SWOTとは、
「強み=strength 」
「弱み=weakness」
「機会=opportunity」
「脅威=threat」

という4つの頭文字を取ったものであり、シンプルSWOT分析クロスSWOT分析がある。

この4つの視点別に客観的なファクト(=事実)を収集しまとめあげるのがシンプルSWOT分析
さらに、それら4つの視点を相互にクロスさせ、構造的な分析を行うのがクロスSWOT分析である。
クロスSWOT分析を実施することで、環境変化への対応法の大きな方向性を絞り込み、打ち手の優先順位づけを行うことができるようになる。

シンプルSWOT分析&クロスSWOT分析は、一般的には事業を取り巻く環境を整理し、今後の打ち手の方向性を議論する際に用いるフレームワークであり、戦略を立案する際の環境分析のパートで用いられることが多い。
このフレームを使えば、企業・事業・商品など、様々な大きさ(=レベル)での分析が可能であるため、逆に言えば、分析を始める前提として、どの大きさで分析を行うのかについて、しっかりとその範囲や定義を決めておくことが重要なポイントとなる。


2. SWOT分析のポイント

ポイント1:SWOT分析は環境分析ツールの基本中の基本

SWOT分析とは仮説の方向性を導くためのツール。
精度の高い仮説を導くために、客観的なファクトにこだわろう!
戦略を立案する際にまず行うべきは、自社あるいは自社の事業を取り巻く環境を、モレなくダブリなく(=MECE)体系的に整理することである。
こうしたツールはSWOT分析以外にも数多く存在するが、SWOT分析はその中で最もシンプルかつ活用度の高い基本中の基本ツール!
その目的は、単純に言えば、「内なる視点(強み・弱み)」と「外なる視点(機会・脅威)」の2つの視点からしっかりと現状を押さえるということ。
是非とも覚えておきたいツールの1つだ!

ポイント2:分析結果は、極力、具体的な記述を心掛ける!

SWOT分析で洗い出された項目が、「高い営業力」「高成長」という曖昧なレベルの記述では納得性が低い。
「どんな営業力が、他社よりどれくらい強いのか?」
「年率でどれくらい伸びているのか?」
など、極力、具体的で定量的な事実の記述を心掛けたい。
シンプルSWOT分析の項目の記述が曖昧であれば、クロスSWOTでメリハリのある打ち手を出せなくなるので気をつけよう!


ポイント3:自分で用意した打ち手の仮説に無理やりこじつけようとしない!

クロスSWOT分析で陥りがちなのが、既に自分たちで決めている打ち手の結論(あるいは仮説)の枠に、強引に押し込めようとすることである。
その場合、シンプルSWOT分析と、そのクロスから導いたSWOT分析の打ち手の仮説との整合性が崩れ、クロスSWOT分析結果の客観性が失われてしまうのだ!
PPM(=Product Portfolio Management)分析とは、1960年代にボストンコンサルティンググループが考案した分析手法であり、事業や商品への経営資源配分の優先順位を検討する際に用いる。

1980年代にはGE(ゼネラル・エレクトリック)社がこのPPM分析を用いて大掛かりな事業の再構築を行ったことで有名。
PPM分析は、縦軸は市場の成長性、横軸は自社の市場シェアという2軸のマトリックスとなり、
(1)問題児
(2)負け犬
(3)花形
(4)金のなる木

の4つの象限で区分される。

(1) 問題児=花形になるかどうかの見極め。花形候補には積極投資を!
(2) 花形=現在のポジションの維持・強化。将来、金のなる木とすべく、重点投資!
(3) 金のなる木=積極投資はせずに収益を刈り取る。他の事業へと資源配分!
(4) 負け犬=市場の成長が見込めないなら撤退の判断もあり得る!


PPM分析の作成プロセスと留意点

プロセス
1:PPM分析を行う前に、分析の対象の大きさを決めておく!

PPM分析を実施する際にまず行うべきことは、分析を行う対象の大きさを決めることである。
PPM分析は、「会社全体」「事業」「商品やサービス」など、どの大きさでも分析を実施することができる便利なものである。
しかし、その便利さ故に、分析をはじめる前にその対象の大きさをしっかりと決めておかなければ、必要のない無意味な情報まで集めることとなり、非効率である。

プロセス2:客観的なファクト(事業や商品データなど)を収集する!

分析をすべき対象の大きさが決まったら、その対象の大きさに応じて必要な業界&社内データを収集する。
例えば、ある化粧品メーカーA社が、連結対象となる事業全体を含めた大きさでPPM分析を行う場合、
化粧品事業、
トイレタリー事業、
医薬品事業、
食品事業
など、各々の事業についての市場の大きさやその成長性、自社の市場シェアなどのデータを収集する必要がある。

プロセス3:3年後のポジションを明確な意思に基づき決定する!

これだけ変化の激しい時代、5年先までの議論は難しい。PPM分析では3年後のあるべき姿を議論することが望ましい。
PPM分析には、経営者あるいはPPM分析を行う者の明確な意思が反映される。「どの事業を、いつまでに、どのポジションに持っていくのか?」この明確なる意思決定を下すまでのプロセスと、そのプロセスにおける議論にこそ、PPM分析の本質があるのだ!
ABC分析とは、顧客・商品・チャネルなどの売上や粗利などの絶対値を上位からランキングし、そのランキングに応じた重点管理を行うための分析手法の1つ。

最重要ターゲット(=Aランク:プラチナ:全体の10%程度)、
重要ターゲット(=Bランク:ゴールド:10~15%程度)、
中間ターゲット(=Cランク:シルバー:20~30%)、
普通ターゲット(Dランク:ブロンズ:10~15%程度)・・・

というように、5ランク~6ランクにターゲットをセグメントする。企業のマーケティング活動の優先順位や商品・店舗のスクラップ&ビルドなどの対応を考える際の参考データとして活用されるケースが多い。

分析理論上は直接的な関係はないものの、ABC分析について述べられるときにほぼ必ずと言ってよいほど話題に上がるのが「20/80の法則」である。いわゆる、「ニッパチの法則」だ。
例えば、航空会社やクレジットカード会社のABC分析を行うと、その利益の80%が上位20%の顧客によってもたらされているケースが多いという。
他の業界を見ても、こうした結果が該当する商品・顧客・店舗などが多いため、そこに一定の法則性があるのではないか?ということで、「20/80の法則」と呼ばれている。

ABC分析のポイント

ポイント1:分析を行う目的を明確にする!

ABC分析を行うときに気をつけなくてはならないのは「何のために分析を行う のか?」という目的を明確にすることである。
分析の目的は、「真に自社に利益 をもたらす顧客の見極め」なのか、「適正な在庫管理」のためなのか、「収益性 の高い商品の見極め」なのか。
ABC分析を行う目的に応じて収集&分析すべき データも異なれば、その後の戦略上の打ち手の方向性も全く異なったものとなる。
分析前には必ず「何を?」「どうするための分析なのか?」という明確な目的意識 を持ち、一定の仮説を用意しておくべきである。


ポイント2:ランク付けの考え方を明確にする!


ABC分析において最も重要なのは、分析結果そのものではない。
分析結果を 俯瞰的かつ客観的な視点から整理し、何をAランクとし、何をBランク、Cランクと するのか。
ランキングの定義や尺度、すなわち、ランキングに関する考え方その ものがABC分析において最も重要な要素である。
つまり、ランキングの定義や 尺度の設定の仕方そのものが、戦略的な意思決定であるといえるのだ。

ポイント3:分析結果(=ランキング)を踏まえ、意思決定を明確にする!

ランキングの考え方を明確に決めたあとに気をつけなければならないのが、ランキングに応じた打ち手に明確なメリハリを付けるということである。
たとえば、顧客 の収益性を明らかにする目的で行ったABC分析で、全体の20%の顧客が収益 性の低いDランク顧客であると定義されたとする。
その場合、Dランク顧客をCラ ンク顧客に引き上げるための施策を検討するのか?
Dランク顧客を見切る方向で 施策を検討するのか?
ここで明確なメリハリ、つまり、経営としての明確な意思決定を行う必要があるのだ。
競争戦略をつくる際の決め手は、企業を、その企業を取り巻く環境との関係の中で見ることである。
5Forces分析とは、ハーバード大学のM.E.ポーター教授によって唱えられたフレームワークの1つであり、業界の競争状況や収益率は、

(1)新規参入業者
(2)競争業者
(3)代替品
(4)顧客(買手)の交渉力
(5)供給業者(売手)の交渉力、


という5つの要因(=5Forces)によって決まるという考え方である。

5Forces分析は、様々な業界に活用可能なフレームワークとして、発表から20年以上経過した今でも、多くの戦略分析家によって活用されている。

5Forces分析のポイント

ポイント1:定期的に分析を行い、不確実性の時代を乗り切れ!

不確実性の時代において、5Forces分析は、迫り来る脅威をあらかじめ予知し可能な限りそれらに備えることができるという点で非常に意義深いものである。
技術変化のスピードが速く、法改正が頻繁に行われ、M&Aなどの大型提携が日々行われるような現代においては、定期的に5Forces分析を行い、適切な競合・脅威の見極めを行うことが大切だ。
最低でも1年に1度は実施すべきだ。

ポイント2:分析内容は「俯瞰的に、モレなく!」が基本!

5Forces分析は、そのフレーム自体は5つの競争要因でモレなく分析できるものとなっているが、各々の要因についても、当然、視点のモレがあってはならない。
例えば、『新規参入の脅威』について分析する際には、
「規模の経済性の有無」
「製品の差別化度合い」
「参入障壁の高さ」
「仕入先のスイッチング・コスト」
「流通チャネル確保の困難性」
「政府や政策上の制限の有無」
「予測される報復」
など、幅広い視点からの様々な分析が必要になってくるのだ。

ポイント3:分析結果を活かし、最良の防衛ポジションを築け!

5Forces分析を進めていくと自ずと自社の長所と短所が見えてくる。効果的な競争戦略とは、5つの競争要因ごとに防衛可能なポジションを創り出すために、攻撃あるいは防衛のアクションを打つことを意味する。
つまり、戦略には攻めの戦略と守りの戦略があるのだ。業界の構造を与件として捉え、それに会社の長所短所を上手く適合させていくことが大切だ。
現在の企業を取り巻く環境は、これまでに日本企業が経験したことのないようなスピードで、かつ、非常に複雑な形で変化している。

そうした環境変化のトレンドを、漏れのない視点で押さえるときに使う枠組み(=フレームワーク)の1つが3C分析。

3Cとは、Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の3つの言葉の頭文字を取ったものである。

さらに、卸や代理店など、流通チャネルの構造が重要な意味を持つような業界においては、Cannel(流通チャネル)を加え、4Cの視点で環境変化を押さえることもある。


市場変化や顧客の動向は、競合他社の環境や自社の事業環境を大きく左右する。

言い方を変えれば、競合や自社を取り巻く環境は、市場と顧客を取り巻く環境の変化によって規定されると言える。
だからこそ、環境分析はより大きな視点から行うことが大事!

3C分析は、まずは市場・顧客の分析から始めよう!

3C分析を行う際に絶対に気をつけなければならないことがある。
それは、自分が集めやすい情報だけを集めてしまうことだ。
本来は「集めやすい情報」ではなく、「集めるべき」情報を集めなくてはならない。
集めるべき情報を見誤ると、分析結果から導き出されるファインディングが全く異なったものになってしまい、環境変化の動きそのものを見誤ることに繋がるので注意が必要だ。

3C分析を行う際には、3つのCの視点のバランスを取ることが大切だ。
市場の競争状況が非常に激しい場合、とかく陥りがちなのが、競合動向だけに意識を集中し過ぎてしまうことである。
競合だけに意識を奪われていると、本来、一番大切な視点であるはずの顧客の視点がなおざりにされてしまう。

3つのCのうち、どれか1つだけに視点が偏ってしまうことは避けるべきである。