バリアフリーマップをつくる旅 -28ページ目
いま東京湾にいる。陸地ではなくて海のほう、底ではなくて表面のほう、泳ぎではなくて船の上。

秋というより夏に近い天気の中、ドライブがてら東京湾フェリーのバリアフリー調査にやってきた。
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車椅子になってから初めての船。

ベタ凪だがバランスがちょっと陸の感覚とは違う。

でも甲板の上、潮風と太陽、黒くて深い海を間近に

感じることは、やはり気持ちよい。

客室内の通路も広く、混んでなければ好きな

ところへ移動して、接岸シーンや碇を巻く作業なんかも自由に見られる。


あっという間に久里浜へ到着。せっかくなので横須賀の街へ繰り出すことにする。

市街地までは車で20分、途中の小さな岬で絶景に出会う。

  バリアフリーマップをつくる旅 不意を突かれて少しだけ涙が出た。

しかし噴出してくるいろんな感情は胸の奥に

押し込めて「どぶ板通り」を目指す。


ペリー来航から160年、そっからず~っと

海軍の街、横須賀。

港には軍艦、通りには米兵がわんさかいる。

建ち並ぶバーの中を覗いてみるともはやニッポンの色はみじんもない。

ガラスに張られたチラシには「Chu-Hi $5」の文字。

Heyブラザー!もしや治外法権まで実施中ではないだろうなぁ。


なんとか雰囲気ぷんぷんだけどビギナーにもセーフな感じのお店に辿りつく。

ご所望のネイビーバーガー with ビール(ノンアル)を発注。

出てきたモノはボブ・サップの顔の半分はあろう巨大な物体。

  バリアフリーマップをつくる旅 挟まってるのは肉塊・ベーコン・チーズ・目玉焼き・

トマト・レタス・オニオン。

野獣と化してほっぺから顎までベドベドになりながら

むしゃぶりつく。

そう、ここは戦場に一番近い街なのだ。

そして俺だってオトコなのだ。

厳しい持久戦にはなったものの何とか攻略して作戦終了。

しかし殺人的ボリュームだった。
羽田空港への乗換えでおなじみの浜松町。

近くには徳川家の鷹狩場だった浜離宮と、同じく徳川家の菩提寺である増上寺なんかのある江戸臭が漂う街。

山手線を降りると、モノレール連絡口を通って、モノレール駅のエレベータで外へ出る。

JRは車椅子で通れる自前の出入口を持たない。


久々に降り立った午後遅い刻の浜松町。

海側はお天道様に照らされるハイカラなビルの光景。一転、陸側は鳥居と東京タワーの先っぽ、昔ながらの景色。

懐かしさに駆られてちょいとだけ街巡り。ひと頃に比べると立ち飲み屋が目立つ。

大体が車椅子には高すぎるカウンターの店だが、一軒の老舗の裏口にはテーブル席がある。

ちょいと立ち寄り、串で一杯ひっかける。軟骨のコリコリと甘辛いたれに舌鼓を打つ。

  バリアフリーマップをつくる旅 後ろ髪をひかれつつも江戸っ子よろしくサクッと

席を立つって~と、すかさず調査を再開。

地下鉄へと潜入する。


地下鉄の駅名は浜松町ではなく「大門」。

もちろん増上寺の総門に由来する。

大江戸線の開通によって乗換はべらぼうに便利になった。エレベータも浜松町駅の近いところに建てられた。

本郷や両国などかつての江戸の領界を走る大江戸線。

リニア技術の採用やいち早くホームドアを設置したことで有名だが、バリアフリー面でも優れている。
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車椅子スペースのある4号車後部と5号車前部のドア、

ホーム‐電車間の隙間と段差を最小限まで

無くしたことで、わずかなキャスター上げが

できれば単独で車椅子での乗降が可能なのだ。

障害者の自立とかお固い話しも結構だが、

こういうバリアフリー、ふら~っと一人、電車を利用できるって何とも気分のよいことである。


※単独での乗降、カーブしている駅には段差や傾斜があるので、無理せず事故の無いようにネ。
新宿西口といえば高層ビルに家電量販店、横丁の飲み屋街。

  バリアフリーマップをつくる旅 それともう一つ、バスターミナル。

色とりどりの路線バス、2F建ての巨大な高速バス、

ド派手な外装のツアーバス、コンパクトでかわいい

コミュニティバス、サラリーマンの最後の砦深夜バス。


バスと車椅子とは一見、相性悪そうだが、最近、

いわゆるノンステップバスと呼ばれる低床型が普及してきてことで、乗り降りの煩雑さが軽減され、ちょうどいい路線と

便数さえあればけっこう便利に使えるようになったのだ。

今回、ロータリーで路線バスを数十台チェックしたが、どのバス会社でもすべて低床型に切り替わっていた。

全国的にはどうなのだろう?
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ノンステップバスの乗り方は写真(→)+下記(↓)の通り。

①ドアにスロープ板を渡す。
②座席をたたんで車椅子スペースを作る。
③車椅子のタイプや身体状況によっては固定具で止める。

以上、調査終了。


ちょうどお昼ということで、新宿西口の有名ラーメン店へ。

数年前に改装され全席固定スツールのカウンターになっていったが、端っこに1車幅分のスペースを見つけ、お店の人に
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無理を言って使わせてもらう。

メニューはもちろんチャーシュー麺。

分厚いを通り越したブロック状の肉3塊。

この一杯だけで昨年1年間のチャーシュー摂取量を

軽くクリアしている。

カウンターが高くちょっとつらかったが、無理を押しでも食べるに値する。

しかし美味しいもののためにはバリアとか一切関係なくなるこの貪欲さって・・・。