★1966年アサヒ玩具 三菱コルト1000F ~ ブリキ自動車コレクションから 073 | ポルシェ356Aカレラ

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●新型コロナ東京の1日の感染者数
50人オーバーと相変わらず少し多いと感じる数が続いていますが、7月になり暑くなって感染者数増加のスピードが遅くなると良いですよね。術後3ヵ月間は自動車の運転だけでなく、自転車に乗ることも止められているため最寄駅まではバスに乗ります。大勢の人との接触は出来るだけい避けたいところですが、通勤でバスや電車に乗ることが避けられない状況ではなかなか難しいですよね。そもそも、ウン億の貯金があるとか経済的に仕事をしなくてもよい状況なら、現在の肺機能も落ちている体調で感染リスクのある通勤はしないと思います☆☆

●トキメキの戻り
術後はずっと綺麗な女性を見ても眼中になしというか、まるでトキメかなかったのがトキメくようになってきました。トキメキって、健康のバロメーターですyone♪
ピアノ、ギターといった楽器も少しずつ弾いていますが、段々元の感覚が戻ってきた感じです☆☆


●閑話休題
明日6月29日(月)以降、仕事に復帰すると平日更新は出来なくなる見込みのため、今日は6月最後の記事です!「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第73回記事としてアサヒ玩具の三菱コルト1000Fをご紹介しますne☆☆☆ 



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★三菱コルト1000とコルト800
1963年(昭和38年)7月発売の三菱コルト1000は名古屋市・大江の名古屋自動車製作所および京都市の京都製作所を中心として開発され、コルト1000の発売から2年4ヵ月後の1965年(昭和40年)11月発売のコルト800は、往年のオート三輪「みずしま」の開発/生産拠点であった岡山県の水島自動車製作所で開発されています。 
同じ旧・新三菱重工系でコルト1000とコルト800が別々に開発され生産されたことは、排気量も近い近似クラスの乗用車で社内競合も必至であったのに水島と名古屋とで物的/人的資源を拡散させて別モデルを開発という二重投資が許されてしまったことと三菱の工場毎の独立性が極めて強く全社的な視点のなかった1960年代の三菱重工業の硬直化した体制を露呈した事案であったとする意見があるものの、両車の発売開始時期は上記の通り2年以上の時間差が存在したこと、オーソドックスなセダンであったコルト1000に対しコルト800は当時流行のファストバック・スタイルを採用した個性派であったことなどから、2車の併売は必ずしも失策であったとも言えないのではないでしょうか。

★ファストバック・スタイル
三菱コルト800は世界的な流行の兆候が見られたファストバック・スタイルを身に纏って発売されました。
しかし、コルト800の開発開始時点ではフォルクスワーゲン1600TL、ルノー16、フィアット850クーペといった世界的に有名なファストバック車は発売前であったため、元々、他車を参考にせず三菱独自にデザインが纏められたとも言われます。当初の800ではコストダウンと保守整備の容易性を狙い水冷2ストローク3気筒843cc45HPエンジンが搭載されましたが、2ストを敬遠し、やはり4気筒がよいとする顧客も多かったため、800の発売から10ヵ月後の1966年9月には4ストローク4気筒OHV977cc55HPを搭載したコルト1000Fが発売されています。その後もコルトのファストバック車はボディタイプ(2ドア/3ドア/4ドア)・エンジン・車名に至るまで目まぐるしい変遷を経て、1971年(昭和46年)秋まで生産が継続されています。旧車イベントでその姿を見ることは稀であり、年式を問わず比較的現存車両の少ない国産旧車と言えます。


【三菱コルト800/1000F/1100F/11Fの変遷】

・1965年11月: 岡山県・水島製作所初の小型乗用車として発売(プレス発表は10月)。
・1966年9月12日: 1000ccの1000Fを発売(Fはファストバックの略)。従来の800も平行生産。
・1967年12月1日: 1000Fのリアにハッチバックドアを加えた3ドア発売(プレス発表は10月18日)。
・1968年8月12日: 1000F4ドア、1100F 2/3ドア/スポーツ追加。
・1968年11月20日: スポーティバージョン1100Fスーパースポーツ〈73ps〉追加(プレス発表は10月8日)。
・1969年5月20日: 1100Fを11Fに車名変更。
・1969年11月: 11Fスーパースポーツのみ車名を11-SSに変更(プレス発表は10月15日)。
・1971年10月: 11F/11-SS販売終了。ファストバックシリーズの累計生産台数は17万6326台。


●1966年9月 三菱コルト1000F 実車カタログより
1000Fの初期型はバッチ類が800から1000Fに替えられただけで、内外装は基本的に800と同じ意匠。




ダッシュパネルも助手席側のColt800のレタリングがColt1000Fに替えられた以外は変更なし。



●1968年8月 三菱コルト1000F 4ドア/3ドア/2ドア実車カタログより
こんなに異なるボディを沢山作って(更に商用車のバンとピックアップもあり)、採算は合ったのでしょうか。



●1969年11月 三菱コルト11-F 実車カタログより
俗にSEXYカタログとも言われるファストバック最終版(本カタログ及び簡易カタログの抜粋)。1960年代末のムードに溢れています。この年式では2ドアと3ドアのリアサイドウインドを分割していた縦の仕切りがなくなりサイドビューがスタイリッシュになっています。









【1966年 三菱コルト1000Fデラックス 実車主要スペック】 (1966 Mitsubishi Colt1000F Deluxe Specification)
全長3650㎜・全幅1450㎜、全高1390㎜・ホイールベース2200㎜・車両重量745kg・FR・KE43型水冷4サイクル4気筒OHV977cc・最高出力55ps/6000rpm・最大トルク7.5kgm/3800rpm・圧縮比8.5:1・変速機フルシンクロ4速コラムMT・乗車定員:5名・最小回転半径:4500㎜・タイヤサイズ:6.00‐12, 4PR・最高速度135km/h・東京店頭渡価格47万3000円



【アサヒ玩具1/14.5スケール 1966年 三菱コルト1000F  ブリキ玩具 主要データ】 (Asahi Toy 1/16scale 1966 Mitsubishi Colt1000F Tinplate Toy)

・基本素材: ブリキ
・アサヒ玩具 品番(管理番号): ノーマルNo.3824・アンビュランス(赤十字車) 不明
・発売時期: ノーマル1967年(昭和42年) 2月?・アンビュランス1968年?
・販売価格: ノーマル都内300円/全国330円・アンビュランス 不明
・全長255㎜ (実車比:1/14.3スケール)
・全幅100㎜ (実車比:1/14.5スケール)
・全高95㎜(実車比:1/14.6スケール)
・ホイールベース150㎜ (実車比:1/14.6スケール)
・ボディカラー: アイボリー・赤・青・白(アンビュランス)
・その他のバリエーション: フロントスモールライト等メッキパーツの多い1stモデルとコスト削減のためパーツを大幅に減らした2ndモデル、2ndモデルベースのアンビュランス仕様、フェンダーミラー素材にプラ製とポリ製
・動力: 後輪フリクション
・箱サイズ: 縦105×横260×厚さ95㎜
・箱のバリエーション: ノーマル、アンビュランス 各1種類
・シャシー再現: 殆どなし
・入手難易度: 10段階評価で8程度
・2020年現在のアンティークトイ市場の推定評価額: 10~16万円程度(ノーマル、アンビュランス共に箱付未使用美品の場合)

※註)1/14.5スケールは全幅比。


●東京玩具商報1966年10月号 アサヒ玩具 広告(国立国会図書館の蔵書より複写)
実際に発売されたコルト1000Fではなく、コルト800として掲載されています。まだ製品写真ではなく、価格も実際の売価より30円高く記載されています。



●アサヒ玩具1967年総合カタログ英語版に掲載されたコルト
これもまだ製品写真ではなく、製品番号3824のコルト800スポーティデラックスとして掲載されています。



●アサヒ玩具1968年総合カタログ日本語版に掲載されたコルト
製品写真となり、製品番号3824、実際に発売されたコルト1000ファーストバックの名称で掲載されています。



●財団法人輸出玩具登録協会「ニューデザイン」1967年6月25日号(通巻73号)に掲載されたアサヒ玩具コルト1000F(国立国会図書館の蔵書より複写)
昭和42年(1967年)2月20日付で意匠登録されています。




●アサヒ玩具1/14.5スケール 1966年 三菱コルト1000F アイボリー (2ndモデル)
1990年代の半ば、札幌出張の折に立ち寄ったアンティークショップで見つけたデッド品。何でも札幌のテレビ局の倉庫に長年眠っていた品物との話でした。1990年代初頭に国会図書館に通い詰めて調べた東京玩具商報等の広告でこのモデルが存在することは知っていたものの、メッキパーツがかなり省略された2ndモデルながらも箱付未使用の現物を初めて札幌で見た時には感動で胸が震えました。室内助手席側ダッシュパネルのプリントは開発当初のColt800のまま、1stモデルに於いてはリアフェンダー左右後端の実車ではColt1000f文字が入る箇所に「f」が欠落したColt1000のバッチが付きます。












コルト1000Fはスポーツカーではないにも関わらず、上箱右上に「World sports car series」の印字。


手前は大きさ比較用1/40ダイヤペット(全長9cm)


運転席周りのプリント。助手席側には製品開発当初の「Colt800」の文字が入り、実車のMCに合せ急遽1000Fとして発売されたことが判ります。




リアトレイにはサンタ印のATCアサヒ玩具ロゴに加え、本やカバンがプリントされています。


シャシー裏


工場出荷時のミラー保護等の緩衝材も残るデッドストック




●アサヒ玩具1/14.5スケール 1966年 三菱コルト1000F 赤 (1stモデル)
21世紀に入って青森の玩具店で沢山出た国産ブリキデッド品の一つ。箱にマジックで売価が書き込まれているのが、所謂、青森デッドの特徴です。














パーツが多く丁寧な造りの1stモデル。リアフェンダー後端には実車では「Colt1000f」文字が入る箇所に「f」が欠落した「Colt1000」のメッキバッチが付けられています。






●アサヒ玩具1/14.5スケール 1966年 三菱コルト1000F 青 (1stモデル)














●アサヒ玩具1/14.5スケール 1966年 三菱コルト1000F 青 (2ndモデル)
上掲の1stと比べコウトダウンのため外装パーツを大幅に減らした2ndモデル。この個体は残念ながらホイルキャップが1個欠品しています。






●アサヒ玩具1/14.5スケール 1966年 三菱コルト1000F 青 1stモデルと2ndモデルの比較
左:1st、右:2nd。1stはパーツが多い良心的な造り。間違い探しのように、どこが異なるか比べてみると面白いです。








●アサヒ玩具1/14.5スケール 1966年 三菱コルト1000F アンビュランス
過去10年のヤフオク出品画像より。2ndモデルをベースに造られたアンビュランス。同じアサヒの縦目セドリックバンと同様にノーマルの生産が終わる頃に造られたようです。アンビュランスも時たま市場に出てきますが、箱付や未使用美品は見掛けません。








●米澤玩具ダイヤペット144番 三菱コルト800
全長9cm・アンチモニー製・当時定価400円・1966年(昭和41年)3月発売。カラーバリエーションは、エンジ・青緑メタ・草色等。元々、アサヒ玩具のブリキのコルト1000Fもコルト800として開発が進められていた製品ですが、当時物のコルト800はこのダイヤペットと三共製1/32プラモデルもリリースされており、立体造形物が3種もリアルタイムに出ていることから、デビュー時には大いに世間の注目を浴びたクルマだったことが判ります。
しかし、実車の現存数の少ない稀少車でもあり、現在の目ではよくぞ立体造形物を残してくれたという感慨を持ちます。なお、コルト800は21世紀に入り、書店売りノレブ国産名車Vol.42としてダイキャスト製1/43モデルがリリースされています(画像左端)。TLVでのリリースは不人気車だけにモデル化しても売れない可能性も大いにあり微妙な感じがしますが、昭和20年代(1950年代前半)のトヨペットスーパーやダットサンDBのモデル化も視野には入れているというTLV開発陣のこと、将来的にコルト・ファストバックのモデル化の可能性もゼロとも言えないでしょう。








●アサヒ玩具1/14.5スケール 1966年 三菱コルト1000F大集合!!














★オマケ(その1): 2020年6月 1/43 ポルシェ356 新製品
MAXICHAMPS新製品の1956年ポルシェ356Aカブリオレ2色(黒940 064230・水灰940 064231)はダイキャスト製で税抜各4800円。Spark新製品のポルシェ356Bカレラ2 1964年モンテカルロラリー出場車#224はレジン製で税抜7500円。この週末にTLV-NEOのフェラーリ365GT4BB(青メタ/黒)と512BB(赤/黒)も税抜各5800円で発売になっていますが、MAXICHAMPSの356は1/43にも関わらずTLV-NEOのフェラーリより1000円安くお買い得感あり(と言うより、TLV-NEOが高過ぎかもw)。












★オマケ(その2): 今日のビートルズ「Please Mister Postman」 1963
それにしても、いつ聴いてもジョンの唄声が魅力的過ぎますyone♪