【作品#0582】ハムナプトラ/失われた砂漠の都（1999）

【タイトル】

ハムナプトラ/失われた砂漠の都（原題:The Mummy）

【概要】

1999年のアメリカ映画
上映時間は124分

【あらすじ】

1923年のエジプト。ハムナプトラという幻の都を探すイブリンと兄のジョナサンは、死刑執行直前のリックがその場所を知っていることを受け、彼を助けて旅に出る。

【スタッフ】

監督/脚本はスティーヴン・ソマーズ
音楽はジェリー・ゴールドスミス
撮影はエイドリアン・ビドル

【キャスト】

ブレンダン・フレイザー（リック）
レイチェル・ワイズ（エブリン）
ジョン・ハナー（ジョナサン）

【感想】

「ユニバーサル・モンスターズ」と称される6作品群の1作目「ミイラ再生（1932）」の2度目のリメイク作品。1990年代初め頃からリメイクの話はありつつ、なかなか実現に至らず、オファーした俳優たちからも断られ続けたが、ブレンダン・フレイザー、レイチェル・ワイズに決まったことで映画化が実現した。そして、本作は全世界で4億ドルを超える大ヒットを記録し、合計3つのシリーズ作品とスピンオフ作品を生み出すことになった。ちなみに本作のオファーを断ったトム・クルーズは後に本作の3度目のリメイク「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女（2017）」に主演している。

近年映画出演が滅法少なくなっていたブレンダン・フレイザーが2022年度のアカデミー賞で主演男優賞を獲得したことを受けて本シリーズを再見してみた。当時30歳頃のブレンダン・フレイザーにはやはり主役を張れるだけの雰囲気を持っていると感じる。また、本作で本格的にブレイクしたレイチェル・ワイズの可愛らしさも魅力だろう。彼らの魅力がホラー作品という本作をより親しみやすくしているのだと感じる。

ただ、映画自体はというと、良くも悪くも無難な印象を受け、124分という上映時間はやや冗長に感じた。登場人物が多すぎたのかもしれないし、ファンタジーの要素をすべて説明しなければならないというのがどうも合わなかったのだと感じる。それに、本作の作風から漂う「どうせどうにかなる」感がちょっと強すぎて、緊張感がほとんど感じられない。これならキャラクターやシーンを削ってでもよりコンパクトにまとめた方が作品としてもより魅力的になったと感じる。

また、VFXには多額の資金と時間が費やされたのだろうが、どうも同じような表現が多く、VFX頼みになっている箇所は結構多い（皮膚の内側を昆虫のような生き物が這っていく様子は本作と同年公開の「マトリックス（1999）」でもやっていましたね）。

とはいえ、男の主人公と、ヒロインとその兄貴という構図はあまりお見かけしないし、男の主人公と別の男がいれば恋敵にでもなるところだが、そうならないところが本作のオリジナリティなのではないかと思う（リメイクだがオリジナルと1度目のリメイクは未見）。

【関連作品】

「ミイラ再生（1932）」…オリジナル
「ミイラの幽霊（1959）」…1度目のリメイク
「ハムナプトラ/失われた砂漠の都（1999）」…2度目のリメイク/シリーズ1作目
「ハムナプトラ/黄金のピラミッド（2001）」…シリーズ2作目
「ハムナプトラ/呪われた皇帝の秘宝（2008）」…シリーズ3作目
「スコーピオン・キング（2002）」…「ハムナプトラ/黄金のピラミッド」のスピンオフ1作目
「スコーピオン・キング2（2008）」…「ハムナプトラ/黄金のピラミッド」のスピンオフ2作目
「スコーピオン・キング3（2012）」…「ハムナプトラ/黄金のピラミッド」のスピンオフ3作目
「スコーピオン・キング4（2015）」…「ハムナプトラ/黄金のピラミッド」のスピンオフ4作目
「スコーピオン・キング5（2018）」…「ハムナプトラ/黄金のピラミッド」のスピンオフ5作目
「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女（2017）」…3度目のリメイク