【タイトル】
トランスポーター2(仏題:Le Transporteur2/英題:Transporter2)
【概要】
2005年のフランス/ドイツ/アメリカ合作映画
上映時間は87分
【あらすじ】
ビリングス夫妻の息子ジャックの通学の送り迎えを頼まれていたフランクは、ある日、ジャックを病院まで連れ添うと、そこで何者かに襲われてしまう。
【スタッフ】
監督はルイ・レテリエ
脚本はリュック・ベッソン
音楽はアレクサンドル・アザリア
撮影はミッチェル・アムンドセン
【キャスト】
ジェイソン・ステイサム(フランク)
アレッサンドロ・ガスマン(ジャンニ)
ケイト・ノタ(ローラ)
アンバー・ヴァレッタ(オードリー・ビリングス)
マシュー・モディーン(ジェファーソン・ビリングス)
【感想】
前作「トランスポーター(2002)」の製作後に続編の話は不透明であったが、DVDの売れ行きが好調だったために続編の制作が決まり、監督、脚本、主演が続投することになった。
基本的に前作と同じ座組で製作されているのだが、前作に比べると明らかに荒唐無稽なアクションシーンが増えている。例えば、立体駐車場の壁を突き破って隣の建物の駐車場に着地する場面とか、車の下に仕掛けられた爆弾を車ごとジャンプしてクレーンのフックに爆弾を引っかけて車から引き離す場面とか、ジェットスキーで道路までジャンプする場面とか、外に投げられた解毒剤を取るために窓を突き破って下に走るタクシーの上に落ちるとか…。前作でもここまで現実離れしたアクションシーンは少なかった。製作者側はサービス精神のつもりかもしれないが、できれば前作と同じラインで製作してもらいたかった。
格闘シーンにしてもやや前作以上に誇張された表現は多いが、やはりスーツを着たジェイソン・ステイサムの暴れっぷりは見応えがある。なぜもスーツと格闘シーンはこれほど相性が良いのかと思うほどである。
敵の狙いは誘拐したジャックではなくその父親のジェファーソンである。ジャックに毒を仕込み、彼の吐く息で次々に感染していき、ジェファーソンを殺すという狙いがあるようだが、どれだけ回りくどいんだ。あの描き方だととんでもないパンデミックを起こしているはずだが、どう解決したのかも提示しない。90分にも満たない映画なんだから、もっともっとシンプルで良かっただろうに。
また、前作のフランクのキャラクター設定が生かされていないのも残念である。彼は自分にも相手にもルールを課している「キチっと」した人間である。そんな彼が持つ良心のもとルールを破って人助けをしてしまい、巻き込まれるというところに意義があった。なのに、本作では「約束を守る」というルールくらいしか登場せず、主人公が「キチっと」した人間である点などはかなり疎かにされている。仲良くなったジャックとその母親のためにという気持ちが最初から強すぎるのもダメなポイントだ。当初はこのジャックやその母親とも距離を置いて接していたが、徐々に情に流されてという流れの方が前作の流れを踏襲できたと思う。
ジェイソン・ステイサム本人はシリーズで一番のお気に入りだそうだが、まだ前作の多少現実感の残った感じが好きだった。
【関連作品】
「トランスポーター(2002)」…シリーズ1作目
「トランスポーター2(2005)」…シリーズ2作目
「トランスポーター3 アンリミテッド(2008)」…シリーズ3作目
「トランスポーター イグニション(2015)」…リブート
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語)
<Amazon Prime Video>
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├日本語吹き替え
【ソフト関連】
<DVD>
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
映像特典
├メイキング
├未公開シーン
├ミュージック・クリップ Anggun “Cesse La Pluie"
├予告編
<BD>
収録内容
├上記DVDと同様