★1964年バンダイ410ブルーバード ~ ブリキ自動車コレクションから 071 | ポルシェ356Aカレラ

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★2020年6月23日は、
1945年(昭和20年)から75回目の沖縄戦終結「慰霊の日」、
そして、日米安保発効から60年。沖縄戦終結のみならず、同じ1945年の広島/長崎の原爆や東京大空襲を知る人は当時10歳だった人も今年85歳となり、今後20年も経てば語り部が絶滅してしまう可能性があります。日米安保にしても1960年当時二十歳で安保反対デモに参加した人も今年80歳となり、当時デモをした、その思いをリアルに語ることの出来る人が、そう遠くない将来、絶滅してしまう可能性があります。
人間の命が永遠ではない以上、仕方のないことですが、その時代には生きていなかった人であっても語り部や体験者の方々の思いの共有は可能なことだろうと思います☆


★薬
現在、心臓の関係で処方されている薬は8種類。その中には人工血管を入れた場合には一生飲み続ける必要のあるワーファリンも含まれています。
薬は朝昼晩で種類が多いと管理も結構面倒ですが、飲み忘れないよう気を付けています☆☆


★閑話休題
今日は、「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第71回記事として、バンダイの410ブルーバードをご紹介しますne☆☆☆


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★醜いアヒルの子
1965年(昭和40年)の自動車輸入自由化を目前に控え、日本車離れした西欧モードを身に纏った日産の自信作としてデビューした410ブルーバードだったのですが、少々アクの強い顔つきやテールに向かって大きく下降する尻下がりのデザインが「醜いアヒルの子」と揶揄されるなどユーザーの不評を買い、1964年(昭和39年)9月にRT40系3代目トヨペット コロナがデビューするとブルーバードVSコロナのBC戦争にあっさり敗北する結果となっています。デビューから3年近くを経た1966年(昭和41年)4月20日には尻下がりを是正したデザインにMCされますが、時すでに遅しの感ありでした。410ブルーバードの車体構造は日産の市販型乗用車として初めてのフル・モノコック(ユニットコンストラクションボディー=ボディ/フレーム一体構造)が採用され、前代310ブルーバードに比べ全長105㎜、ホイールベースは100㎜長くなり全高は一気に65㎜低められ、モノコック構造の恩恵により車重は10~30kg軽くなるなど大幅に進化しています。


【1964年 ダットサン ブルーバード1200デラックス DP410型 実車 主要スペック】 (1964 Datsun Bluebird 1200 Deluxe Type.DP410 Specification)
全長3995mm・全幅1490㎜・全高1415㎜・ホイールベース2380㎜・車重915kg・FR・E1型水冷直列4気筒OHV1189cc・最高出力55ps/4800rpm・最大トルク8.8kg/3600rpm・変速機コラム3速MT(フルシンクロ)・乗車定員5名・電装系12V・最高速度120km/h・東京渡し新車販売価格66万7000円(名古屋渡し67万円・大阪渡し67万7000円)


●雨の夜の1965年410ブルーバードタクシー
光洋出版TOP絵本「じどうしゃのいろいろ」より。画家不詳。多摩ナンバーの410ブルーバードタクシーが情感豊かに描かれています。左後ろには1965年横目のセドリックタクシー、右後ろにも410ブルの後ろ姿が確認出来ます。タクシー乗り場の屋根には「・・・駅東口」のネオンが見えますが、都内の実在する駅を描いたものでしょうか。
「雨に灯りが濡れているよ、お母さん。雨の街をタクシーで帰ろうよ、お母さん。雨の東京は美しいね、お母さん。」




【バンダイ1/18スケール1964年ダットサン ブルーバード ブリキ玩具 主要データ】
(Bandai 1/18scale 1964 Datsun Bluebird 1200 Deluxe Tinplate Toy)

・基本素材: ブリキ
・バンダイ品番(管理番号): 不明
・製品名: ダットサンブルーバード1200デラックス
・発売時期: 1964年2月?
・販売価格: フリクション都内200円/全国220円・リモコン都内600円・全国630円
・全長223㎜ (実車比1/17.9)
・全幅85㎜ (実車比1/17.5)  
・全高73㎜ (実車比1/19.4) 
・ホイールベース129㎜ (1/18.4)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 縦92×横230×厚さ80mm
・動力: 後輪フリクション
・カラーバリエーション: アイボリー・ココア・イエロークリーム・青メタ・赤メタ・クリーム/赤、クリーム/空色、イエロークリーム/紺 等
・その他のバリエーション: 1964年式と1965年式、ハンドルリモコン仕様、電動仕様 等
・シャシー再現: 殆どなし
・入手難易度: 10段階評価でレベル7程度
・2020年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額: 7~10万円程度(箱付未使用美品の場合。フリクション仕様の方が評価は高目。)

※註)1/18スケールは全長比。


●東京玩具商報1964年2月号 バンダイ ニューブルーバード広告
(国立国会図書館の蔵書より複写)



●東京玩具商報1964年5月号 バンダイ ニューブルーバード リモコン仕様発売予告 広告 (同上)
リモコンのブルーバードは、「新製品 5月発売」と記載されています。



●バンダイ1964年版カタログより

410ブルーバード(フリクション)


410ブルーバード(リモコン)




(1)バンダイ1/18スケール1964年 ダットサンブルーバード410 フリクション ココア色
実車のメインカラーの一つだったココア色。この色を再現したのはバンダイのみ。バンダイ製410はフロント周りの微妙な造形が再現しきれていない感ありながら、この初版フリクション仕様では左程気になりません。初版のみボディがシングルカラーでフロント左右の丸いサイドマーカーに色差しもされています。サイドマーカーの色差しは同時期のバンダイ製初代ファミリアセダン初版や2代目スカイライン1500デラックス初版とも共通の仕様。


















ラインマーカーに僅かに色差しされています。


手前は大きさ比較用1/64スケールTLV


箱右下に日産自動車株式会社認可推薦の印字


正確に再現された運転席周りのプリント




シャシー裏






(2)バンダイ1/18スケール1964年 ダットサンブルーバード410 フリクション クリーム/赤 
ルーフに1964年第2回日本グランプリT-Ⅳウィナーシール付。16台出場した中の13台までが410というワンメイクレース的な展開となり、結果は1~12位を410が独占しています。この個体は1990年代の初頭、関西出張の折に立ち寄った京都のアンティークショップ「ライト商會」(寺町三条)で入手。遊ばれたジャンク品ながら、これと同じ色のフリクション仕様は、その後、一度も見ていません。








1964年第2回日本グランプリT-Ⅳ優勝記念シール




(3)バンダイ1/18スケール1965年 ダットサンブルーバード410 フリクション イエロークリーム/紺 
バンダイの410ブルはフリクション仕様とリモコン仕様が併売され、何れにも1964年式と1965年式が存在します。1965年秋発売の電動走行/ヘッドライト点灯の「電動モーターハイウェイシリーズ」は1965年式のみ。
これは1965年式のフリクション仕様で1970年代末に入手した個体。これと同じ色をその後40年以上も見ていないレアカラー。










(4)バンダイ1/18スケール1965年 ダットサンブルーバード410 フリクション イエロークリーム 
全体の状態から、残念ながらリペイントの可能性のある個体。










(5)バンダイ1/18スケール1965年 ダットサンブルーバード410 電動 青メタ
ヘッドライトを点灯させながら電動走行する「電動モーターハイウェイシリーズ」の1台。










(6)バンダイ1/18スケール1964年 ダットサンブルーバード410 リモコン クリーム/赤 
1980年代初頭に入手した個体。初めて入手した1964年式はこのリモコン仕様でした。




リモコンのリアウインカーは右左折時、実車さながらに点滅します。






左右前輪間の第3輪にて操舵。




(7)バンダイ1/18スケール1964年 ダットサンブルーバード410 リモコン クリーム/空色 
ルーフに1964年第2回日本グランプリT-Ⅳウィナーシール付。








1964年第2回日本グランプリT-Ⅳ優勝記念シール




(8)バンダイ1/18スケール1965年 ダットサンブルーバード410 リモコン クリーム/空色 
上掲の年式違い。この1965年クリーム/空色のリモコン仕様箱付は1970年代末に最初に入手したバンダイ製410。入手した時、懐かしさで胸が震えたことを思い出します。










デッドストック



●バンダイ1964年と1965年 1/18スケール410ブルーバード クリーム/空色の比較
(左:1964年、右:1965年)






(9)バンダイ1/18スケール1965年 ダットサンブルーバード410 リモコン クリーム/赤 










(10)バンダイ1/21スケール1965年410ダットサンブルーバード2ドア リモコン 赤 (小サイズ)
全長188mm・全幅70mm。ポケットリモコンシリーズとしてリリースされた1965年式410ブル小サイズ。ボディカラーは他にクリームイエロー。リアナンバーは「1967」文字などバリエーション有。






2ドアをモデル化



●バンダイ410スタンダードサイズとポケットリモコンとの比較




●バンダイ1/18スケール1964年/1965年410ブルーバード 大集合!!!
410初版のフリクション仕様シングルカラーは数が少なく滅多に見掛けません。リモコン仕様も綺麗な状態の物は流通量が減っているように思います。










フリクション仕様とリモコン仕様の箱




※1964年ダットサン ブルーバードの実車カタログについては、2013年12月23日の「自動車カタログ棚からシリーズ」第199回記事をご参照ください。





★オマケ(その1): ナガサキヤ? 1/20スケール 410ブルーバード菓子ケース
全長195mm・全幅72mm。ボディ:プラ、シャシー:ブリキ。後輪フリクション駆動。出来は良くないながら、探してもまず出てこないレア物。透明のウインド部分が外れて中からお菓子を取り出す構造になっています。




手前は大きさ比較用1/64TLV


ブリキシャシー




★オマケ(その2): 1939年(昭和14年) 東宝映画「東京の女性」
主演:原 節子(1920年6月17日-2015年9月5日)、監督: 伏水 修、原作: 丹羽文雄。銀座の自動車ディーラーでタイピストからセールスレディに転向した君塚節子(原 節子)は自動車に関する知識を学びバリバリ仕事をして優秀な営業成績を上げた。しかし、周りの男たちは節子に違和感を覚えるようになる・・・。
フルバージョンではなく約10分のみの抜粋ながら、5分前後よりカブリオレ2台が重要な役回りで登場する他、戦前の東京の自動車達も多数映り込んだ貴重なフィルム。恥ずかしながらカブリオレ2台の車種がよく判りません。車種が特定出来る方は是非御教示ください☆




★オマケ(その3): 今日のビートルズ「No Reply」 1964
ジョンの遺した名曲の一つ。