【タイトル】
踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
【概要】
2012年の日本映画
上映時間は126分
【あらすじ】
湾岸署管内で行われたエネルギーサミットで誘拐事件が発生。刑事による犯行を隠蔽するため、警視庁は鳥飼管理官を中心に捜査を行うことになるが、青島が徐々に不信感を抱いていく。
【スタッフ】
監督は本広克行
脚本は君塚良一
音楽は菅野祐悟
撮影は川越一成
【キャスト】
織田裕二(青島俊作)
深津絵里(恩田すみれ)
柳葉敏郎(室井慎次)
小栗旬(鳥飼誠一)
ユースケ・サンタマリア(真下正義)
水野美紀(真下雪乃)
内田有紀(篠原夏美)
伊藤淳史(和久伸次郎)
小泉孝太郎(小池茂)
大杉漣(横山邦一)
香取慎吾(久瀬智則)
【感想】
深津絵里演じた恩田は、2作目で撃たれた後遺症で苦しみ田舎に帰るという設定。勤務最終日まで上司以外の誰にも話さないというのは彼女のキャラクターからしてありえない。体を悪くしているのに、勤務最終日に体への負担のかかる夜行バスで帰るかね(というか家はいつ引き払うんだ!?)。案の定、そのバスをジャックして敵味方の位置も分からない工場に突っ込むというヤバい行動を起こさせている。あの程度のCGをクライマックスに持ってきたのも驚き。シリーズの核となる恩田というキャラクターに対してあまりにも不誠実であると感じる。
細かい話だが、前作から登場した滝藤賢一演じる王という中国人キャラクター。前作もそうだったが、明らかに頭の弱い人間として描いている。製作者側は面白外国人くらいの認識なのだろうが、中国の人からすれば差別されていると感じてもおかしくないよ。この演出について誰も気付いていない、もしくは誰も口出しできない状況ならそれはヤバい。
シリーズ通して描かれてきた「上」と「現場」の距離感。明確な答えすら提示せずに「新たなる希望」と言われても、匙を投げたとしか思えない終わらせ方である。青島と恩田で唐揚げ屋を始めて終わるくらいの方がむしろしっくりくる。
(興行的に)成功したシリーズを作り続けた作家が意識的に、あるいは無意識的に社会や人をどう捉えてそれをどう表現してきたのか。残念な面ばかりではあるが、それを知る上では観て良かったのかもしれない。というかそう思い込みたい。
【関連作品】
「踊る大捜査線 THE MOVIE(1998)」…劇場版シリーズ1作目
「踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003)」…劇場版シリーズ2作目
「踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(2010)」…劇場版シリーズ3作目
「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望(2012)」…劇場版シリーズ4作目
「交渉人 真下正義(2005)」…劇場版スピンオフ1作目
「容疑者 室井慎次(2005)」…劇場版スピンオフ2作目
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