【タイトル】
Mr.&Mrs.スミス(原題:Mr.& Mrs.Smith)
【概要】
2005年のアメリカ映画
上映時間は120分
【あらすじ】
結婚して5~6年が経過したジョンとジェーンは、実は互いに暗殺者であることを隠して生活していた。ある日の任務で、互いの標的が同じだったことから互いを殺し合おうとすることになる。
【スタッフ】
監督はダグ・リーマン
音楽はジョン・パウエル
撮影はボジャン・バゼリ
【キャスト】
ブラッド・ピット(ジョン・スミス)
アンジェリーナ・ジョリー(ジェーン・スミス)
ロバート・ヴォーン(エディ)
【感想】
ジェーン役は当初ニコール・キッドマンがキャスティングされたが、「ステップフォード・ワイフ(2004)」の撮影が長引いたことで降板し、アンジェリーナ・ジョリーがキャスティングされた。また、ブラッド・ピットは「オーシャンズ12(2004)」の撮影のために3か月本作の撮影を中断している。そのブラッド・ピットは2005年にジェニファー・アニストンと離婚し、共演したアンジェリーナ・ジョリーと交際するようになった(2014年に結婚し2016年に離婚)。
夫婦が互いに暗殺者であることを隠して生活しているというプロットは「トゥルー・ライズ(1994)」を思わせるし、夫婦の再生の物語として考えれば「ゲッタウェイ(1972)」なんかを思い出す。また、終盤のホームセンター内で閉じ込められた2人は「明日に向って撃て!(1969)」のラストを意識しているだろう。
とにかく主演の2人の魅力に懸かっている作品。その点、ブラッド・ピットもアンジェリーナ・ジョリーもとても魅力的だし、その最低限の条件はクリアしたと言えよう。ブラッド・ピットもちゃんと3枚目をやっているし、彼のキャリアで見てもこういう役柄は決して多くない。また、その自分の方が上だと思っているジョンよりも凄腕の殺し屋という意味でアンジェリーナ・ジョリーも良かった。特に本作以降、アンジェリーナ・ジョリーは「ウォンテッド(2008)」「ソルト(2010)」「ツーリスト(2010)」などで似たような役柄を演じることが増えるのだが、どう見ても本作の彼女が一番魅力的に見える。
そんな彼らが互いの素性を隠して結婚してから5~6年経過したのが現在である。共にプロフェッショナルな工作員として働きながら、5~6年も相手の素性を知らないのも皮肉な話である。好意的に解釈すれば、当初は盛り上がった2人も次第に熱が冷め倦怠期となり相手に興味がなくなったのだろう。
そして、それぞれの殺しのターゲットが同一人物だったことで任務が失敗し、業界の掟通り相手を殺さなければならない状況となる。かつては本気で愛し合った仲。業界の掟を守らなければならずに銃を撃ったり殴り合ったりするも、次第にそれが激しいラブシーンに移行していく。この辺りはかなり力技なので、もう少し納得できる積み重ねは欲しかったと感じる。
以降は、掟を破った2人を殺す組織の連中と戦うことになる。吹っ切れたように2人は本音でぶつかり合い、仲を深めていく。結局のところ、自分が上だと思っていたジョンが、ジェーンの尻の下に敷かれるところは笑えるところである。
「喧嘩するほど仲がいい」と日本では言うが、取り繕って無難に過ごすよりかは、本気でぶつかり合って仲を深める方が良い。互いに命を狙われる危機にまで陥った2人だからもう何も怖くない。これほど絆を深められる経験は二度とできないだろう。ややコミカル寄りのテイストなのでライトに楽しむことのできる作品だが、ややパンチが足りない印象はある。キャストの魅力で何とか押し切った作品。
【音声解説】
参加者
├ダグ・リーマン(監督)
├サイモン・キンバーグ(脚本)
上記2名による対話形式の音声解説。「ボーン・アイデンティティー(2002)」の撮影中にダグ・リーマンが本作の脚本を受け取った話、初共演の主演2人の初日を冒頭のカウンセリングのシーンに持ってきた話、ヴィンス・ヴォーンを急遽キャスティングした話、予算の関係で断念したシーンの話、俳優による提案やアドリブなど多くを語ってくれる。
取り上げた作品の一覧はこちら
【ソフト関連】
<DVD(2枚組/プレミアム・エディション)>
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え(ソフト版)
音声特典
├ダグ・リーマン(監督)、サイモン・キンバーグ(脚本)による音声解説
映像特典(DVD2枚目)
├メイキング・オブ"Mr.&Mrs.スミス"
├未公開シーン集(全3シーン)
├予告編&TVスポット集
├撮影風景&インタビュー
<BD>
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
├ソフト版
├テレビ朝日版(約105分)
├日本テレビ版(約112分)
※テレビ朝日版と日本テレビ版は吹替の欠落箇所をオリジナル音声/日本語字幕で対応
音声/映像特典
├収録内容は上記DVDと同様