万歳橋 (飯田市下瀬) | 手当次第

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気になる所にいってみる

飯田市と下條村の境をなす阿知川にかかるコンクリートアーチ橋、万歳橋(まんざいはし)です。
 

 
現在の151号線は昭和47年に完成した万歳大橋で川を渡りますが、それまでは今回紹介する100mほど上流の万歳橋が国道のルートとなっていたようです。
 
万歳大橋の西詰から旧道へ入り、元国道とは思えない急傾斜の狭いS字カーブで一気に谷を下って万歳橋へ。
 
途中で万歳大橋のアーチををくぐります。
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この後で真横から見たら割とつまらなかったんですが、この角度だと悪くない。
 
もいっちょ。
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しかしせっかく旧橋まで降りてはみたものの、アーチを収める横からのアングルがとれる場所がありません。
 
撮れてもこんな風に木が邪魔になってよく見えない。
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とりあえず北詰からの万歳橋。
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欄干際に生えた草からもわかるように、現在は通る車もほとんどないようです。
 
南詰のすっかり錆びた看板が逆に味わい深い。
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北詰には同じように飯田市のものがあります。錆び具合も一緒。
ちなみに「下條村」と人偏をつけるのが正式ですが、これは道路標識用の表記なのかな?
 
南詰には、川へ突き出た岩の上へ民家が一軒建っています。
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橋を横から撮るにはこのお宅の敷地がベスポジと思われますが、あいにく留守(住んでない?)のようで願いは叶いませんでした。
 
実はこのお家は万歳橋に大変関わりが深いので後ほど再登場します。
 
 
仕方ないので高さ55mの万歳大橋の上から見ることに。
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アップで。
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…うーん、あんまり好みじゃない。ここまでひっぱっといてなんですが。
 
いや上路式開腹アーチなんでいいことはいいんですが、支柱が板状になってるのがイマイチ。
黄柳橋郡界橋みたいな細い柱で支えてる方が昔の木造橋みたいで個人的には好き。
 
 
万歳橋の銘板は無くなっていて現地では竣工年が分かりませんでしたが、『国道一五一号線一五一話』によると昭和10年とのこと。
これ以前には明治29年に木造で初代万歳橋が架けられており、この橋は2代目となります。
 
そして橋名の由来は地名などではなく、先ほどのお家の所でかつて営業していた『萬歳館』という旅館から名づけられたそうです。
戦前にはすでに廃業していたそうで、現在の住人の方と関係は不明です。
 
確かに、ぐるっと川に囲まれた部屋からの眺めは面白そう。
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コンクリートアーチ橋としては期待ほどではなかったですが、現橋や周辺の環境との合わせ技一本!ってな感じでいい所でした。
 

おまけ。
 
一枚目の写真の後ろに「阿知原の湯」と書かれたガレージがあります。
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上掲の本によると、ここから川べりへ降りたところで昭和56年まで営業していた旅館があったそうで、行ってみると建物の基礎らしいものが残っていました。
 
本当に川が目の前という場所なのでこちらもさぞ眺めが良かったろうと思われますが、今はすっかり草に覆われていました。