ズロチに売り ! ポーランド連立政権、内部分裂 2
上から ↓
とは言え、法と正義党も弱体化が著しい。 今年春には妊娠中絶法の制定を巡って党内部が
対立。 結果 5議員が離党し支持率が急落。 2006年 9月にアフガニスタン派兵決定に次ぐ
人気凋落となり、今まだ回復していない。 法と正義党は議員が減る一方だ。
7月 2日に実施された GFK社による聞き取り調査では、現在ポーランドの各政党支持率は
下記の通り。 現在のところ市民プラットフォームが 30 ポイントを獲得し、法と正義党の
27 ポイントを上回っている。
法 と 正 義 ( PiS 保守派 / 旧連帯 ) 27
自 衛 ( SO 左 派 / 農民寄り) 5
ポーランド家族同盟 ( LPR 国粋主義 / 保護主義) 2
市民プラットフォーム ( PO 中道右派 / 企業寄り) 30
民主左翼連合 (SLD 中道左派) 10
農民党 (Peasants) (PSL 保護主義) 3
ポーランド右翼 (PR 右派) 0
カチンスキー首相は連立政権を組む他 2党と、「2009年まで選挙は実施しない」という
契約を結んでいるが、昨日 「解散総選挙もありうる」 と態度を一変。 「その時期は今年秋口か
来年初期である」と具体的期日まで述べている。
また別のシナリオとして、現在ポーランドは高水準の経済成長が続いていることもあり、法と
正義党は市民プラットフォームに協力を委ね、新連立政権を作るなどが見込まれるものの、
かつてからポーランドは政局混迷時様態にあるため、何が飛び出すかわからない。 方向が
はっきりするまで、しばらく時間が必要となろう。 また上記とは別の理由で、リピエック・
スポーツ大臣も辞表を提出。昨日受理されている。
昨日のポーランド金融市場、債券市場は引け間じかのニュースということもありほとんど
影響を受けていないが、ズロチはその後売り込まれ、対ユーロ 3.7715 – 0.013、
ドル 2.7685 – 0.010と、前週末比やや売られて引けている。
米 ド ル/対 円: 123.35円 - 0.20 02年国債: 5.28 % - 0.8 bp
ズ ロ チ/対 円: 44.55円 - 0.20 10年国債: 5.68 % + 1.4 bp
米 ド ル/ズ ロ チ: PLN 2.7685 - 0.010 原油価格: $ 72.19 – 0.62ドル
ユ ー ロ/ズ ロ チ: PLN 3.7715 - 0.013 金価格: $662.50 + 7.70ドル
利上げ観測が拭い去れず、債券市場は引き続き軟調
このところポーランド債券市場は軟調な環境から抜け切れない。 5月初旬から同国金利は
上昇の一途となっており、2年債利回りは 4.80 % から昨日の 5.28 % へと 48 bp の
金利上昇。 10年国債利回りも 5.30 % から 5.66 % へ 36 bp 上昇し、ほとんど買い戻される
場面が出ていない。 特に 2年債利回りの現水準は、ここ2年来の高さとなっている。
最も大きな理由として同国の景気成長が著しい中、賃金上昇が高水準に留まっていることで、
追加利上げの観測が引き続きマーケットを支配していることに起因している。 同国第 1四半期の
GDP は + 7.4 %、それと平行し 5月賃金上昇率は + 8.9 % となり、失業率は + 13.0 % と
依然高い反面 年末にかけて一ケタ台に低下すると見られており、現在 + 2.3 % に留まって
いるインフレがポーランド中銀インフレ・ターゲットである + 2.5 % をやがて上回ってくるのでは
ないかとの見通しが強い。 さらに6月 25日、ポーランド中銀は政策金利を 25 bp 引き上げ、
4.50 % としたが、利上げ実施後、「今後もインフレに対して細心の注意を払っていく」とコメント
したことも、金利の天井感を払拭できない要因だ。
先週金曜日、ポーランド財務相は、「第 2四半期の GDP は + 6.0 % ~ + 6.5 % 程度に
なろう」と公表し、同時に 「今年通期の GDP は + 6.5 % 」 と依然高い数値を予測。 さらに
「原油価格と建設資材の高騰、また昨年生鮮食料品価格が低かった反動で、6月の
インフレは年率 + 2.7 % となろう」とし、中銀のインフレ・ターゲットを上回る数値を予測している。
7月 25日のポーランド中銀 政策決定会合での金利引き上げ予測をしているのは、市場
関係者 17名のうち 5名と少ない ( Reuters社調査 )。 しかしながら 年末までに現行
4.5 % の同国政策金利は 5.0 % にまで引き上がるとの予測は 10名に達しており、
約 2 / 3 のエコノミストが年末までに追加利上げを見込んでいる。
インフレ上昇予測が未だ多いポーランド金融市場であるが、ポジティブな材料としてポーランド
財務省は今年の財政赤字見通しを公表。 同省によると、「今年の財政赤字は当初の見積もり
である 300億ズロチを下回る可能性が高い」と述べ、今年の財政赤字は対 GDP比 + 3.4 %、
2009年に + 2.9 % と見積もっている。 また年金改革に伴うコストは、今後 2年間で総額
200億ズロチとしている。
金曜日のポーランド金融市場、利上げ観測が続いているためズロチは対ユーロで引き続き
堅調。 6月 8日以来、反落する場面がほとんどない。 ただ債券市場は非居住者の売りが
続いており、昨日もイールド・カーブ全体に小幅売られ、6営業日連続の金利上昇。
債券価格は安値で引けている。
米 ド ル/対 円: 123.45円 + 0.45 02年国債: 5.28 % - 0.1 bp
ズ ロ チ/対 円: 44.75円 + 0.45 10年国債: 5.66% + 1.0 bp
米 ド ル/ズ ロ チ: PLN 2.7585 + 0.017 原油価格: $ 72.81 + 1.00ドル
ユ ー ロ/ズ ロ チ: PLN 3.7580 + 0.015 金価格: $654.80 + 4.20ドル
フィッチ社、ポーランドの現況と見通しを公表
欧州格付け会社である フィッチ社は、昨日ポーランドの現況と今後の見通しを公表している。
最近のポーランドの景気拡大は、自国の財政収支を改善させ、通貨統合に適した環境を
作り上げつつある。 同時に政局が不安定にもかかわらず、対外債務借り換えおよび自国
財政ポジションのリスク軽減に働いている。 これらポーランドの良好な経済環境は、今年
1月に フィッチ社が同国長期外貨建て債務の格付けを 「 BBB+ 」 から 「 A- 」に
引き上げたことにも影響を与えた。
同社の見通しによると、2006年のポーランドの実質 GDP は + 6.1 % 。 今後 2007年 ~
2009年のあいだ平均で + 5.5 % の成長が見込め、他の通貨統合加盟国の財政基準に
近づいて行くであろう。
著しい景気成長となっているにもかかわらず、諸物価上昇圧力は穏やかなものとなっており、
同国インフレ見通しは引き続き良好である。2006年における経常赤字は対 GDP比 2.3 % 。
今後 2009年までの経常赤字は、2000年から続いている恒常的な海外からの直接投資による
資金流入が見られ、対 GDP比 2.5 % ~ 3.5 % と予測され、さらにズロチ高やポーランドの
対外債務レシオの軽減に働くであろう。
伝統的に低水準であった同国の格付けであるが、景気拡大が財政収支を改善させており、
2006年度の同国財政赤字は 3年連続の減少、対 GDP比で 3.9 % と、2000年以降
最も低い数値となった。
同社は 2007年 ~ 2009年の同国財政赤字を対 GDP比で約 3.5 % と試算、さらに
年金改革に絡む費用負担が発生するものの、同国の累積債務は対 GDP比
48 % ~ 49 % にまで圧縮されるであろうとしている。
中期的視野で考えた場合、現在の社会保障費を非国民年金に変更する政府負担は、同国
財政赤字に対して 毎年最大で対 GDP比 2.0 % となろう。 また長期的な観点で考えると、
今回の年金改革は年金コストの削減につながり、公的債務借り換えにおいて他の欧州連合
加盟国よりも基盤のしっかりした財政構造を築こう、としている。
唯一の欠点として、同国最大与党である法と正義党は、現在ポーランド家族党および自衛党と
連立政権を組んでいるが、これら 3党の調和が取れておらず、しばしば論争が見受けられる。
このため思い切った更なる構造改革の足かせになること、またその実行に遅延が生じていること。
さらには通貨統合にも非積極的であることなど、フィッチ社は同国のユーロ導入は 2012年
以降になると予測している。
昨日のポーランド債券市場、フィッチ社のポジティブなコメントにほとんど反応せず。 欧州と
米国債券市場が、軟調推移となったことに連れ安。 ズロチも同様 対ユーロで売り込まれた
ことから、これが短期金利の上昇を招き、2年国債利回りは 6.5 bp 強上昇して引けている。
米 ド ル/対 円: 122.50円 + 0.20 02年国債: 5.24 % + 6.7 bp
ズ ロ チ/対 円: 44.28円 - 0.08 10年国債: 5.65 % + 1.6 bp
米 ド ル/ズ ロ チ: PLN 2.7665 - 0.009 原油価格: $ 71.41 + 0.32ドル
ユ ー ロ/ズ ロ チ: PLN 3.7620 - 0.007 金価格: $655.40 – 3.80ドル
中銀理事の発言が相次ぐも、意見はまちまち
一昨日ポーランド国立銀行は突然の利上げ ( 4.25 % → 4.50 % ) を実施したが、同国
金融市場は昨日もいたって平穏。 一部追加利上げの予測が流れているため、短期金利は
やや軟調ながらも、利上げ効果が現れズロチが終日堅調。 この動きを受けて、10年国債は
小幅ながら金利低下となっている。
このような環境の中、ポーランド国立銀行政策決定メンバーが相次いで発言。 ただ統一された
見解ではなく、その内容はまちまちであった。
トレンクナー・ポーランド中銀理事
経済学博士であるトレンクナー理事 (女性) は、元来タカ派で知られる政策委員の一人として
認知されていたが、下記の通り意外なコメントを発した。
「今後発表される各種経済指標などのデータにもよるが、今回の利上げ実施で中銀のインフレ・
ターゲットである + 2.5 % 以下に CPI を押し込むことが出来ると考える。
ただかって我々が経験したことが無いような突然の出来事、例えば賃金や原油価格の急上昇
などで事前予測以上の数値の上昇が起きない限り、現在のズロチ高がインフレを低下させると
考える。 仮に必要であれば再利上げということになろうが、そうならないことを願っている」と、
今回の追加利上げでインフレに対する行動は ほぼ完了 したことを示唆した。
一方同じくタカ派で知られるクゼカイ・ポーランド理事は、
「高水準の経済成長、突然の大幅な賃金上昇、失業率の順調な低下を懸念している。
ポーランド経済は高成長のトレンドに乗っており、やがてインフレとなって押し寄せてくるで
あろう」と、更なる金融引き締めの必要性をラジオ・インタビューで説いている。
昨日のポーランド債券市場は、欧州および米国金利が軟調推移する中 短期債セクターを除き
ほぼ一日しっかりとした動き。 一昨日の利上げ発表後、全体に売り込まれたこともあり、
長期債はむしろ買い戻す動きが続いたことで、10年国債は 5.64 % と前日比約 1.5 bp の
金利低下。 ただ2年債利回りは利上げの後遺症が残っていたのか、1.5 bp金利が上昇し
5.15 % と、イールド・カーブはややフラット化して引けている。
ズロチは 2日連続大きく買われ、対ユーロで 3.7825 から 2.7650 まで上昇。
米 ド ル/対 円: 123.25円 + 0.15 02年国債: 5.15 % + 1.5 bp
ズ ロ チ/対 円: 43.96円 + 0.14 10年国債: 5.64 % - 1.3 bp
米 ド ル/ズ ロ チ: PLN 2.8035 + 0.006 原油価格: $ 69.57 + 0.60ドル
ユ ー ロ/ズ ロ チ: PLN 3.7670 + 0.013 金価格: $650.40 + 5.60ドル
ポーランド中銀、突然の政策金利引き上げ 4.50 % + 25 bp へ
昨日ポーランド国立銀行 政策決定委員会は、政策金利である 7日間の貸出金利
( 7-day Reference Rate ) を 25 bp 引き上げ、4.50 % とすることを決定した。 同国中銀の
政策金利は4月 25日に 4.0 % から 4.25 % に変更されて以来、今年 2回目の
引き上げとなる。
エコノミストの事前予測では、24名中、政策変更なしと見込んでいた者が 19名という
こともあり、まさに予想外、突然の金利引き締め措置と言えよう。
ポーランド国立銀行のステートメントおよび複数の理事のコメントをまとめてみると、「ポーランド
経済は今後数四半期に渡って拡大が続き、中期的観点では更なる賃金上昇を伴い、同国
インフレは中銀のターゲット・ミッド・レンジである + 2.5 % をやがて超えてくると推測する」とし、
今回の利上げ措置を採ったとしている。
またウォジチナ理事は、2012年のウクライナと共同で開催するサッカー・ユーロ・カップを
控え、今後建設やインフラ整備が拡大。 これにより同国経済がもう一段加速する可能性が
高いとし、さらに今月可決になった企業および個人の年金支払い減額が、消費に回される
可能性を指摘している。
ちなみに同国 5月の平均賃金は年率で + 8.9 % と非常に高く、また 5月小売売上高は
+ 14.8 % と 2桁成長となっている。 一方 5月の CPI は年率 + 2.3 % と 4月の
+ 2.5 % から下落したものの、一度同国中銀のインフレ・ターゲットである + 2.5 % を
記録したこともあり、今後の経済成長に伴う賃金上昇、消費の高まりから来るインフレ上昇の
予防的措置として金利引き上げが決定されたようだ。
ただ 6ヶ月物のインター・バンク金利は 4.77 % と、少なくとも年内あと一回の金利引
き上げを織り込んでおり、エコノミストの一部では、昨日早々と年内あと 2回の引き上げ、
政策金利は年末までに 5.0 % に達するとの見通しを出しているところもある。
一方 昨日カラタ労働相は、「 6月の失業者は + 12.5 % ~ + 12.6 % へ低下する 」 と
発言。さらに「今年末には 10.0 % の大台を下回ってくるであろう」と、同国経済の著しい
成長が労働市場を急速に改善させているとコメントしている。 ポーランドの 5月失業率は
+ 13.0 % 。 6月の数値は 7月第 4週に発表される予定となっている。
またジロウスカ蔵相は、「今年第 2四半期の GDPは第 1四半期の + 7.4 % を若干
下回るが、最低でも + 6.0 % となろう」と語っている。
昨日のポーランド債券市場、突然の利上げとなったにもかかわらずいたって平静。
利上げ発表後それを好感し、ズロチが対ユーロで3.800 近辺から 3.7750 まで一気に
買い上げられたこともあり、2年国債利回りは前日比 + 5.4 bp の限定的な金利上昇で、
5.14 % となっている。
利上げ見通しが増え始め、ポーランド金融市場は続落
ポーランドでは一昨日 5月の賃金上昇率が発表になったが、
* 5月 賃金上昇率 (年率): + 8.9 % ( 4月 + 5.2 % )
市場予測であった + 8.1 % を大きく上回る + 8.9 % となり、これがポーランド金融市場の
足かせとなっている。 事前に一部エコノミストからは、「この賃金上昇率が + 9.0 % を超えた
場合、ポーランド国立銀行は直ちに利上げに走るのではないか」との観測も出ていたため、
「早ければ来週水曜日(6/27) のポーランド中銀政策決定会合で金利再引き上げが討議
されるのでは」との声も散見され始めている。
一方昨日発表になった 2つの経済指標では、
* 5月 鉱工業生産指数 + 3.0 % (MM) / + 8.1 % (YY) ( 4月 - 8.7 % / + 12.4 %)
* 5月 P. P. I. + 0.4 % (MM) / + 2.2 % (YY) (4月 + 0.5 % / + 3 .3 %)
と、鉱工業生産の事前予測は年率 + 10.1 % であったが、市場予測を下回る年率 + 8.1 % と、
前月の+ 12.4 % を大きく下回る数値となった。 これは5月祝日がかさんだ事にもよるが、
第 2四半期のポーランド経済はやや鈍化すると見られていたことから、第 1四半期の
GDP + 7.2 % と比べ、第 2四半期は恐らく + 6.5 % 前後の成長に減速するのではと
見られている。 ただ鉱工業生産の数値そのものは未だ高水準であり、ポーランド経済は
基本強いとされている。
一方 5月 PPI は落ち着きを示しており、先週スクシペク・ポーランド中銀総裁が、「世界の
価格競争力の激化から、労働コストは当面販売価格に転嫁されないであろう」とコメントして
いたように、インフレを示す数値とはなっていないようだ。
昨日カチンスキー大統領は、「ポーランドが直ちに通貨統合に参加することは、リスクが
大きすぎる。もちろん通貨統合適合基準を遵守しなければならないが、その達成時期は
2009年を計画している。 ただポーランドが統合基準を達成したからといって、ズロチが
直ちに単一通貨に移行するものではない」と述べ、「他国と比べ購買力平価が違うため、
経済的にも政治的にもリスクが多すぎる」と自国経済の保護を当面維持することを強調
している。
ポーランド債券市場は一昨日の賃金上昇率発表から 2日間連続大きく売り込まれ、
2年国債利回りは2日間で約 14.0 bp の金利上昇。 10年債も約 13 bp 利回りが
上がっている。
ただズロチは利上げ観測期待で、対ユーロで 6営業日連続上昇している。
米 ド ル/対 円: 123.55円 + 0.20 02年国債: 5.10 % + 8.4 bp
ズ ロ チ/対 円: 43.61円 - 0.21 10年国債: 5.66 % + 6.5 bp
米 ド ル/ズ ロ チ: PLN 2.8322 - 0.017 原油価格: $ 68.86 - 0.68ドル
ユ ー ロ/ズ ロ チ: PLN 3.8790 + 0.011 金価格: $660.00 – 4.70ドル
利上げ意見多く、ズロチ・金利とも軟調
先週発表になったポーランドの 5月 C.P.I が年率で + 2.3 % と、思ったほど低下して
いなかったことが尾を引き、昨日も金融関係者の金利引き締め発言が相次いでいる。
まずクゼカイ・ポーランド中銀理事が、「ポーランドの現経済はここ 10年で最速の成長を
遂げており、今後消費需要が増大する可能性がある。 金融当局は来年金利引き上げ措置を
採ることになろう」と発言。
第 1四半期の GDP + 7.4 % という大幅な伸びに加え、現失業率 + 13.7 % が年末には
+ 11.7 % まで低下するという見通しから、個人消費および企業投資増が、インフレ要因と
なることを警告している。
ただ企業利益が過去最高になっていることもあり、「今後見込まれる賃金上昇圧力は直ちに
インフレには結びつかない」と、世界の価格競争激化でそのコストを価格に転嫁することが
難しいと述べ、今後のインフレ見通しは、今年年末 + 2.5 %。2008年末は + 3.0 % としている。
さらにタカ派で知られるフィラー理事も、「民間部門の借り入れが増加しており、低インフレの
阻害要因となりそうだ。 4月の利上げ ( 4.25 % + 25 bp) 以来、金融当局の金融政策はすでに
引き締めサイクルに入っている」とし、「先週可決になった年金支払い減額法案は、やがて
個人消費増となり、また政府支出増もインフレ要因として働いてくるであろう。 今後経済環境と
物価上昇を検証しなければならないが、ポーランド中銀は今年第 4四半期に、再び金利を
引き上げるだろう」と、クゼカイ理事とともに今後金融引き締めの必要性を唱えている。
ポーランドでは本日 5月の平均賃金が公表になる。 現在の市場予測は 4月の年率
+ 8.4 % に対して + 8.2 % と小幅低下が見込まれている。 将来この数値が + 9.0 % に
近づいてくるのであれば、中銀は再利上げを実施する可能性が強いと見られており、今後
ポーランドでは、賃金上昇の数値が重要経済指標の一つに数えられそうだ。
週明け大半の新興国金融市場が大きく上げる中、昨日のポーランド金融市場は相次ぐ要人の
厳しい発言に終日軟調。 ズロチは方向感が定まらず、対ユーロで 5営業日連続の下落。
2年国債利回りは 4.95 %、10年国債利回りは 5.53 % と、長短金利とも前週末比
+ 1.0 bp 強国内金利は上昇して引けている。
米 ド ル/対 円: 123.70円 + 0.20 02年国債: 4.95 % + 1.1 bp
ズ ロ チ/対 円: 43.66円 + 0.09 10年国債: 5.53 % + 1.2 bp
米 ド ル/ズ ロ チ: PLN 2.8335 + 0.003 原油価格: $ 69.09 + 1.09ドル
ユ ー ロ/ズ ロ チ: PLN 3.8015 - 0.006 金価格: $659.90 + 1.20ドル
インフレに対して各要人の 穏健な発言が相次ぐ
一昨日発表されたポーランドの 5月 CPI が、市場予測の前年同月比 + 2.1 % に反し、
+ 2.3 % と高止まりの数値となったことから、フィラー理事が、「賃金上昇圧力加わり、
ポーランドのインフレは上昇する可能性がある。利上げサイクルが終わったわけではない」 と
発言。 その後クゼカイ理事も、「景気が加速している中、失業者の減少がインフレ圧力となる。
ポーランド中銀は今年および来年利上げが必要となってくるであろう」と、今後のインフレ上昇を
予測するコメントを発した。
一夜明けた翌日、上記 2理事の発言をけん制するかのように、まずはスクシペク・ポーランド
中銀総裁が、「ポーランドのインフレは過去 25ヶ月間、中銀のインフレ・ターゲットのミッド・
レンジである + 2.5 % を下回っている。 2008年も中銀ターゲット内に収まることとなろう」 と、
今年例外的に上昇する可能性があるが、来年は再び落ち着くと楽観的なコメントを述べ、
さらに 「今年全体のポーランドの経済成長率は + 6.5 %。 海外からの投資は 150億ユーロに
達するであろう」 とし、「政府が通貨統合参加を決める前に、通貨適合基準を達成し、
ポーランドの経済をベスト・コンディションに作り上げたい」 と、通貨統合参加に意欲的な
意見を述べている。
さらにクロウスカ財務次官は、「賃金上昇圧力は物価に反映されていない。 一時的な
生鮮食料品価格の上昇が見られたものの、夏場にかけては下落し、インフレは低下して
いくであろう。 また夏場に食品価格はデフレ気味になり、 7~8月の C.P.I. は、 2.0 % を
下回るであろう」 と、やや増えつつあるインフレ上昇見通しに対して、それを否定するような
発言をしている。
また同財務次官は、「今年度の借り入れ資金は当初 485億ズロチと見積もったが、
これ以下に収まる可能性が高く、また来年度は今年の数値から数十億ズロチ下回ると
見ている」 と、好調な国内経済から来る税収増と歳出削減が、今後も政府借入額減少に
働くことを強調した。
さらにジロウスカ蔵相も、「昨日発表された 5月 C.P.I. + 2.3 % には正直驚いたが、
一時的な上昇と考える。 今年年末のインフレは + 2.6 % であろう」 と、同じくインフレは
大きく上昇しないことを強調している。
昨日のポーランド金融市場は材料不足で動きがとれず。 一昨日発表になった CPI が
やや高く、市場関係者の間で再利上げ観測が散見されたこともあり短期金利が若干
甘くなったが、イールド・カーブ全体にほとんど前日比変わらずで引けている。
ズロチは新興国通貨全体の買戻しに歩調を合わせ、対ユーロで上昇。 3.3830 から
2段階に渡って買い進まれ、3.8165 のほぼ高値で引けている。
米ドル / 対 円 : 123.00円 + 0.45 02年国債: 4.92 % + 0.4 bp
ズロチ / 対 円 : 42.90円 + 0.24 10年国債: 5.53 % + 0.1 bp
米ドル / ズロチ : PLN 2.8675 + 0.005 原油価格: $ 67.65 + 1.39ドル
ユーロ / ズロチ : PLN 3.8165 + 0.007 金価格: $655.90 + 3.20ドル
5月 CPI年率で + 2.3 % と、市場予測を上回る 1
昨日発表になったポーランドの 5月 C. P. I.
5月 消費者物価指数 + 0.5 % (MM) / + 2.3 % (YY) ( 4月 + 0.5 % / + 3.3 % )
前年同月比で + 2.3 % と4月と同じ数値になり、市場予測平均であった + 2.1 % を上回った。
これは 燃料価格の高止まりに加え、4月から 5月にかけてホーランド全体に霜が降り、
野菜や果物などの生鮮食料品価格が高騰したことが主な要因となっている。
項目別で見れば食品価格が前年同月比 + 3.9 % (前年同月 + 4.1 %)、
家庭用燃料費 + 3.7 % (同 + 3.5 %) が高止まりしているものの、輸送・交通費 + 0.6 %
(同 + 1.3 %) や衣料費 – 7.4 % (同 – 7.5 %) など、その他項目はかなり落ち着いた
数値を示している。
ただ食品価格は引き続きその後遺症が残っており、6月の CPI は + 2.6 ~ + 2.7 % に
なるのではないかとの見通しがあり、中銀ミッド・インフレ・ターゲットの + 2.5 % を挟んだ
攻防ラインになりそうだ。
市場関係者の一部では、今後ポーランドの CPIは微上昇が予想され、中銀は更なる金利
引き上げに走るのではないかとの予測が出始めている。
CPIの数値発表後、タカ派で知られるフィラー中銀理事は、「今回高止まりした CPI
+ 2.3 % の数値は、次回の中銀政策決定会合で再び議論の対象となろう」とコメント。
「将来ポーランドのインフレは安定を超えた推移となる可能性がある。 またサービス部門の
賃金上昇圧力が芽生え始めており、インフレ要因となりそうだ。 利上げが終焉したわけ
ではない」 と警告を発している。
- to be continued -
5月 CPI年率で + 2.3 % と、市場予測を上回る 2
上から ↓
新興市場国全体に通貨と金利に売りがかさみ下落する中、ポーランド債券市場も軟調に
始まる。 さらに CPI も高い数値が発表される中、 同国初の発行となる30年ポーランド
国債の入札が実施された。 結果は、
ポーランド国債落札結果 |
平均利回り |
応札額 (Bil)
|
落札額 (Bil) |
倍 率 |
|||
30年債 |
0437
|
5.00%
|
04-25-2037
|
5.557 %
|
3.03 Bil
|
1.0 Bil
|
3.03 倍 |
荒れたマーケットの中での入札となったが、初銘柄ということも含め 落札倍率は 3.03倍と
非常に好調な結果となった。 現在ポーランド債券市場では 10年債の利回りが 5.53 % と
なっており、今回の 30年債落札利回りは 5.557 %と、ほぼ 10年国債利回りと同水準。
同国財務省は、「初の 30年国債発行は、大成功を収めた」との感想を述べていた。
昨日のポーランド債券市場は悪材料がかさんだにもかかわらず、30年債の良好な落札結果と
ともに終日底堅い動きに終始。 10年債は 1.5 bp強利回りの上昇を見せたものの、2年国債
利回りはズロチの上昇とともに、前日比ほぼ変わらずで引けている。
またズロチは午前中対ユーロで 3.8450 と前々日の弱さを受け継いでいたものの、お昼過ぎ
から米国国債の上昇とともに金融市場が安定。 その後急速に買い込まれ、引けは 3.820と
ほぼ高値で終わっている。
米ドル / 対 円: 122.55円 + 0.90 02年債: 4.92 % - 0.2 bp
ズロチ / 対 円: 42.66円 + 0.55 10年債: 5.53 % + 1.7 bp
ズロチ/対米ドル: PLN 2.8730 + 0.015 原油価格: $ 66.26 + 0.91ドル
ズロチ/対ユーロ: PLN 3.8237 + 0.019 金価格: $652.70 – 0.40ドル