【タイトル】
トランスポーター3 アンリミテッド(仏題:Le Transporteur3/英題:Transporter3)
【概要】
2008年のフランス/アメリカ/イギリス合作映画
上映時間は104分
【あらすじ】
フランクが仕事を紹介した男が自分の家に突っ込んできたため、フランクは救急車を呼んで負傷したその男を搬送してもらう。その男の車の後部座席にいた若い女性から事情を聞くと、その男もその女性も腕輪をしており、その車から20m離れるとその腕輪が爆発してしまうと言う。フランクは急いで救急車を追いかけるが、救急車ごと爆発してしまう。
【スタッフ】
監督はオリヴィエ・メガトン
脚本はリュック・ベッソン
音楽はアレクサンドル・アザリア
撮影はジョヴァンニ・フィオーレ・コルテラッチ
【キャスト】
ジェイソン・ステイサム(フランク)
ロバート・ネッパー(ジョンソン)
ナタリア・ルダコーワ(ヴァレンティーナ)
フランソワ・ベルレアン(タルコニ警部)
ジェローン・クラッペ(レオニード)
【感想】
「トランスポーター」シリーズの3作目は監督が全2作品のルイ・レテリエからオリヴィエ・メガトンに代わり、興行収入もシリーズ初の1億ドルを突破した。ちなみに、ヴァレンティーナを演じたナタリア・ルダコーワは演技経験のない美容師だったが、ニューヨークの通りを歩いているところリュック・ベッソンにスカウトされたことで出演することになった。
シリーズ3作目となった本作だが、3作品とも出演しているのは主人公のフランクと彼の友人タルコニ警部だけである。また、フランクは自分にも相手にもルールを課す「キチっと」した人間として「一応は」描かれてきた。本作においても、基本は上述のようにフランクがルール通りに事を進めようとするが、事態が急変するとルールを破ってしまうという展開になっている。なので、お約束と言えばお約束なのだが、ルールを破りたくないのに破ってしまうという感じがあまりなく、もっと「キチっと」した人間として描けば描くほど、ルールを破らざるを得ない時の面白さや怒りを表現できたのだろうと思う。
そのルールを破らせるキャラクターの1人がヒロインのヴァレンティーナであろう。彼女は目の前で上半身裸のフランクの暴れっぷりにうっとりしてしまい、体の関係まで迫ってくる。そしてなんやかんやで彼らは関係を結んでしまう。ここは基本的にシリーズ1作目と同じなのだが、必然性を感じない展開になっている。また、1作目のヒロインに比べて、はっきり言って「うざい」キャラクターである。フランクと正反対の人間として描いたとしても、観客もフランクと共に「彼女ならしょうがないな」と思わせる要素が必要だろう。また、彼女は首の後ろに「安」のタトゥーをしている。どうやら「安全」とか「安心」の意味で使っているらしい(IMDbのトリビアの項を参照)のだが、日本人から見たら「安い」の意味がまず思い浮かぶぞ。
また、前作は1作目に比べると荒唐無稽なアクションシーンが増えていた。その点、本作は1作目に近しいリアリティラインに戻りつつあるが、どうしても1か所だけは突っ込んでおきたい。終盤近く、車ごと湖に落ちたフランクは、爆弾の仕掛けられた腕輪をしているために車から離れることができず、タイヤの空気を抜いてその空気で何とか息を持たせようとしている。それは別に問題ない。ただ、そのタイヤの空気を袋の中に集め、その空気の入った袋の浮遊力で車も水上に浮上するというのはどう考えてもおかしいだろう。タイヤの空気を袋に移行しただけで浮上するならそもそも車は沈まないだろうという話になる。なかなか面白い場面だとは思ったが…。
これにてジェイソン・ステイサム主演による「トランスポーター」シリーズは終了している。やはり振り返ると、シリーズ1作目の感じが本当に「ちょうど」良かった。
【関連作品】
「トランスポーター(2002)」…シリーズ1作目
「トランスポーター2(2005)」…シリーズ2作目
「トランスポーター3 アンリミテッド(2008)」…シリーズ3作目
「トランスポーター イグニション(2015)」…リブート
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/フランス語/ウクライナ語/ロシア語/ハンガリー語)
<Amazon Prime Video>
言語
├日本語吹き替え
【ソフト関連】
<DVD>
言語
├オリジナル(英語/フランス語/ウクライナ語/ロシア語/ハンガリー語)
├日本語吹き替え
映像特典
├メイキング・オブ・トランスポーター3
├オリヴィエ・メガトン監督によるポイント解説
├「ストーリーボード」
├「ビジュアルエフェクツ」
├「セット」
├「カースタント」
├予告編/TV-SPOT集
<BD>
収録内容
├上記DVDと同様