【作品#0679】アンダーワールドビギンズ（2009）

【タイトル】

アンダーワールドビギンズ（原題:Underworld: Rise of the Lycans）

【概要】

2009年のアメリカ/ニュージーランド/オーストラリア合作映画
上映時間は92分

【あらすじ】

遥か昔のこと。ヴァンパイアは狼男のライカンを奴隷としていた。ヴァンパイアの女戦士ソーニャはライカンのルシアンと禁断の恋に落ちる。

【スタッフ】

監督はパトリック・タトポロス
音楽はポール・ハスリンジャー
撮影はロス・エメリー

【キャスト】

マイケル・シーン（ルシアン）
ローナ・ミトラ（ソーニャ）
ビル・ナイ（ビクター）
ケイト・ベッキンセイル（セリーン）

【感想】

当初、ソーニャはセリーンに見た目が似ているということでケイト・ベッキンセイルが演じる予定だったが、一度はオーディションに落ちたローナ・ミトラがソーニャを演じることになった。

シリーズ3作目にして、シリーズ1作目の前の話を描くことになったというのに、、ライカン族の誕生を描く作品になっている。このシリーズはケイト・ベッキンセイル目当てで見ている観客がほとんどだと思うが（勝手な私見で失礼）、彼女の登場シーンはモノローグのナレーションとラストの数秒の出演だけである。

また、ソーニャを演じたローナ・ミトラがケイト・ベッキンセイルに似ているというのは頷けるのだが、似ているからと言って同じように魅力があるかと言われたらそれは違う。普通にケイト・ベッキンセイルが演じるセリーンが処刑人になるまでを描けば良かったのにと思う。

それからライカン族の誕生は冒頭の数分間であっさり説明が終わり、ヴァンパイア族ビクターの娘ソーニャとライカンのルシアンの禁断の恋に移行する。この禁断の恋はシリーズ1作目から2作目にかけて描かれたセリーンとマイケルを思わせるが、ただの繰り返しでしかない。彼らが禁断の恋に落ちる過程の弱さまでシリーズ通して一貫してしまっているのはいただけない。

娘のソーニャとルシアンとの交際を知った父親のビクターは最終的に娘のソーニャを殺してしまう。目の前で愛するソーニャを殺されたルシアンは怒り狂い、ビクターを殺す。ところが、シリーズ1作目にビクターは登場していたのでここでビクターは死ぬわけもなく、ルシアンがビクターを殺したすぐ次の場面でビクターが生きていることが分かる場面に移行する。ここでは頭を刀で突きさされたビクターがなぜ生きているのかなどの説明はない。怒り狂ったルシアンの復讐がカタルシスをもたらすはずの展開なのに、ビクターが生き残る展開では観客は納得しないでしょう。

アクションシーンも目新しい場面は全くなく、終始暗い場面であることも相まってずっと同じような場面を見ている感覚に陥る。それでも「ケイト・ベッキンセイルが出ているから」というのがあったのがこのシリーズなのに、やはり彼女を主役から外した時点で大失敗だった。