『민용 MIGNON』愛と再生の物語 | 風と木の主婦日記

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ドラマや映画をいろいろ見つつ、小説、コミック、音楽ネタや舞台についても書きます。
好きなものはBL、ブロマンス、ときどき百合。韓国BL強力推し。GagaOOLala民。
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このアニメ、良すぎる!!


▼前回記事(Vimeoリンク、概要、ネタバレなし感想)

『민용 MIGNON』


ミニョン、と読みます。


8月11日にVimeoで公開された韓国のBLアニメです。


4回見ました。


見るたびに痛くて切なくて…
泣けて泣けて仕方なくて…


うわぁあああー!!!


たった1時間のアニメなのに私の心をがんじがらめにして離さない。


韓国BLアニメってとんでもねぇ!!!




これは愛の欠落と救済、そして再生の物語です。


孤独な魂がお互いを求め合い、初めて生きる意味を知る。愛によって生まれ変わる、生き直す事ができる、絶望の中で見つける希望の物語。


そう、私ら世代が知っているあの頃の耽美、やおい、ジュネの精神性がここにあります。


この孤独を、哀しみを、そして愛という救いを、私はずっとずっと待っていました!!




前回記事でも書いてますが、とりあえずみなさんに分かりやすいようにお伝えします。



「ミニョン」は孤児のボクサー×バンパイア医師のBLです。



まずはざっくりな人物紹介とあらすじを語らせて下さい。



※後半ネタバレ注意




こちらは主人公のミニョン。
筋肉に覆われた189センチの身体を持つイケメン青年。

ミニョンは幼い頃に両親を亡くしている孤児です。ミニョンがコーチと呼ぶのは養父。昼間はミニョンに自動車整備の仕事をさせ、夜は賭博格闘場で闘わせ金稼ぎの道具としてこき使っています。



四六時中ミニョンを殴り、罵倒するコーチ。それでも唯一の親代わりの彼にミニョンは決して反抗しないのです。



辛い毎日でも屈託なく明るいミニョンの日々の楽しみは、格闘技場で働いている医師オ・ヨンウォンに会うこと。



ミニョンが先生と呼ぶ彼は色白の美形青年。格闘場で怪我をした選手を看ています。


ミニョンは先生に密かに片思い中。先生にかまってほしくていつもまとわりついているミニョンですが、ツンな先生には軽くあしらわれてばかりです。


いつもクールな態度の先生。でも実はミニョンを気にかけ心配してくれる唯一の存在なのでした。




年下ワンコ系のミニョンとツンな美形先生のやりとりは可愛くて、このまま恋が少しずつ進展すればいいのに、と思うのですが…


ある日ミニョンはふとした事がきっかけで先生の秘密を知ってしまう。



なんと先生はバンパイアだったのです…!


血が必要な先生は格闘場で血液を手に入れているのでした。


ミニョンは、決して誰にも正体を話さない、先生が血液を手に入れやすくなるよう、自分も試合で勝つから、と約束します。



毎日のトレーニングと先生の力になりたい一心で勝利を積み重ねるミニョン。


しかしそんなミニョンを利用しようとたくらむ黒い影がちらつくようになり、ミニョンに降りかかる災難は先生までも巻き込んでしまう…




たぶんここまで読んだみなさんは、うわぁこれ絶対バッドエンドのやつだ!と絶望してると思いますが大丈夫!



ハピエンです。



だけどね!!



ハピエンなのに涙が止まらない!

切なくて切なくてたまらないの!!



見終わった後は幸せなのに泣きたいような気持ちがずっと続くのはなぜなのか。



私がミニョンに心を揺さぶられまくっているのは、これが孤独な二人の物語だからです。



愛を知らず殴られ利用されボロ切れのように使い捨てられる人生を生きるミニョン。





「瞬く間に消えてしまう命だ。ミニョンみたいな子は」



格闘場のオーナーが先生に言う言葉です。



だからあまり深く関わらない方がいい。刹那の縁だ、と忠告します。



誰からも愛された事がない。親の愛も知らない。もしその命が消えても悲しむ人は誰もいない。



それがミニョンの人生です。その命のなんと軽いことか。



コーチに対しての無抵抗も無力な幼い時に暴力で屈服させられたためなのでしょう。体が大きくなっても叱られると正座して子供のように萎縮する姿が悲しい。





そんなミニョンにとって先生は初めて優しさと思いやりをくれた人でした。



誰かが自分を気にかけてくれる。人はそれだけで生きていく事ができます。



自分を大切にしてくれる唯一の存在。ミニョンにとって先生が全て。先生しかいない。灰色の世界でたった一筋の希望だったのです。



そしてまた先生も孤独な人でした。



永遠の命という宿命を背負ったバンパイア。



大切な人は自分を置いて先にいなくなる。永遠の命とは永遠の孤独でもあるのです。



もう悲しまないように、傷つかないように、そうしていつしか人と深く関わることを避けるようになった先生。



※ここから決定的なネタバレ注意



そんな二つの孤独な魂がやっと出会えたのに…



残酷な運命から逃れられなかったミニョンが生と死の間で見たのは先生が差し伸べる手でした。



その手に導かれるように歩み寄るミニョン。

そしてミニョンの体に起きる変化…






陽の光を浴びる事もできず、血を飲み、永遠の闇を生きるバンパイアとしての生を受けたミニョン。



先生と新たな人生を歩み出そうとするラストのミニョンの笑顔に、毎回胸が痛みじんわり泣けてしまう。



本当は明るい陽の光の下で好きな人と笑い合ったり、美味しいものを食べたり、そんな幸せを過ごさせてあげたかった。



だけどもうミニョンは闇の中で生きることも怖くないかもしれません。



どんな暗闇でもそこにあなたがいればいい。

ミニョンにとって先生こそが光なのだから…





ミニョンが初めて知った愛すること、愛されること。



そして二人が初めて交わす愛。



本当に見てほしい!ぜひVimeoでご覧ください!!



※重要情報追記

制作会社の公式Twitterによると『민용 MIGNON』はクリエイターの元所属事務所との問題で2023年8月24日(木)23時から購入できなくなるそうです。サービス再開時期も未定のようなので、気になっている方は早めに購入した方が良さそうです。(購入後はサービス停止中も視聴可)


▼公式Twitter

 


※2023.10.29追記

Vimeoでの配信が停止していた「ミニョン」ですが2023.11.1からLAFTELで独占配信スタートすると発表がありました。


 ▼LAFTEL公式Twitterによるアナウンス

 





▼前作「過呼吸」も名作です