独断と偏見まみれのショパコン備忘録 三次予選2日目 |  田舎女 *ぽこ* のなんてことはない日々

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   思いつくままに。

第19回ショパン国際ピアノコンクール

三次予選2日目(2025.10.15.)

昼の部の動画

夜の部の動画

主な感想を書きます。

 

 

この日に出場予定だった Eric Lu(アメリカ27歳)は

体調不良のため最終日(=翌日)の最後に

出番を繰り下げたようです。

「体調管理も演奏(実力)のうち」などと

すぐさま予選落ち確定にするのではなく

できるだけ演奏の機会を作る配慮は

優しい世界でいいなと思うのですが、

もともと最終日が出番の奏者だったら

どんなに体調不良でも延期できませんよね。

体調不良のまま演奏するか、出場辞退するか・・

どちらにせよ諦めるしかないのでは?

それでは不公平感がありますね。

平等な条件で公平に演奏・審査されるような措置が

誰に対してもきちんと行われると良いのですが。

部外者の私としては、奏者の皆さんが

体調を崩さずベストを尽くせるよう

祈ることしかできませんけれど。

 

天才少女として話題沸騰の Tianyao Lyu(中国16歳)

素直で明るい音色は安穏の表現に向きますね。

ソナタの後に笑顔を浮かべて気分を変えスタートした

子守唄などには彼女の音はよく合うと思いました。

ただ悲哀や絶望などどん底に落ちるような表現は

少し足りないかなと感じました。

16歳の人生経験では難しいのかもしれないし

ファツィオリというピアノの性格もあるかも。

終演後の大歓声に顔を好調させて応える姿が

とてもかわいらしかったです。

 

Piotr Pawlak(ポーランド27歳)は圧巻でしたね。

ひとりだけ別格というか、別の世界にいるみたいでした。

自信に満ち、リラックスして楽しんでいる様子が

音や表現にも表れ、煌びやか&深みのある美音で

それぞれの曲想が申し分なく表現されていました。

マズルカはリズムが驚くほど元気よく跳ねていて

これが本場のマズルカかと目が覚めた思い。

ソナタは迫力満点で推進力が凄まじく

あっという間に終わってしまった感じ。

演奏後とても満足して幸せそうな様子が印象的でした。

 

Yehuda Prokopowicz(ポーランド19歳)

しっとりと包容力あるマズルカで演奏スタート。

後半の切ない響きもとても美しく、

19歳でこの落ち着き・表現力には脱帽です。

続くスケルツォはとても優美で上品な仕上がり。

終盤の上りシークエンスでミスタッチが出て

不協和音が響いてしまったあの一瞬は残念でしたが

1音1音の響きを大切にするような

彼の演奏スタイルは大好きです。

選曲自体が落ち着いている上にラストがソナタ2番、

絶望の淵で胸をかきむしるような印象を残して終演とは

あなた本当に19歳?

実はピオトルの演奏で少し食傷気味だったので

(本当に素晴らしかったけどグイグイ迫ってくる

 演奏に圧倒されっぱなしで苦しかった・笑)

イェフダのようなじっくりした演奏は

私にはありがたかったです。もうトシね(笑

 

進藤実優(日本23歳)

温かいかと思えば不穏な響き、

懐かしさに浸るかと思えば切なさがチラリ、

堂々とした響きの直後に怯える心、

悲しみのどん底のすぐ隣には喜びと安堵、

多くの感情がない混ぜになったマズルカで演奏開始。

この複雑さこそショパン。

しっとりと聴かせた後は

椅子の高さを調整し直して気分を変え

切迫感のある響きでソナタを開始。

こちらもまた感情の洪水です。

「葬送」の絶望と安らかさのコントラストは極上。

その後で素人的にはなんだかよくわからなく

なりがちな(笑)フィナーレですが、

彼女の演奏は響きがクリアで美しく

小さな波がいくつも押し寄せては消えていきながら

徐々に心が落ち着いていき決然とした最後につながる、

そんなイメージが見えました。

まだあと1曲残っているのにもかかわらず

思わす会場から拍手がわきましたね。

清らかさと温かさが溢れ出すスピアナートには

目頭が熱くなりました。

ポロネーズ部分はキュートで優雅。

ピョンピョン跳ねるリズムが快活で軽やか。

スピアナートで滲んだ涙は乾き

私も笑顔になって自然と体が揺れます。

憂いを帯びた響きは美しくうっとりします。

フォルテ部の迫力が少し弱い気もしましたが

どこまでも柔らかく優しいのが彼女らしさ。

そこをわかってちゃんと評価していただきたし。

わかってますね?審査員の方々!(圧

演奏とは直接関係はないのですが

ステージごとにルージュの色が違いますね。

気分や曲想に合わせているのでしょうか。

一方でドレスはずっと上品な光沢のある黒をお召しで

引きで見るとピアノと一体化して見えます。

彼女の心の中の想いがピアノを通して

あふれ出ているみたいに見えるなと思いました。

 

 

今回のショパコンに関する記事の

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東京で夫が買ってくれたお菓子。

ちょっとずついろんな味が楽しめるって

気分上がりますよね〜。

どれからいこうかな 音譜