールのバン、米澤玩具より全長300㎜×全幅110㎜の1/15スケールのワゴン、高徳より全長196×全幅75㎜の1/22スケールのワゴンの都合3種類のブリキ玩具がリリースされ、ミニチュアカーとしては大盛屋チェリカフェニックスシリーズ2番としてアンチモニー製1/40スケールの1961年式及び1962年式のバンが発売されています。
近年になりエブロ及び大盛屋をオマージュしたアンチモニー製のブリリアントモデルより縦目バン、書店売り国産名車Vol.87(ノレブ)として横目バン唯一の1/43スケール・ミニカーが市場に出ています。


●東京玩具商報1961年12月号 旭玩具 広告(国立国会図書館の蔵書より複写)
セドリックバンが製品画像に価格記載入りで掲載されています。発売は11月下旬と明記されています。



●旭玩具製作所1962年総合カタログ日本語版より
セドリックバンは品番3587と記載されています。



●アサヒ玩具1968年総合カタログ日本語版より
セドリックバン・アンビュランスは品番3695と記載されています。




★旭玩具1/17.5スケール1961年セドリックバン 薄緑/草色
各社が競ってモデル化した1960年4月デビューの初代セドリック・セダンは旭玩具ではモデル化せず、セダンより1年遅れで登場したバンだけを製品化しています。実車の印象把握も秀逸でスケールモデルとして見ても出来の良いモデルです。










下箱には京王百貨店250円の値札シールが残っています。




リアゲート開閉




箱絵には1962年型が描かれています。


手前は大きさ比較用1/40スケール大盛屋(全長105㎜)




正確な運転席周りのプリント




シャシー裏




★旭玩具1/17.5スケール1961年セドリックバン クリーム/茶メタ










手前は1/40大盛屋






★旭玩具1/17.5スケール1961年セドリックバン アンビュランス(赤十字車)
ノーマルが絶版となった後の1960年代後半になって救急車に化粧直しされて市場に出たモデル。1960年代末頃まで発売されていた製品と思われ、しかし、発売が遅かった割には箱付未使用品は殆ど見かけません。












箱には日本語表記なし




★米澤玩具1/15スケール1961年セドリックワゴン
米澤玩具品番:No.1096。サイズ:全長300㎜×全幅110㎜。リアウインド開閉アクション付。入手難易度:10段階評価でレベル9~10。2020年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額:18~35万円程度(箱付未使用美品の場合。以前、この米澤製セドリックバンの箱付を100万で売っているのを見かけて欲しいけれどちょっと高いなあと迷っていたら売れてしまったことがあります。しかし、珍しいとは言え、出来からすると妥当な評価額は個人的には精々35万円程度のものと思います)。
実車ではMC後の1962年式になって登場したワゴンを1960年縦目セダンの金型を使って急造されたモデルで、ルーフ部分はアメ車ワゴンのパーツを流用して無理矢理ワゴン化されたように見えます。






リアウインド開閉




手前は1/40大盛屋




運転席周りのプリント


シャシー裏


ボロボロであっても稀少な箱。箱絵も実車のワゴンには存在しない1961年式が描かれています。




★高徳(タカトク)1/22スケール1961年セドリックワゴン
高徳品番:不明。サイズ:全長196×全幅75㎜。入手難易度:10段階評価でレベル9~10。2020年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額:4~9万円程度(箱付未使用美品の場合)。木目のサイドパネルなどアメリカン・テイストに溢れています。ルーフの金型は上掲の米澤同様にアメ車のパーツを使用して無理矢理ワゴン化された製品のように見えます。








箱絵もワゴンの実車には存在しない1961年式が描かれています。


手前は1/40大盛屋




ハンドルはプリント、しかも左ハンドル。アメ車ワゴンの室内をそのまま流用したのかもしれません。






★大盛屋チェリカフェニックス2番1/40スケール1961年/1962年セドリックバン
1962年(昭和37年)4月発売。アンチモニー製。当時定価:320円。旭玩具の縦目バンと並びリアルタイムに作られた縦目セドリックバンの傑作。1962年式の2ndモデルは販売数が非常に少ないと言われる稀少品ながら、62年式縦目バンの姿を偲ぶことの出来る唯一の存在。2020年現在のビンテージミニカー市場での推定評価額:1st 7~9万円程度、2nd 20~35万円程度(何れも箱付未使用美品の場合)。




左:1961年、右:1962年




★当時物 縦目セドリックバン/ワゴン大集合!!!








※初代セドリックバン/エステートワゴンの実車カタログについては、2013年7月26日の「自動車カタログ棚からシリーズ」第157回記事をご参照ください。





★オマケ(その1): 1963年1月 東京カメラある記「No.160 新しい道路づくり-放射4号線-」
企画:東京都、制作:東京都映画協会。映像提供:公益財団法人東京都歴史文化財団。冒頭1:33位のところで縦目セドリックバンの姿も確認出来ます。




★オマケ(その2): マジョレット(魔女)-カバヤ-model cars 日本車セレクション
平日朝、近所のスーパーに行きましたら、売り場に出したままの手付かずの状態でありました。ダルマセリカ2色(一番人気の黄色いセリカだけ2台購入♪)、ランクル2色、ニッサンGT-R 2色を取り敢えず入手♪税抜1台420円なので、トミカより若干格安にも関わらず、トミカより一回り大きく(概ね1/55前後)、開閉部分もあってお買い得な感じがします♪










★オマケ(その3): 今日のビートルズ「Till There Was You」1963
1963年11月4日・イギリス王室主催「The Royal Variety Performance」のライブ。前振りで21歳のポールが軽くジョークをかましてます。オリジナルより有名なビートルズによるカバーの一つ。ポールの甘い唄声はこの曲に合っていますyone♪