★1966年ダットサン ブルーバード 2代目最終型 200回目!~ 自動車カタログ棚から 200 | ポルシェ356Aカレラ

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☆★☆「自動車カタログ棚から」も今回でついに200回目。ラグタイム番長さんのブログ、「レコード棚からひと掴み」 から思いついたタイトルで2012年6月に始めて1年7ヵ月で漸く辿りついた記念すべき?200回目。
もし紙媒体にするとしたら1記事1頁として200頁、1記事見開き2頁とすれば400頁もの本が出来る計算です。もっとも画像が1記事50枚前後ということも多いので、余程縮小しない限りはとても紙では1,2頁に収まらないはずです。そもそもネット上でいつでも見られる内容を紙媒体にしても需要は殆どないかもしれません。
年内に200回までを目標にしてきたのですが、何とか辿りつけたのは、いつも読んでくださっている方、コメントをくださる方々のおかげです。ありがとうございます!
このシリーズでは基本的にその時々に思い浮かんだ車種をアトランダムにピックアップしています。ただ、これまで100回の節目はポルシェ904、150回の節目はポルシェ356カレラ2と節目の回だけは意識的に私の一番好きなメイクスであるポルシェを採り上げてきました。しかし、今回の200回目は思うところがあって2代目ブルーバード最終型としました(理由はこの記事の最後に記します)。
これからも「自動車カタログ棚から」の記事は余暇を利用して少しずつアップしていくつもりですが、音楽など他のことに使う時間を増やすため大幅にペースダウンする予定です。初めの頃に比べるとブログへのアクセス数が飛躍的に増えていてとても嬉しいのですが(車名等での検索で引っかかるのか過去記事へのアクセスも増えています)、実は最近、記事をアップしなければというような妙な義務感やプレッシャーのようなものが出てきています。そこで、また自動車カタログ棚からの記事を始めた頃の初心に戻って、書きたい記事を自然にストレスなく書ける時にだけアップしていきたいなあと思っています。☆★☆



★1963年(昭和38年)9月にデビューした2代目ブルーバードはデビューから2年7ヶ月を経た1966年(昭和41年)4月20日、ビッグマイナーチェンジを受けた。最終型2代目ブルーバードの誕生である。リア周りはテールライト、バンパー、トランク開口部を上げて何かと不評だった尻下がりを改め、フロントグリルおよびテールライトは同年4月にデビューした初代サニーや前年10月にデビューした初代プレジデント(本シリーズ第71回記事参照)とも通じる横線を基調としたシンプルで美しいデザインに変更された。
ピニンファリーナの個性的なオリジナルデザインは大幅に修正され、誰の目にも美しいルックスとなった。後に2代目130セドリックも辿ったピニンファリーナ・デザインの大幅修正はこのブルーバードが良い成功例となった。この大幅にデザイン変更された最終型2代目ブルーバードが現在でもあまり古臭くなく見えるのは、目鼻立ちがくっきりとしていながら嫌味のないシンプルで美しいデザインのためではないだろうか。

★この2代目ブルーバードのビッグマイナーチェンジに際して、それまで外観上は基本的にグリルやCピラーに付けられたエンブレム(+SSSはホイルキャップ・デザイン)のみで区別されたスポーツグレード「SSS」(スーパースポーツセダン=スリーエス)および「SS」(スポーツセダン=エスエス)のフロント・グリルが専用のデザインに変更となり、新たにワゴンボディを利用した4ドアのバン(4ナンバー商用車)がラインナップに加わった。またセダン系のボディカラーはそれまでの10色が15色へと大幅に増やされた。
1966年(昭和41年)6月25日、ボルグワーナー・3速フルオートマチックが追加(デラックスとファンシーDXのみ:ベースグレードの6万円高)され、同年10月6日には内装を中心とした最後の変更(スタンダードを除く全車のドア内貼りにアルミ板追加、全車のホーンバーにBLUEBIRDのロゴ追加、シートベルト装着装置追加、アクセルペダルをオルガン式に変更他)を受けた後、翌1967年(昭和42年)8月15日に3代目510ブルーバードにバトンを渡した。


【主要スペック】 1966年ダットサン・ブルーバード1600 SSS 2ドア(型式DR411R)1966 DATSUN Bluebird 1600SSS Typ.DR411R
全長4000mm・全幅1490㎜・全高1430㎜・ホイールベース2380㎜・車重925kg・FR・R型水冷直列4気筒OHV1595cc・最高出力90ps/6000rpm・最大トルク13.5kg/4000pm・変速機フロア4速MT(フルシンクロ)・乗車定員5名・前ディスクブレーキ・ゼロヨン18.2秒・最高速160km/h・東京店頭渡し新車価格71万5000円


●1966年 第14回サファリ・ラリー ブルーバード クラス優勝 リーフレット (A4判・表裏1枚)
最後のビッグマイナー直前の1966年4月7日~11日に行われた第14回サファリ・ラリーでブルーバード1300SSが1001~1300ccのBクラスで1位・2位となり(総合では5位・6位)、その結果を日産は力を入れて宣伝した。その後の510ブルーバードSSSや240Zでのサファリ優勝への足がかりとなった。赤ボディに黒ボンネットのカラーリングも70年代まで引き継がれた。この年のサファリは出場88台中、完走僅か9台という過酷な戦いであったという。クラス優勝したゼッケン6の車両は座間で現在も保管されている。
ラリー1枚


●1966年 第14回サファリ・ラリー ブルーバード クラス優勝 パンフレット (縦23×横23cm・12頁)
カラーイラストに写真を交えた大人の絵本のような味わいの1冊。
ラリー冊子


●1966年12月 ブルーバード雑誌広告 (菊倍判近似サイズ・CARグラフィック1966年12月号より)
内装を中心とした2代目最後の変更を受けた際のもの。ドア内貼り、シート、ダッシュパネルを全て同色で統一しキャッチコピーは「TOTAL LOOK」。
広告


●1966年4月 ブルーバード1300 4ドア リーフレット (A4判・表裏1枚)
本カタログの中から採られた写真
4ドア1枚


●1966年4月 ブルーバード1300 2ドア リーフレット (A4判・表裏1枚)
この写真も本カタログの中のもの
2ドア1枚


●1966年4月 ブルーバード1600SSS リーフレット (A4判・表裏1枚)
スポーツグレードは、この中央にDATSUNの文字が入る専用グリルとなった。SSSと同じ90psのR型エンジンを搭載した同時期のフェアレディ1600(SP311)が車重920kg、初代シルビア(CSP311)が車重980kgだったのに対してブルーバードSSSは車重925kgでフェアレディとパワーウエイトレシオは互角だった。しかし販売価格はフェアレディはブルーバードより20万円以上高い92万4000円、少量生産のシルビアに至っては約50万円も高い119万1000円もしたので、ブルSSSは間違いなくvalue for money だったと言える。この時からsssのみ英国ロッキード社SC型のディスク・ブレーキがフロントに付いた。
SSSリーフレット


●1966年4月 ブルーバード総合 簡易カタログ (A4判・8頁)
664簡易
中頁から: リア周りはバンパー、テールライトの位置を上げて尻下がりが巧みに修正された。よく見るとバンパー取付け穴が65年型までの低い位置のままで上部にバンパーを取付けるためのステーが露出している。新しいテールライトはシンプルで美しいが、それまでの橙色ウインカーが赤1色となってしまった。
664簡易リア


●1966年4月 ブルーバード総合 本カタログ (A4判・24頁)
664本
中頁から: カラーバリエーション15色。翡翠の神秘を讃える「ベンガルグリーン」など全て海にちなんだネーミングがされている。
664本カラー


●1966年4月 ブルーバード1300ファンシーデラックス 専用カタログ (A4判・3つ折6面)
女性専用グレード「ファンシーデラックス」
664ファンシーDX


●1966年4月 ブルーバード1600SSS・1300SS 専用カタログ (A4判・18頁)
664SSS表紙
中頁から: SSS 2ドア。SSSのみホイルキャップが丸穴の専用デザイン。
664SSS中白


●1966年4月 ブルーバード1300エステートワゴン 専用カタログ (A4判・8頁)
ワゴンもセダンに準じて前後を変更した。新しいテールライトが従来と同じ下方に付いたリア周りには少々違和感がある。
664ワゴン


●1966年4月 ブルーバード1300バン 簡易カタログ (A4判・2つ折4面)
ワゴンのボディを使って新たに造られたブルーバード初の4ナンバーの4ドア・バンで2ドアはなし。型式VP411。リアゲートがワゴンではナンバープレートの上方から開くのに対して、バンはバンパー直上から開きテールライトのデザインも異なる。
664バン簡易


●1966年4月 ブルーバード1300バン 本カタログ (A4判・12頁)
664バン本


●1966年6月 ブルーバード1300 オートマチック専用カタログ (A4判・3つ折6面)
セドリックと同じボルグワーナー・オートマ仕様を追加
666オートマ


●1966年10月 ブルーバード総合 簡易カタログ (A4判・8頁)
内装を中心とした最後の変更
6610簡易


●1966年10月 ブルーバード総合 本カタログ (縦30×横22.5cm・24頁)
6610本表紙
裏面: シンプルなリアビューはフロントと絶妙にバランスが取れている。
6610本裏リア


●1966年10月 ブルーバード1300ファンシーデラックス 専用カタログ (A4判・3つ折6面)
女性専用グレード「ファンシーデラックス」は翌1967年の510ブルへのフルチェンジで消滅したため、これが最後の専用カタログ。右左折時のオルゴール音付なのも初代ブルから変わらなかった。
6610ファンシーDX


●1966年10月 ブルーバード1600SSS・1300SS 専用カタログ (縦22.5×横30cm・16頁)
SSSのみだった前ディスクブレーキがツインキャブ72psのSSにも付いた。
6610SSS表紙
中頁から: SSS 4ドア
6610SSS中赤
411SSS最終型の運転席。他グレード同様にステアリング中央のホーンバーにBLUEBIRDのロゴが入った。このロゴはバンを含むブルーバード全車種に入れられたため66年10月変更後の1967年型ブルーバードを見分ける一番分り易い識別ポイント。
6610SSS室内


●1966年10月 ブルーバード1300エステートワゴン 専用カタログ (A4判・8頁)
セダンに準じる内装変更
6610ワゴン


●1966年10月 ブルーバード1300 オートマチック専用カタログ (A4判・3つ折6面)
カタログには新発売の文字が入っているが、女の子の後ろのドア内貼りにアルミパネルが付いた最後の変更後のもの。
6610オートマ


●1966年10月 ブルーバード1300バン 本カタログ (縦30×横22.5cm・12頁)
バンもセダンに準じて内装変更
6610バン表紙
バンのリアゲートはこのようにバンパー直上から開きテールライトも専用デザイン
6610バン中リア


●1966年 ダットサン411 英文カタログ (A4判・2つ折4面)
左ハンドルセダンPL411とワゴンWPL411掲載。輸出仕様はBLUEBIRDでなくDATSUNのエンブレムが付き、丸いサイドマーカーランプとフェンダーミラーが付かない。NISSAN FOREIGN TRADE DIVISION発行。
66英文(1)


●1966年 ダットサン411 英文カタログ2 (A4判・2つ折4面)
左ハンドルセダンPL411とワゴンWPL411掲載
66英文(2)


●1967年 ダットサン411 英文カタログ (A4判・8頁)
66年10月の最後の内装変更後のもの。左ハンドルセダンPL411とワゴンWPL411掲載。表紙写真は66年10月の国内向け本カタログの中頁のものだがサイドマーカーランプだけ上手く消してある(フェンダーミラーは国内向けのまま)。
67英文山


●1967年 ダットサン1600 英文カタログ (A4判・8頁)
66年10月の最後の内装変更後のもの。R型90psエンジン搭載の左ハンドルセダンRL411と国内仕様には存在しないワゴンWRL411型を掲載。
67英文1600
国内向けには存在しない90psのワゴン版SSS
67英文ワゴン1600


●1967年 ダットサン 英文カタログ (縦15.5×横23cm・2つ折4面)
FOREIGN TRADE DIVISIONでなくアメリカ日産の発行・アメリカ印刷のカタログ。この明るい赤は輸出専用色。
67英文小


●1968年 ダットサン 西班牙語版カタログ (縦28×横22cm・3つ折6面)
メキシコ生産車のスペイン語版カタログ。国内では既に3代目510に替わっていた1968年に入っても生産されていたようだ。
68メキシコ





★オマケ(その1): アサヒ玩具1/18スケール 1966年ブルーバード1300
当時定価:都内200円・全国220円。アサヒ玩具品番3679(64年型の初版と同じ)。全長22cm。前項のオマケで紹介した1964年型のマイチェン製品。全長22cm。フリクション駆動。箱絵もきちんと66年型に差し替えられている。
アサヒ(1)
アサヒ(2)
アサヒ(3)


★オマケ(その2): アサヒ玩具1/18スケール 1966年ブルーバード1300県警パトカー
当時定価:都内200円・全国220円。全長22cm。フリクション駆動。アサヒ玩具品番3808。全長22cm。パトカーのモデルカーは警視庁仕様が大半だが地方問屋などからクレームがあったのかこれは県警仕様。電動ミステリーアクションで走行しボンネットのマシンガンが音を立てながら点滅する「Gメンパトカー仕様」もリリースされた。Gメンパトカーには国内向け(画像中央)と輸出向け(画像右側)の2種類あり。
パトカー(1)
パトカー(2)
パトカー(3)


★オマケ(その3): イチコー(一宏工業) 1/16スケール 1966年ブルーバード1300デラックス
当時定価:都内300円・地方最低小売330円。イチコー品番3464。前項で紹介した1964年式のマイチェン製品。全長25cm。フリクション駆動、電動ミステリーアクション、電動リモコンの3種類がリリースされた。テールライトのパーツ形状は最終型のシンプルなものに替えられたにもかかわらず、肝心の取り付け位置が実車の最終型通りの上部ではなく65年型までと同じ下部で尻下がりのままとなっているミス製品。箱絵には1965年型が描かれている。
イチコー(1)
イチコー(2)
イチコー(3)


★オマケ(その4): 米澤玩具ダイヤペット126番 1/40スケール 1966年ブルーバード1300デラックス
当時定価350円。アンチモニー製。ボンネット開閉。全長10cm。大盛屋から引き継いだダイヤペット1stモデルの金型を修正してリリースされた2代目ブル最終型。ダイヤペットで同時期にマイナーチェンジした125番2代目スカイライン1500DXでは箱絵が差し替えられたが、ブルーバードは最後まで1stの65年型の箱絵のまま売られたようだ。
ダイヤペット(1)
ダイヤペット(2)
ダイヤペット(3)


★オマケ(その5): ニコー科学 1/32スケール 1966年ブルーバード1300デラックス プラモデル
当時定価200円。三共オリジナルの1966年型モデルの金型が流れた1970年代後半の最後の(?)再販。有限会社ニコー科学は茨城県古河市緑町31-57に存在したプラモ・メーカー。パーツ割は三共時代と同じながらメッキパーツは非メッキとなり、ボディ色がケバケバしい蛍光色となった。モデルは三共の1966年型のままにもかかわらず箱絵(ボックスアート)には誤って1965年式が描かれている。「セミ・クラシック・シリーズ」の商品名で同じ三共のコルト1000Fと初代ファミリアも再販された。新車からほんの10年程経過しただけのクルマ達に「セミ・クラシック」というシリーズ名は現在では考えられないけれど、60年代半ばからオイルショックを経て70年代後半にかけての日本車の10年はデザインを含めて全てが激変した感があるので、70年代後半における60年代半ばの国産車はシリーズ名のネーミング通りちょっとクラシックなクルマという感覚であったように思う。
プラモ(1)
組立説明書は封入されず上箱の裏に印刷されている。
プラモ(2)


★オマケ(その6): 1967年8月撮影 2代目ブルーバード最終型 想い出の写真
ビートルズがサージェントペパーを出した頃。ブルの横に立っているのは7歳の私。ガリガリに痩せているのは先天性心疾患のためで、この写真の2ヵ月後の10月に東大病院胸部外科で手術を受けた。1960年後期型スバル360に次ぐ2台目の私の家のマイカーがこの2代目ブルーバード最終型(66年10月の内装変更後の1967年式)だった。残念ながら写真は数える程しか残っていないのだけれど頭の中には沢山の思い出があり、この2代目ブルーバード最終型は1960年後期型スバル360と並んで涙が出るほどに懐かしい、私にとって特別なクルマなのです。
7歳の私とブル