【作品#0221】踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(2010) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!

 

【概要】

 

2010年の日本映画

上映時間は141分

 

【あらすじ】

 

新しい署へ3日後に引っ越しを控えた湾岸署警察では、引っ越し業者に紛れた何者かによって拳銃3丁を盗まれてしまう。その拳銃を使った犯罪が発生し、青島は、本庁の調査役とともに調査を始めることになる。

 

【スタッフ】

 

監督は本広克行

脚本は君塚良一

音楽は菅野祐悟

撮影は川越一成

 

【キャスト】

 

織田裕二(青島俊作)

深津絵里(恩田すみれ)

柳葉敏郎(室井慎次)

小栗旬(鳥飼誠一)

ユースケ・サンタマリア(真下正義)

内田有紀(篠原夏美)

伊藤淳史(和久伸次郎)

小泉今日子(日向真奈美)

 

【感想】

 

本作序盤に、青島は健康診断の結果、癌の可能性があることを宣告される。彼のプライバシーは軽々しく扱われ、署内で当たり前のように噂されていき、後に誤診であることが分かってもそれを彼に伝えず捜査に利用するという始末。このような設定がよく脚本として通り映画化されるものだ。青島というシリーズの看板キャラクターに対してよくもここまでのことができるな。そんな事情を知らない青島と恩田が懸命に動く姿はもはや哀れにすら見えてしまう。

 

また、署の引っ越しに乗じて署内の拳銃が盗まれてしまうという展開がある(1作目で黒澤明の「天国と地獄」をパクって、今度は「野良犬」ですか!?)。この引っ越し業務に携わった業者は「派遣で雇った人間は番号で登録しているから誰か分からない」と言う(そんなわけないやろ!!)。警察で絶対に盗まれてはいけないものを警察がこんなに軽々しく扱う訳ないし、誰を雇っているか分からない業者に頼むはずもない。なぜ3丁だけ盗んだのかも不明。コメディ映画だからって適当に描写すりゃいいてもんじゃないでしょう。

 

それから、すでに解放されいる人間を含めた受刑者の釈放要求、青島がなぜか真奈美にだけ会いに行く理由、安易な罠にかかって負傷する鳥飼(「ダークナイト(2008)」のデントをやりたかったんでしょう!?)、セキュリティの解除方法などすべてが安易だわ。

 

シリアスな状況下で外しのコメディを入れるのもこのシリーズのお約束だが、あのスカンクシーンはタイミングといい、映像的な表現力といい絶望的、壊滅的なセンスと言える。

 

1作目で捕まったキャラクターを引っ張り出し、和久の親族、調査役などの新キャラクターで登場人物を闇雲に増やし、脚本が破綻してしまっているのは前作と同じである。ネットをやってる馬鹿な若者が犯人像というのも2010年という時代を考慮しても時代遅れである。

 

【関連作品】

 

踊る大捜査線 THE MOVIE(1998)」…劇場版シリーズ1作目

踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003)」…劇場版シリーズ2作目

「踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(2010)」…劇場版シリーズ3作目

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望(2012)」…劇場版シリーズ4作目

交渉人 真下正義(2005)」…劇場版スピンオフ1作目

容疑者 室井慎次(2005)」…劇場版スピンオフ2作目

 

 

 

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