この山旅記録で一番書きたくないパートに差し掛かった。
この山旅記録を1年も書く気になれなかったのは何と言ってもこの部分とその次の部分を思い出したくないからだ。
でも記録なのであまり面白くないと思うけどさくっと書こうと思う。
2日目。登頂予定日。
この日は前日の自分の遅さを考えて出発を早めにお願いしていた。
4時頃そっと起きて他の人と起こさないように荷物を全部抱えて下に降りて身支度は全部下でした。
トイレや洗面所が客室と一体になっているというのはいい面もあるけど悪い面もある。
たぶん出発したのは4時半頃。真っ暗なのでしばらく写真はない。
早い時間の出発にしてもらったものの、正直、登頂は無理だろうなという気もしていた。
本来4時間で来られるオルデサ渓谷からゴリッツ小屋までの道を6時間かかってる。
そして今日は登頂して小屋に帰ってきた後さらにそこからオルデサ渓谷の駐車場まで帰らなきゃいけない。
今日はサビニャニゴ宿泊予定なのでバスや電車の時間を気にする必要はないけど、問題は体力。。。
小屋の横手の斜面を上がっていってしばらく進んでいたらようやく夜が明けてきた。
雪は少しは締まってくれているといいなと思ったけど、結構ずぼずぼで足を取られてしんどい。
出発当初はせっかく来たんだから登頂したい、とそれでも少しは思っていたけど、あまりにずぼずぼで進めず無理かも、という気持ちがどんどん大きくなってきた。
昨日も何人かは登頂しているはずなんだけど、トレースらしきトレースが見当たらなかった。
結局、ガイドと「この時間までに基部についていなかったら引き返す」と約束した時間までに基部には辿り着けず。
「登頂はあきらめる。適当な所で引き返す」と伝える。
それがここ。
たぶんあの向こうが山頂。ほんとはあそこまで行きたかったけど。。。
タイムアップだ。残念。 標高3,355mのうち2898mがこの旅のわたしの限界。
モンテペルディドは遠かった。
しばらく休憩した後に引き返す。
昨日のバテっぷりで、まぁ無理だろうなという気持ちが結構あったので、そんなに残念ではなかった。
スロバキアの時と違って天気も良いし景色は最高だし。
これが楽しめただけでもこの旅の価値はあった。
さよならモンテペルディド。
またいつか来たい。今度は一人で。
渓谷の向かいの山。トレースみたいなのがついていたけどあっちも登れるんだろうか。
宿泊していた人達のうちスキーヤーっぽい人達はペルディド山のルートとは反対側に行っていたので、もしかするとスキー用のルートがあったりするのかもしれない。
行きはあんなに苦労した気がするのに帰りはあっという間だった。
ゴリッツ小屋に到着してしばらく休憩してから犬に別れを告げて下山開始。
そういえばこの通常ルートは怖い所難しい所は全くなかった。
私が行けなかった先、山頂方面に1カ所怖い所があるとガイドさんが言ってたけど。
行ってもいない身でこんなことを言うのもあれだけど、Youtubeなどで通常ルートの登頂動画を見る限りそんな難しいところはなさそう。
唯一ちょっとスリリングかなぁと思うのは観光ルートから登山ルートに入った直後にあるこの岩場。
この時ちょうど例の家族連れが下りようとしていて、後から来た小屋番さんと犬に道を譲ってた。
さて。ここまでは良かった。
問題はこの後に発生した。
予め強調しておくけど、この滝の所からオルデサ渓谷駐車場までは一般観光ルートになっていて、山用装備がない普通の観光客でもこの滝の所までは来られる。
迷うようなところはたぶんない。
その滝の所を過ぎたあたりから、なんか、ガイドが急いでいるのかな、という気がし始めた。
何故ならガイドと私の距離がどんどん開いていく。
私は、登頂は無理だったとはいえせっかく来たのだから景色を楽しみたいし、あれは何とか色々ガイドに聞きたいこともあった(何故なら行きはその余裕がなかった)。
でもガイドが気づいたらはるか先にいるのでそれができない。
最初距離が開いた時は、少し先に行くとガイドは待っていた。
「トイレに行きたかったんだよね」と言われてそうか、と思った。
でもまたすぐにガイドの距離が開き始める。
一生懸命歩いて追いついてようやくちょっと先に再び道端に座ってるガイドの姿が見えた、と思ったらガイドは私を認識したとたん立ってまたすたこらさっさと歩き始めてしまった。
正直、は?と思った。
でもまぁ私が遅いのは事実だしガイドは昨日からちょっと私の遅さに苛立ってる部分はあってそれは申し訳ないと思ってるし、なんか今日も早めに帰りたいみたいなことを言ってたから待たせるのはな、と思って必死に歩いてたんだけど、しばらく経ってガイドの待っている姿が見えてまたガイドが私を認識した途端さっさと歩き始めて去っていったのを見て、 もうええわ、 となった。
そりゃ別に観光ルートだから迷うようなところも危ないところもないよ。
でも私は登頂できなかったとはいえ、景色を楽しみたいし色々この辺りについて聞きたかったよ。
いやまあ、ガイドさんの仕事というものは顧客が安全に登山できるようサポートする登山ガイドであって、ツアーガイドじゃない、というのはわかってるけどさ。
でもちょっとお金にさもしい本音を言わせてもらえば、私は本来400ユーロしないツアーに700ユーロ以上払ってるんだよ?
なんで本来払わなくていい700ユーロも払ってこんなガイドの機嫌を伺い必死に追いつこうと頑張ってるんだ?
と思ったら、もう、追いつくのやーめよ、と思った。
もう急ぐのはやめた。
写真だって好きなだけ撮っちゃうもんね。
これたぶんスペインの登山道の標識。
ガイドが待ってる?知らんわ
朝4時半からの行動でかなり疲れていたので、終盤は我ながら歩くペースが落ちた。
でももう急がない。
ゆっくりゆっくり、3回くらい休憩をはさみつつ、何とかオルデサ渓谷駐車場到着。
疲れてたけどガイドのいない最後の数時間は超快適だった。
ガイドは既に待っていないんじゃないか、という気も若干してたんだけど、さすがにそれはなく、一応車の中にガイドはいた。
ガイドは無言。私も無言。
装備を外して車に乗り込んでしばらくして、ガイドがぽつんと「ああいう平坦な道って僕疲れちゃうんだよね」と。
え?それが客を置いていった言い訳?
ガイドの機嫌を損ねるとサビニャニゴまで送ってもらえないかも(一応送迎代払ってるけど)、というチキン心が働き「そうだよね。わたしもだよ」と言ってみたものの、心中は「は?は?は?」だった。
サビニャニゴに近づくにつれてガイドの機嫌も回復していき、「今年の夏はシャモニーにいるからツアーとか興味あったら連絡して」と言われて「うん、またね(誰がするかよ)」とガイドとお別れ。
終わったことだからもう忘れよう、と思ったものの、ホテルについた後も、もやもやは残った。
このガイドさんは、コロナ前は日本から定期的に来る日本人の固定客がいてヨルダンに一緒に登山ツアーにも行った、というくらいなので、きっと良い人なのだろう。
でも私は今回の登山ツアー、全く満足していない。
主に最後の数時間の置き去り事件によって。
道中色々小さな不満はあったけど、そんなの最後のこれと比べたらふっとぶ。
正直言わせてもらえれば、いくら一般観光ルート上であったとはいえ、ツアーの最中に残り数時間あるのにガイドが客を置いていく、というのは私には信じられない。
登山ガイドはツアーガイドではない、というのはわかってるけど、例え99.9%安全だとわかっているルートでも契約したならツアーの最後まで客を視界の端にいれて安否を気にかける義務はあるのでは???
登山でパーティ客の遭難の結構な理由に、途中ではぐれたとか置いてったとかそういうのあるじゃん。
パーティを組んだからには最後まで一緒に行動、は登山では基本なのでは?
いや、ていうか登山の基本云々に、ツアーの途中で仕事を放棄するのはどうなんって話よ?
ともやもやが止まらなかったけど、ホテルで暖かいシャワーを浴びてベッドに横になったら、まぁいいか、という気もしてきた。なんかもやもやするけど。。。700ユーロも払ったのに。。。とお金に汚いこと考えてしまうけど。。。でももう終わったんだ。雪のモンテペルディドは綺麗だったしゴリッツ小屋は最高だったじゃないか。
嫌なことは忘れよう。
と思ってたんだけど、この次の日、この旅最大の嫌なことが待っていた。










































































