バリアフリーマップをつくる旅 -5ページ目
サファリパーク。

野放しにされた動物たちの住みかを、マイカーで周遊する動物園。


この方式、車⇔車椅子の乗り降りが伴わない分、楽チン。


ということで早速ツアーを開始。


  バリアフリーマップをつくる旅


キリンのゾーン、


でかい舌で窓をベロベロ、おかげで洗車したてのガラスはドロドロ。


シカ(大)のゾーン、


とがった角で車体をゴリゴリ、おかげでドアには長さ30cmの引っ掻きキズ。


シカ(特大)のゾーン、


ドアミラーを喰いちぎろうと両サイドからガブリガブリ、おかげでミラーは前ならえ。


ライオンのゾーン、

オスを写真に収めようと停車させると、メスが狩りの体勢で忍び寄る。

逃げるように発進させたおかげで虎の子の1枚は手ブレで使いものにならない。


秋で食欲を増してるのか、

そして障害を負ったヒトは恰好の餌食なのか、

ちょっとワイルドなドライブスルーの旅だった。

行ってみよう、行ってみようと思いながら過ぎた20年の時。

ヴァージンを捨てる日がついにやって来た。


生サッカー観戦。

Jリーグ、3位浦和レッドダイヤモンズvs4位鹿島アントラーズの試合。

シーズン終盤のデッドヒート。

この試合に勝った方だけが優勝争いに残れるシビアな局面、引き分けでも共倒れになるシリアスな状況。


  バリアフリーマップをつくる旅

浦和の組織的プレーがどうのとか、


鹿島の大迫が放ったボレーシュートがどうのとか、


中学生レベルの経験値で云々するのもアレなので、


とりあえず結果はこの通り。



印象的だったのは応援スタイル。


浦和のサポーターは、オーソドックス。A代表のイメージに近い感じ。統率がとれ、アウェイを感じさせない声量と圧力。


一方、鹿島は個性的。ドクロの旗、スネアドラムが刻むマーチのリズム、半裸で拳を突き上げる男たち、


どう見ても鹿島灘を根城にする海賊のてい。


真っ赤に染まった4万人の雄叫び、スタジアム全体をヤバイ雰囲気が覆ってゆく。


  バリアフリーマップをつくる旅

それを受けるかようにピッチの上も荒れはじめ、


ボール際ではラフプレーが当たり前、


試合が止まってようが、そこかしこで小突き合い。


向こうで浦和の選手二人が地ベタで悶絶してる


かと思うと、


こっちではレッドカードをあげる審判に詰め寄る鹿島イレブン。



初体験。


知らない世界を垣間見てしまった。

  バリアフリーマップをつくる旅 今回の行き先はみちのく、福島。

新型新幹線E6系に乗って。


レール幅は1m43cm5mm、国際規格の奥の細道。



この新型、秋田へ行くミニ新幹線としても

使われるので、車両の幅は狭い。

客室内も座席は2列+2列の並び。


でも、車椅子トイレはフル規格のE2系なんかと比べてもはるかに広い。


デッキの通路をカーブさせることで、トイレのスペースを確保しているのだ。


こういう技術革新が人知れず行われていることには頭が下がる。



そしてもう一つ、福島で楽しみにしていたことがある。


福島競馬場の見学。


開催中ではないが、週末なので場外馬券が発売されている。


恐らくガラガラの競馬場、バリアフリー調査にも、綺麗なターフを眺めるにも都合が良い。


事前の調べではバスで10分程、便数も1時間に何本かは出ている。




  バリアフリーマップをつくる旅 駅前調査を終え、準備万端バスロータリーへ。


しかし、バスを見た瞬間、嫌な予感。


車椅子を乗せられるノンステップ型ではない。


運転手に聞くと、福島ではほとんどのバスが


高床でステップのある旧式だという。



仕方がない、諦めよう。


それにしてもこんなバス、東京ではもう何年も前に絶滅しているのに・・・。


引き返そうとしたとき、バスの中から2人の男が降りてくる。


「どごまで行ぐの?」


「競馬場だったんすけど・・・」


「俺らも競馬場だ」


確かに手には丸められた新聞。


「俺らが乗っけでやっからよ」


捨てる神あれば拾う神ありだ・・・


しかし・・・


「ありがとうございます、でも、またにします」


「な~に、遠慮すっことね~べ、2人いれば簡単に上げられっべ」


「行ってしまうと、帰ってこられなくなるんで・・・」

「最終レースが終わったら、また乗っけるがらよ~」


「あ~、1・2時間で帰えるんですよ。観光できただけなんで・・・、ありがとうございます」


「あ~、そっか~、んだらな~」


2人はバスに戻っていった。



バリアフリー・・・、


技術革新が進む裏側で地域格差は広がってゆく。


でも、それはインフラの話。


少なくてもこの地には、まだまだそれを埋めるだけのオールドスクールな日本が残っているようだ。


バリアフリーマップに載せることが難しいたぐいの話だけど。