★1955年萬代屋トヨペットマスター ブログ8周年 ~ ブリキ自動車コレクションから 038 | ポルシェ356Aカレラ

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東日本大震災の起きた2011年(平成23年)の10月15日に始めた本ブログが本日8周年を迎えることが出来ました。
何よりいつも記事をみてくださっている皆さまのお蔭です。
ありがとうございます♡

これからも、自動車・鉄道車輛の旧いカタログやビンテージ模型/玩具、旧い乗物絵本・音楽関係などのなるべく内容の濃い記事をアップしていきたいと思いますので、引き続き、どうぞ宜しくお願いいたします☆☆☆


本記事は前回の記事に引き続き、3487名がエントリーしているコレクションカテゴリーの記事ランキング第1位!!となりました。
大勢の方にご覧いただき、本当にありがとうございます☆☆☆


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★トヨペットマスターRR型は、1955年(昭和30年)1月に最初のクラウンRS型と同時にデビューしました。
自家用ユーズを想定した前輪独立懸架のクラウンに対し、タクシーユーズを想定して前後共に頑丈な5枚バネのリジットアクスル(固定車軸式)としてデビューしたのがトヨペットマスターでした。
ところが、前輪独立懸架のクラウンでも充分にタクシーとしての使用に耐えることが実証され、法人用としてのクラウンの需要も順調に増えていたことから、マスターはデビューから2年にも満たない1956年(昭和31年)11月には製造が中止されます。僅か1年11ヵ月の間に7403台が生産されています。その短い生涯の中で1956年初頭にMCされフロントグリル等が変更となっており、マスターには前後期型の2種が存在します。


●1955年トヨペットマスター現役時代の画像
撮影は自動車史・自動車文化史研究の第一人者だった五十嵐平達氏(1924~2000年)。出典:二玄社1972年8月21日発行・五十嵐氏著「トヨタ」。撮影時期/場所は不詳ながら、横長のナンバーからデビューから間もない時期の都内での撮影と思われます。



●1955年トヨペットマスター セールスカタログから
帽子を被った運転手さんのイラストなど、タクシー用に売られたことが判ります。


右側停止ワイパーとフロントウインド前の全幅一杯の空気取入れ口


萬代屋製のブリキでも正確にプリントされたリア周り


Bピラーには腕木式方向指示器(通称アポロ)



【1955年トヨペットマスターRR型 実車主要スペック】
全長4275mm・全幅1670mm・全高1550mm・ホイールベース2530mm・車両重量1210㎏・1453cc水冷4気筒R型エンジン・最高出力48ps/4000rpm・最大トルク10kgm/2400rpm・圧縮比6.8:1・乗車定員6名・タイヤサイズ6.00-16-6P・シャシー打刻開始番号5-RR-10001・最高速度100km/h・販売価格81万5000円


【萬代屋(現バンダイ) 1955年1/24トヨペットマスターRR型 主要データ】

・基本素材: ブリキ
・萬代屋 品番(管理番号): 不明
・売価: 不明(都内/全国共、100円前後と推定)
・発売時期: 1956年(昭和31年)~1958年(昭和33年)頃
・全長18.5cm (実車比:1/23.1スケール)
・全幅7.8cm (実車比:1/21.4スケール)
・ホイールベース9.4cm (実車比:1/26.9スケール)
・ボディカラー: タクシー仕様ツートン1種のみ
・動力: フリクション
・箱のバリエーション: なし(国内向けのみ)

・同一金型の製品: エアポートタクシー(品番290)、消防司令車(品番285)、イエローキャブ(品番不明)・・・・・何れも2004年発行の資料本には1953オペル・オリンピア・レコードの記載があり、エアポートタクシーにOPELのロゴがフロントにプリントされたバージョンも存在。

・入手難易度: 10段階評価でレベル9程度(同時期に市場に出た萬代屋クラウンRS/RSDと比べ現存数は極端に少ないです)
・2019年現在のアンティーク・トイ市場の推定評価額: 35~60万円程度(箱付未使用ミントコンディションの場合)


★萬代屋製1955年トヨペットマスター
国産車のブリキ玩具としては現存数が少ない1台ですが、全長・全幅・ホイールベースの縮尺比率がまちまちなこと、ボンネット中央部がV字型に盛り上がった造形が実車のマスターとは異なることなどから、本来マスターとして開発された金型ではないものにマスターの前期型グリルを付けリアウインド部にトヨペットマスターのプリントを入れるなどして無理矢理マスターに仕立て上げた可能性もあります。
同一金型のバリエーションであるエアポートタクシーにはOPELのプリントの入ったバリエーションが存在しますが、同時代のオペルともボディラインは大きく異なり、元々何をモチーフに創られた製品なのか判然としません。
しかし、同一金型のエアポートタクシー等のバリエーションがトヨペットマスターと同じデザインのホイールキャップを付けていることから、元々、マスターをモチーフに造られたけれども少々出来が悪かったので他のバリエーションを沢山出して金型代を回収したという可能性もあります。

ボディの造形は実車にあまり似ていないながらも萬代屋のマスターは、前期型フロントグリルやフロントフェンダーのTOYOPET Masterのプリント、リア周りのナンバー表示灯他のプリント、ホイールキャップのプリント等が実車に忠実に造られ、ボディカラーも実車のカタログカラーに忠実であるなど、実車の面影を偲ぶことが出来る貴重な製品であることには違いはありません。




























1/64スケールTLVクラウンRSDとの大きさ比較


シャシー裏面




●マスターと同金型のバリエーション達

HOTEL NEW YORK エアポート・タクシー
本来はルーフキャリアにブリキ製のトランク2個が付きます。




箱付画像。TIN TOY CARS 商用車・レーシングカー編(2004年刊)より転載。


ヤフオク出品の完品(ヤフオク出品画像より借用・落札額9万3800円)



東京玩具商報1956年1月号 萬代屋広告・・・・・国立国会図書館の蔵書より複写。クラウンRSと共にマスターと同一金型のエアポートタクシーが載っています。マスターは当時の広告に掲載された形跡がありません。




ファイヤーチーフ



リアナンバー「5-1956」はトヨペットマスターと同じ








イエローキャブ
TIN TOY CARS 商用車・レーシングカー編(2004年刊)より転載。




●全員集合♪










★2016年に発掘された旭玩具製作所製 トヨペットマスターの箱
I氏コレクション。長辺が15cm強程度の小さな箱のみが発掘され、残念ながら本体はなし。箱の大きさからすると駄玩具的な造りで本体のみを見ても誰もマスターとは判らない製品だった可能性があります。



※1955年トヨペットマスターの実車カタログについては、2012年8月5日の「自動車カタログ棚から」シリーズ第35回記事をご参照ください。





★オマケ: 今日のビートルズ 「Norwegian Wood (This Bird Has Flown)」(邦題:ノルウェーの森) 1965
ジョンの遺した名曲の一つ。東日本大震災の前年2010年12月に国内公開された村上春樹原作の映画「ノルウェイの森」では、この曲が効果的に使われ、映画の中でいきなりジョンの唄声が聴こえてくると思わず涙が溢れたことを思い出します☆